検討会についての要請書
2007年08月28日(火) 14時25分

原爆症認定制度の見直しについて、厚労省が検討会を設置する予定です。
それについて、日本被団協が要請書を提出しました。
昨日決まった新たな厚労相は舛添要一氏だとか。双方向の基準作りを望みます。
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2007年8月24日
厚生労働大臣
柳澤 伯夫 殿
日本原水爆被害者団体協議会
代表委員 藤平 典
同 坪井 直
同 山口 仙二
事務局長 田中 熙巳
原爆症認定基準の見直しに関する検討会についての要請書
去る8月5日広島における被爆者7団体との懇談の席で、安倍総理大臣は「専門家の判断のもと、原爆症認定のあり方を見直す」と言明し、厚生労働大臣は8月6日に行なわれた「被爆者代表から要望を聞く会」で、「今とは別の専門家による検討会を設置して、1年以内に見直しの作業を進める」と述べました。
私どもは、これらの言明が、真に原爆症認定制度の抜本的な改善につながっていくことを心から願うものです。
しかし私どもは、過去に二度、裁判の結果を受けて原爆症認定の見直しをした際に、手ひどい裏切りにあっています。
一度目は、2000年7月松谷英子さんの最高裁判決後に原爆症認定基準を見直したときです。専門家による検討の結果、現行の原因確率による「審査の方針」が打ち出され、被爆者の実情から乖離した機械的審査が何らの痛痒もなくすすめられる状況が生まれました。裁判で被爆者が勝訴したのに、原爆症認定は一層厳しくなったのです。このため、現在270人をこえる被爆者によって原爆症認定集団訴訟が行なわれることになりました。
二度目は、2005年3月被爆者慢性肝機能障害(C型慢性肝炎)での原爆症認定却下処分をめぐって争われていた東数男さんの裁判で、被爆者C型慢性肝炎に放射線起因性を認めた東京高裁裁判決が国側敗訴で確定したときです。この時厚生労働省は、「専門家の意見を聞いて、C型肝炎についての原爆症認定のあり方を検討する」と述べながら、結果的には「ウイルス性肝炎には放射線起因性はない」とする結論を再び出させました。しかも裁判で被爆者C型慢性肝炎と放射線起因性を否定する被告・国側の証言を行なった戸田剛太郎氏を主任研究者として据えるまでして、この結論を出させたのです。厚生労働省・原子爆弾被爆者医療分科会は、被爆者C型慢性肝炎をその後も却下し、事実上、東京高裁判決に従わない態度を取り続け、今般の集団訴訟においても、被告・国は上記結論をもって、被爆者C型慢性肝炎の起因性を否定している状況です。
このような二度の経過は、国・厚生労働省が一方的に選任する「専門家」は、厚生労働省の思惑に従い、判決の内容、司法判断の意味を敢えて理解しようとしない場合があるということです。
従って、私どもは厚生労働大臣及び、一方的に大臣が選任した「専門家」を容易に信用することはできません。
そこで、今回の「見直しに関する検討会」設置に当たって以下の点を強く要請するものです。
記
1.「見直しに関する検討会」設置の目的が、大阪、広島、名古屋、仙台、東京、熊本の各地方裁判所の判決が共通して批判した、「原因確率」を基とする現在の「審査の方針」を廃止し、新たな認定制度を構築する点にあることを明確にすること。
2.「見直しに関する検討会」の委員の選任については、日本被団協の意見を十分に聴くこと。さらに、「専門家」は、原因確率を基礎とした現在の「審査の方針」以降の原子爆弾被爆者医療分科会の委員であったものは原則として除くこと。
3.「見直しに関する検討会」は、全て公開とし、希望者の傍聴を認めること。
4.新たな認定制度の構築にあたっては日本被団協の意見を充分に聴くとともに、各地方裁判所の判決を十分に踏まえて、これを反映したものにすること。
以 上



