ガウリイは自分の心臓が高鳴るのを抑えて、片手とそこに握ったものを後ろに隠した。
こんな時、自分の体が大きくてよかった、と思う。
結構大きな花束を握り締めながら彼は隠しきれていることを祈りながら、リナに声をかけた。
「あのな。」
「何?」
「話があるんだけど、聞いてくれるか?」
今日で彼女と、リナとガウリイが出会って4年になる。
彼女の実家に行く途中でやっぱり色々ゴタゴタとして、結局まだ到着していない。
だからこそ未だに保護者という枠から抜け出せないような、微妙な位置にいるのだ。
しかしやっぱりそれではいけない、彼女は超ド級のトラブルメーカーなのだから、このまま成り行きに任せていけば、彼女の実家にたどり着くことは出来ないし、葡萄とはぐらかしたままずるずると時が過ぎてしまう。
はっきりさせよう、と決めたのが最近。丁度出会って4年目という時期でもあるし。
だから彼はこうして花を後ろに隠して、「つきあってくれ」と言う為に彼女と向き合っているのだ。
一世一代というか、脈はあるような気がするけれどやっぱり色々、色々と不安は募るわけで。
柄にもなく心臓がばくばくと跳ねているのを彼は自覚して、彼女をじっと見つめた。
「奇遇ね、あたしもあるのよ。」
リナはなんてことはない口調で言った。
話って何だろう、と思う。
明日の進路とか、夕食の相談だろうか。
「っていうかまぁやるもんもあるんだが。」
「あら、あたしもよ。」
「あ、そ、そうか…」
ふと彼女の記憶力を思い出した。
もしかしたら彼女も今日で4年目だということを覚えていて、何か記念にくれるのかもしれない。
彼女のあっけらかんとした態度から考えても、ガウリイが今からしようと思っているような内容ではないだろうが、それでも彼女が覚えていてくれたということは嬉しいことである。
少し照れたような顔で笑いかけると、彼女はけらけらと笑って言った。
「すっごい偶然ねー。」
「そうだな…」
「何緊張してんの?」
「いや、大事な話だし。」
あまりにもリナが自然に笑う為、これから大事な話をする空気にするのは大変だな、とガウリイは思った。
それでも彼女に言わなくちゃならない。もう逃げてはいけないのだ、と自分に言い聞かせる。