今我々に求められているのは「原点回帰」

2005年06月14日(火) 21時09分
 前の記事「環境主義の死?」にコメントをいただいたので、コメントでお返事しようと思ったのですが、長くなりそうな気配が漂っていたので、記事を書いて、トラックバックさせていただくことにしました。

 まずは、コメントありがとうございました。

 一点お断りを。当方、確かに環境問題を生業としていますが、このブログでは単なる環境問題に関心の強い青年の主張として情報発信しています。
 会社の公式見解ととられるとまずい局面もありますし、まあBlogですから穏便にということでよろしいでしょうか。

 それで「環境保護、環境保全において民間レベル(つまり素人の集まり)での勉強会、意見交換会などでは、相当前から「投資」という概念を使っています。」のくだりですが、当方そういう知識がありませんでした。正直に回答します。勉強不足です。失礼しました。(具体的な事例等をお示しいただければ幸いです。)

 地球温暖化の件は、隣の部署が専門なので、当方の知識は限りなく市民レベル(この言葉も不適切かもしれませんね)に近いです。前もってお断りしておきます。

 米国不在でも京都議定書は確かに発効しました。大いなる第一歩には間違いないと思います。

 しかし施策というのはその始まりだけでなく、問題解決に至るまでのマイルストーンが正しく設定された上で、それを履行していくプロセス、それに伴い現れる成果、これら全てを徹底的に検証することが重要なのではないかと私は考えています(至極当然のことですが)。

 京都議定書の目指す目標は、2012年までの間に1990年のレベルまで温暖化物質を削減するというものですが、これはあくまで「第一約束期間」における取組目標に過ぎません。

 そしてここがポイントになると私は感じるのですが、議定書の批准国にしか温暖化物質の削減は義務付けられません。

 2013年以降が、国際規模の参加による次期枠組みということで、例えば英国では地球全体において550ppmまで温暖化物質を削減する目標を立てているようです。

 環境省のパンフレットの一部に記載されています。こちらをご参照ください
 この議定書を批准した国は地球全体で見ればごく一部であり、環境省のパンフレットにもある通り、開発途上国における今後の温暖化物質排出量は莫大なものになると予想されます。

 果たして、京都議定書は地球温暖化問題を解決できるのでしょうか。

 とはいえ、排出権取引、CDM、JIなど経済的手法を活用した「京都メカニズム」と呼ばれる環境配慮活動は、高度経済成長期にエコノミックアニマルと揶揄された日本人の美学や行動様式などと比較すれば、やはり大いなる前進があったと認めざるを得ません。

 CSR(企業の社会的責任)を例にとれば、経済、社会、環境というトリプルボトムラインを強化しなければ企業活動が成り立たない時代になったため、企業は環境を重視するようになった訳で、そういう意味では環境に対する「民度」の高まりが企業を変革させていると言えます。

 市民による環境意識の高まりが企業を変えているという風に捉えれば、私の感じる違和感も若干ながら軽減されるのかもしれません。

 とはいえ、環境問題の解決を夢見てこの道に飛び込んだ14,15年前を顧みると、やはり環境を守るということは「原点回帰」、「人と自然の触れあい」ではないのかな、と思います。

 自然と共生すること、それは人間のほうが上位にあるなどとは思わないこと、共に地球に生きる存在であることを認め合うこと、そして我々人類は自然に生かしていただいているという謙虚な心を持つこと。

 環境問題の解決には、そういう気持ちが一番大切なのでははないかと思います。トラックバック先のカメ君さんの記事「人間も動物」にも私の結論と近いことが書いてあったので、少し安心しました。

(以上、会社の公式見解とは全く異なるものとして、お読みいただければ幸いです。)
  • URL:http://yaplog.jp/hello-to-all/archive/185
コメント
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>カメ君さま

コメントありがとうございます。

私自身、図らずも(?)環境をネタに生計を立てている身なので体制批判をできる立場ではないのですが、世の中には環境をビジネスチャンスと捉えている企業が多数あります。ベンチャーのような中小企業から大企業まで。

ただ実際には環境で儲かる話というのはそれほどないと私は思っています。
そもそも環境浄化とは、それ自体はマイナス(汚染状態)からゼロ(正常な状態)に戻すことですから、そこに社会的価値を見出して投資するのは基本的には行政であり、汚染原因者が明らかに特定できる場合に限り当該企業または個人ということになるのではないでしょうか。

しかし昨今、環境への取組を企業経営に組み込むことによって本業への好影響が期待できるということが明らかになりつつあります。そういうところから環境をビジネスの一要素として位置づけるのは企業として当然の行為かもしれません。
京都議定書の発効を契機に排出権取引ビジネスが本格化することなどもこの一例と言えると思います。

結果的に環境が復元されるのであれば方法は問えない時代になってしまったのかなという気持ちと、それでもやはり人類には「原点回帰」が必要という気持ちが錯綜しています。

問題提起したのはよかったのですが、やはりスッキリ解決という訳にはいかないようです。
2005年06月15日(水) 0時09分
まず、私は京都議定書を評価していないんですよ。
一つ前の記事にあった
》「環境」は社会経済を活性化させるための道具ではないのです
には、賛同します。ですので
環境を経済活動の中に入れ込むことで成り立った京都議定書はNGなのです。私の中では。
環境が多大な収益を生む構造を国際的に造ってしまったわけですから。多大な外貨が入り、日本の商社が潤う。なんか変ですよ。
2005年06月14日(火) 23時25分
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