未来設定について妄想。 

August 23 [Thu], 2007, 23:01
千咲さんと慎吾は恋人らしい生活も新婚らしい生活もまるでしないで未来話の状態に直行してそうなので、上下関係とかずっと変わらないんじゃないかなとか思ってます。
ルカが慎吾にあんまり懐いてないのは、ルカが小さい頃慎吾があんまり家にいなかったからじゃないのかなとか。接し方がわからんのではないか。
慎吾はもともと子煩悩なんだと思うけど、30前くらいまで現役で選手してて、国の中だったらまだいいけど日本代表とかになってたから家にいられた時間は本当に少ないと思う。てことはルカが小学校3年生とかそれくらいまでほとんど家にいなかったってことで、現役退いてもコーチとか監督とかで呼ばれることが多くなって、やっぱり家にはほとんどいなくて、だからいきなり帰ってきて子煩悩っぷりを発揮されても、子供としてはあんまり実感が持てないというか、お正月にだけ会う親戚のおじさん感が拭えてなさそう。
ってことで悶々と悩みを抱えてたら面白いな、ルカ。
家族関係に問題ありそうだよね、突き詰めて考えると! そう思うと、流風と樹理はまだいい方なんじゃないかな。
慎吾は問題ないと思ってるから何であんまり懐いてくれないのかなー、親父とキャッチボールとかしたい年頃なんじゃないのかなー、とか思ってたり。
ルカとしてはテレビの中の一選手としての影が消えないので、尊敬する選手ではあるけれど父親としてなかなか認識できなかったり。すっげー似てないし、慎吾不在中に慎吾の部屋でたまたま流風の写真見つけたりしたら余計にだよね!
千咲さんは最初こそ自分の夢を請け負ってもらって満足で、ルカを育てるのは慎吾の足手まといにならないように自分だけできっちりやろうとか思ってるわけだけど、父親死んでるわけでもないのに父親が全然側にいなくて、それが原因で慎吾が帰ってきた時にも懐けないルカを見たときにわっと罪悪感が湧いたりして。でも性格的になかなか言い出せないー、みたいのがいいな。(何)
ルカがエンジ君とかにちょっと相談してたりすると尚燃える。(バーニングです)
櫂と黎の瀬川家見てるとちょっと羨ましいなーとか思ってたりしないかなあ。
慎吾は家に帰りたくなくて帰ってないわけじゃないんだよ!? ルカも千咲さんも大好きだけど帰れないだけなんだよ!? 浮気とかもちろんしてないから大丈夫だよ!!
夜にちょっと両親話し合ってたりして。しかも超最近。

「え、……俺のせいだったの? つっても道楽じゃなくて仕事だしな……。断れる限りは断ってるつもりなんだけど、そっか、俺のせいだったか」
「……慎吾だけのせいにするつもりはない、けど……。多分、ルカはそう思ってると思うから」
「ん、分かってる。じゃあ何だ、ルカはマザコンてことか。どっちにも懐かないよかいいけどさ、……うん」
「……ごめん、慎吾は本当に頑張ってるのに、こんな押し付けるみたいな……」
「あー、いいっていいって! ルカ、ちゃんと俺の試合とかは見てくれてたんだろ? ならいーって! 俺のことすげえ奴と思っててくれれば今はそれでいいよ。千咲さんの方が頑張ったんだし。俺バスケしてばっかなのに母親だけであんないい子に育ったんだから。キャッチボールはこれからするとしますよ」

とかいう会話が欲しい。
それをルカが盗み聞きしてちょっとほろっときてたりするといい。
それかエンジ君が聞いちゃうとかいうのもいい。
(つーかそんなに長い間家族関係放置すんなよという)
こんな一連の会話の後に、慎吾は自分とルカの間にやっぱり距離あったんだな、と実感すればいい。
「あんないい子に育ったんだから、って超他人事じゃん俺……」
とか思ってショックが拭えなくてちょっと散歩に行ったりすればいいと思う。
でも一番辛いのは千咲さんでいてほしい。ルカの誕生日とかにちゃんと諭してあげればいいよ。


