願い 

2007年01月26日(金) 20時38分
運転席になげだした無防備な足
私を抱きよせる手のひら
毒々しく蔓延する憂いの煙の香

あなたの温度も仕草も愛も
ことばになる寸前に
手でつかもうとする瞬間に
空気のなかに昇華する
あるいは紅葉して空気の一部となる

秋晴れの港で
釣り人の昔話に耳を傾け微笑むあなたの隣
願ったことはただ1つ

あなたがあたり前に私をほしがるなら
私もあたり前にあなたをほしがるから
あなたと手をつなぐのはもう私が最後でありますように

あなたと出会う前の私だったら
「そんなのばかげてる」と笑いとばすだろうけど

こんな単純な言葉でしか言い表せないほどに
逃げ道をなくした迷路の子猫のように
私は脆くて弱い
この恋は怖くて危うい

 

2007年01月25日(木) 22時00分
答えの出せない自分を許せずに
立ち往生する私の歩みを慰めるように降る秋雨の夜

人に頼ることの下手くそな私が
「聞いてください」と語った
背中を向けたまま、視線も合わせないまま
頷いてくれてあの人の、無駄のないやさしさが胸に染みた
帰り際にぽつりと伝える
「ありがとうございました」

こんな風に感謝したのはいつぶりだろう
ふとそう思ったとき、気づいたんだ

私の振る舞いが、台詞が、日常が
嘘で覆われていたこと
嘘で嘘を守るように
嘘で塗り固められていたこと

私は急いで、とても急いで
嘘のなかった私を探しまわるけれど
もういつのことだか分からなくなってしまっていたんだ

「ありのままの私」を大事にするだなんて
ことばで言うのは容易いこと
それは甘えだ怠惰だと自分を責めていたのだから
大事になんてできるはずもなかったんだ

あの人の前、私はきっと
見事に無防備で、子どものようで、美しかっただろうに

私は思う

嘘を取り払った世界はどれだけきれいに映るのだろう
嘘を取り払った世界はどれだけきれいに映るのだろう

答えの出せない自分を許せずに
立ち往生する私の歩みを慰めるように降る秋雨の夜

半年 

2007年01月25日(木) 21時50分
君に出会ってもう半年
君と会ったのはたったの5回
僕らをつなぐのは電話ごしの言葉と時間と
そして信じる気持ちだけ

やりなおしの誕生日
君の視線がよそを向くたびに僕は不安になって
君をひきとめようと抱きよせた
「もう冷めた?」だなんて心配そうに聞いたけど
出会った頃の新鮮な気持ちを失くしてがっかりしていたのは
むしろ僕の方だったのかな

街へ帰ってきたら
君のことできるだけ忘れておこうと
「日常」に邁進していた僕は
’わがままで、マイペースで、軽薄で
何でも自分の思い通りにしようとする’
君の嫌なところを思い返しては、再び腹を立てていた

君に会ってから3日目の午後
僕は君にとらわれていることに気づく
苦しいほど とらわれていることに気づく

だけど
君にもう会いたくなっているだなんて
口が裂けても僕は言わないよ

それを言ったらきっと 僕は崩れてしまうから
君という人が僕のすべてになっていくのが怖いから

君が消えてから 

2007年01月25日(木) 20時26分

母さんが育てたチューリップの隣
住人のいない小さな家が1つ
君の姿が消えてから
1年と3ヶ月

自転車を止めて
のぞいた庭先
ふとよみがえる

いつでもそこにあった
無垢な仕草と
きらきらの目をして
走り寄るあの足どり

ボクの記憶に残されたものは
君との思い出だけではない

君に思いを馳せる瞬間の
胸に広がるこのあたたかい気持ち

小さな君への思いは
繋がっていく、繋げられていく
この大きな世界への愛情へと
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