おお振りのEDの「ありがとう」聞いてたんですが、素晴らしきミハカノソング(や、カノミハでも結構ですが私がミハカノ派なので)であると同時に、「え、これすげえ慎吾視点の慎吾+流風じゃね?」と思った私はそろそろ終わってるんだと思います。
けどね、歌詞見てもらうとわかるんだけどね、めちゃめちゃ慎吾+流風っていうか慎吾→流風っていうか。
ドツボでした。yozuca*の「記憶の海」をエンドレスで流しています。ええ曲や……。

あ。 

August 08 [Wed], 2007, 1:38
気がついたら空の誕生日。ごめん空、書けそうにない。(笑)


点呼どんが未来話書いてて、この前秋臼さんと長電話したときに大和と風哉くんの話題が出たので、じゃあ大和の子供ってどんなんだろうと思って経緯を妄想した。
大和は、子供がいないか、いても一人娘だと思う。男でも女でもどっちでもいいと最初は思ってたけど、男の子もいいなー、とかちょっと思ってるからエンジくんとかに甘いっていうかよく絡むんだと思う。
万が一ルミと結婚したらこうなる。

「唐突だけど子供がいる家庭っていうのもいいんじゃないか?」
「子供なんておぞましいから絶対嫌だって言ったのどこのどいつよ」
「……あのな。俺の遺伝子と、お前の遺伝子で、どんな混沌とした人間ができあがると思ってんだ。いいか? 兄様と義姉さんの子供があの頭悪いクソガキに育つのはわかる。つーか自然な流れだ、完璧だ。あの口の悪さ、アホさ加減、見てくれ、どう考えてもあの2人の子供だろ? しかしどうだ、考えてみろ、俺の遺伝子半分お前の遺伝子半分だぞ? もう異形しか思いつかない」
「……あんたがあたしのことどう思ってんのかよくわかったわ……。で、どうして異形が欲しくなるわけよ」
「都筑のところに子供が生まれたらしくてな」
「あんたはあいつと張り合わなきゃ何にもできんのかい!! つーかそんな理由!?」
「こんなの建前に決まってるだろ? 俺は純粋に愛の結晶とやらをだな、」
「作った笑顔で堂々と言ってんじゃないわよ人でなし」
「まあ異形ってことはないだろうし、人の形してるなら俺にかなり似れば幸せになると思うしな」
「それならクローンでも作ればいいでしょうが!!」
「お前なあ、俺がこの世に2人いたら国2つくらいは征服できるぞ?」
「何自慢よそれ!!」

というやり取りがありそうだと思う。
男でも女でも名前は椿にすると思う、大和のことだから。
で、生まれるのはきっと娘だと思う。中3くらいだといいかなあと思う。
黒髪、そこそこ可愛いけどまあ普通な感じ、成績も中の上レベル。大人しそうに見えるけど普通にいろんな子と喋る。だけどそんなに出張らない。そして当然性格が黒い。(笑)
ちなみにお嬢言葉。どこの小牧さん。しかもツインテール。
紗央のところの馬鹿息子に恐れられてそう。従姉妹なのに!
大和はそれなりに可愛がりそうです。
エンジくんがこっちに来るんだか来たんだか知ったときに、

「椿、お前持てる力のすべてを使ってあいつの息子を落とせ。すげー面白そうだから」
「……あんたねえ、娘を娯楽に使うんじゃないわよ」
「いいえ母様、私も父様の仰ることはとても面白そうだと思っておりますわ。やろうと思えば私にできないことなんてありませんものv」

な感じで。
別にファザコンというわけではない。自分が面白そうだと思うことは進んでやるし、そうじゃないことは誰に命令されても拒否する。
ちなみにやはり家庭科スキルが壊滅的。
てな感じな子だといいなあ。演技派だとなおよい。

とてもどうでもいいことですが 

July 21 [Sat], 2007, 23:36

おお振りの阿部は素直クールに分類されるらしい。


…………え、うちの大和の方が余程、(略)


クールかどうかは疑問だが、照れもせずにさらりとは言ってしまう。
素直クール残酷?(すげえカテゴリだ)
場所、人目共にあまり気にしない。
問われたらすぐ答える。
大和が流風に何かしてあげるところって女装しか思いつかないんだけど、意外とルミにはいろいろしてやってるんだな。
記憶してるだけで、花、ドレス、着物、ネックレス、とかあげてる気がする。いちごミルクとコロッケパン奢ってたかな。
どこぞの紫のバラの人みたいですね。
学校では庶民面してるし、何より面白いことが好きなので、金あるからって自分が払うのは面白くないし、賭け事とか競争するのも楽しいし、ということでゲームで負けて奢るというのは悔しいらしい。
ただ、金持ちとして今使わずにどこで使うんだよ、みたいな場面ではばら撒くように使う。
流石に真壁さんちの翼くんみたいにはいきませんけどね……!
しかも自分が認めた相手に、自分が気に入ったものしかあげない。
だから、

「こーんな高いの、庶民のあたしには似合わないし、宝の持ち腐れになるよー」

とか冗談半分に言われても、本気で、

「お前が庶民なのは認めるけど、似合わないものなんて最初からやらない」

とか言い出す。
「馬子にも衣装」なんて言葉はまず使わない。
「おー、やっぱり似合うな。流石俺が見立てただけある」
とは言う。服っていつも特注な気がする。
正月に着物あげたときとか、秋口からデザインの注文つけてたらしい。(他人事)
ここまでされたら別れづらくならないだろうか。つーかそもそも付き合ってるのか。(疑問)
大和の場合は面白くなくなったらそこが終わりなので、すごい唐突にきそうな気もする。
しかし何かないとここまでにはならないよなあ。何があったんだろう。
喫茶店でバイトしてたり流風と喋ってたりするときのルミってそんなに可愛くないなあと思うんだけど、大和と喋らすと一気に調子出てくるなと思う。
あのルミなら風哉くんとの関係持ち出されても「いやもうあんたが何言おうとそんなに驚かないって」で済ませそう。「だって芹沢がいう事って全部本気な上に悪気ゼロだし」とか。
奴は「俺は冗談は言うけど嘘はつかない」が信条らしいよ。最近知った。
なので夏休みには何か書きたいなー。
お祭りの話考えてて、あー、また浴衣プレゼントするなこいつー、とか思う。
大和がくれる和服はいつも椿柄。浴衣だろうと着物だろうと全部椿柄。着物の時は帯にまで椿が刺繍されてる徹底振りです。


忘れないようにしてるんだけども、あの子花好きなんだよね。(遠い目)
踏み潰しそうなことさらっと言うくせに花好きなんだよね。
誕生花覚えるのが特技というキモさ。(笑)
そういうプラスなところもないと大和という奴は本当に最低人間に成り果てるからな!!

理央奈央誕生日。 

July 20 [Fri], 2007, 23:55



「何か、本当にすぐ過ぎちゃうね、一年って」
「そんなもんだろ」
「そうなんだよねー」

 今日は雨だった。
 晴れていたからといってどこに出かけるというわけでもなければ、雨が嫌いなわけでもないので、ざあ、と鳴る雨音を聞きながら奈央はカーテンを閉めた。

「ケーキ、焼こうか?」
「いつも作ってると特別って感じしないな」
「あはは、じゃあ理央作る?」
「俺が作るって言っても結局お前が手出すんじゃないか」
「だって、理央に任せるの悪い気がするんだもん」

 それは理央だっていつも感じているだろうことは知っている。
 それでも、小さい頃からの性分なので仕方ないのだ。

「誕生日っていうといっつももっと賑やかなのにね」
「毎年毎年やかましいからたまにはいいと思うけど?」
「そうかなあ。だってあたしたち、いっつも静かだから、特別って感じしないよ」
「なら、そんなに特別ってものでもないんだろうな、誕生日なんて」
「そんなものなのかなぁ」
「そんなもんだ」

 そっか、と奈央は納得した様子で、理央の隣に腰掛ける。
 雨音が少しずつ小さくなっていく。

「……夕飯、一緒に作るか」
「あ、……うん! たまにはいいかも」
「雨止みそうだからな」
「きっともうすぐ賑やかになるね」

 雲が切れて、夕暮れのオレンジ色の光が差し込んだ。

「お誕生日おめでとう、理央。長生きしてください」
「瀬川みたいなのと付き合えてるお前の方が先に参りそうだけどな。……奈央も、おめでとう」
「仕事頑張りすぎな理央の方が心配だよ、あたしは」

 二人で笑い合うと、悪質ないたずらのようにインターホンが鳴らされる。ぴぽぴぽぴぽぴんぽーん、と連続する音に今度は苦笑して、揃って玄関へ向かうのだった。


涙色の朝 

June 12 [Tue], 2007, 2:07




「……き、……ひびきっ」

 いつも極端に寝起きの悪い要がすぐに目覚めることができたのは、切羽詰まった子供の声が聞こえたからだった。
 濡れたような黒髪の少年――理央が、大きな瞳を潤ませてしきりに自分の名前を呼んでいる。
 今にも涙が零れそうに見えたので、起き上がる前に要は理央の頬に手を当てて、親指で目元を拭ってやった。

「っ、これは無意識だって言っただろ」
「ああ……。忘れてた」

 いつもより目覚めが良い気がしていたのだが、やはり頭はまだ眠っていたようだ。
 体を起こして、どうした、と理央に問いかけると、そっと両手を差し出した。
 子供の小さい掌に乗る、小鳥。理央の掌で横たわるそれは、少しも動く気配がなかった。

「窓のすぐそばに、いつも、止まってた。朝になると」

 ぽつり、と小さく、けれど子供特有の高い声で、理央は呟いた。

「今日は、いなかったから、変だと思ったら、」

 理央は馬鹿でもないし、この姿であっても中身はちゃんと大人だ。
 だから、わかっている。
 自分の掌が温かくても、そこに載るものに温度がないこと。
 
「………死んでる、よな」
「……ああ」
「この町、変なことばっかり起きるから。でもこういうことはどうにもならないんだな」
「……ああ」

 要は理央の頭に手を置いてから、何度か撫で回した。
 さらさらした黒髪が何度も指の間をすり抜ける。

「響、子供扱いもいい加減にしろよ」

 睨むように理央が要を見ていたが、子供の顔ではそう迫力もない。
 それに、子供扱いをしているつもりなどほとんどない。
 目の前にいたのがいつもの鈴城理央でも、同じことをする気がする。

「……埋めてきていいか? 庭に」

 頷いて、要は理央の頭から手を離す。
 ゆっくり部屋を出ようと歩き出す理央に続いて、要も立ち上がった。

「用事それだけだから、まだ寝ててもいい」

 理央はそう言った。

「手伝う」

 後ろから手を出して頬に触れると、やはり濡れていたので、黙って拭ってやった。

「無意識だからな、これはっ」
「わかってる」
「子供扱いするなよ」
「してない」



 身長が縮んだって、涙腺が緩んでいたって、そこにいるのは等身大のお前じゃないか。




リベリオン 

June 07 [Thu], 2007, 2:12



「城下の王子サマが王宮に忍び込んで、一体何の御用かしら?」
「ちょっとばかり許婚の顔を見にな。さあ会わせてくれ」
「あら、あたしはあんたみたいな溝鼠と婚約した覚えはないわよ」
「ざけんな、こっちにだって選ぶ権利ってもんがある」

 袖口やら裾やらが破れた服を纏った少年は、手を後ろで縛られ、床に膝をついていたが、女王を憎しみの篭った目で見つめることをやめなかった。
 少年の汚い服装に比べ、女王は綺麗な黒のドレスを揺らして、一歩ずつ少年に近づく。それから、少年の顎に指をかけた。

「綺麗な顔。流石は城下の王子ね。大人しければあたしが可愛がってあげたかもしれないのに、人生損してるわ」
「お前みたいなのに可愛がられるくらいならそこらへんの親父に可愛がられる方が余程いい。――いいから姫を出せ、クソ女」

 抵抗できない状態の少年に鞭が振るわれる。
 少年を取り囲むように立っている何人もの兵士が一度に振るうのだ。剣でないだけまだマシだ、と少年は思う。
 この女王は自分を殺す気はおそらくないのだろう。当然だ、城下の王子と名高い人間――しかも王族とは全く関係が無い――を殺せば民の怒りを買う。それは好ましくないはずだ。

「お前らが王位についてから、姫がちっとも顔を出さない!! 姫を出せ!! あの子も王族だろうが!!」
「王族? ……そうね。前は」
「っ、前、……?」

 女王は美しかった。
 アイスブルーの左目、漆黒の右目、一度瞬きすると、冷たく告げた。

「追放したのよ。――要らないから」
「つい、っ……!? ……今、どこにいるんだ、姫は」
「さあ? 知らない。どこかで死んでるかもわからないし、運がよければ生きてるかもね」
「ふざけるな!!! 吐かないと殺すぞ!!」

 呪いのように叫ぶと、少年は勢いよく女王の頬に向かって唾を飛ばした。
 容赦なく再び鞭が振るわれる。少年は呻いた。

「威勢がいいわね、ルカ。黙ってたら帰してあげようと思ってたのに、反逆罪よ」

 黒い手袋をはめた指先で、頬につけられた唾を拭うと、女王はぱちんと指を鳴らす。

「――死になさい、ルカ」
「―――っ!!!」
 
 急に重力の比率が変わったかのように、そこから一歩も動けなくなる。正座の状態で頭を垂れたまま、動くことができない。呼吸さえままならないくらいに、苦しい。
 目の前にひんやりした空気が流れた。垂れた頭のまま、限られた視界に見えてきた、するどい切っ先。
 剣。この国のもう一人の王、そのシンボル。
 この王は、女王の命令には必ず従う。女王が殺せと命じれば自分は必ず殺されるだろう。

「リオ」
「――姉さん」
「ルカを、」

 少年には、こ、という言葉まで聞こえた気がした。
 が、突然後方の大きな扉が開かれた。叫び声と共に。

「ちょっと待ったぁああああああ!!! ルカさん殺すなら俺を殺せ! ルカさんは城下の宝なんだからな! そう簡単に殺させるか!!」
「し、シンゴ……?」

 押さえつけられていたように少しも動かなかったのが嘘のように、喉から声が出た。
 扉から入ってきた長身の少年、シンゴはつかつかと女王と王に歩み寄る。
 
「ルカさんは城下の王子、城下の宝、でもって俺のスウィートハニーなんだ!! だから殺させない!!」

 少年を庇うようにシンゴは立ちはだかった。
 その背中がやたらと大きく見える。シンゴが殺されそうになれば、自分はそれを全力で阻止するだけだった。女王の言葉の呪いも徐々に解けてきているようで、多少は動くこともできるようになった。

「……姉さん、これは」
「わかってるわよ。……ルカ、いい友達を持ったわね。そうよね、流石に城下の宝を殺したら蜂起されかねないもの。………国外追放。殺されるよりいいでしょ? 仕方ないわね、王子様の従者も一緒に飛ばしてあげるわよ。か弱い王子様は一人じゃ生きていけないものね?」
「待て!! シンゴは全然関係っ、」
「黙りなさい」
「ぐ、ッ……!」
 
 先ほどと同じようにまた上から強い力をかけられたように、少しも口が動かない。黙らされてしまった。 
 くすくすくす。
 怒りだけを誘う、人を見下したような笑い方に少年は歯を食いしばる。
 しかし、殺されないだけまだ良い。
 まだ良い、でも、関係のない人間を巻き込むのは。

「大丈夫ですよ、俺、ルカさんに付いて行けるなら本望です」
「健気な従者を持ったわね、ルカ。――リオ、命令よ。今すぐ、こいつらを国外に追放なさい。そうね、あまり長生きしない所に。戻ってこられても困るもの」

 大きく腕を広げたシンゴは、一歩だけ後ずさる。
 女王の威厳ある命令のためか未だに音を発することのできない少年が、立ちはだかるシンゴの向こうに見たのは、振るわれる王の剣と、そこから迸る閃光だった。


なんていうか。 

June 05 [Tue], 2007, 2:52

「綺麗な食べ方をするな、奈央も理央も」

 夕食の途中、突然静かに告げられた言葉に、奈央は鶏肉を切り分ける手を止めた。
 今日は理央も帰りが遅い。空も職員会議やら何やらで忙しいらしい、ということで要の家で一緒に夕飯を取ることにしていた。こうして要の家で夕飯を取るのはそう珍しいことではない。
 少し暗いくらいの橙色の照明の向こうで、要はいつものように無表情だ。それならば、自分も自分のペースを崩すわけにはいかないだろう、と奈央は思った。

「親が、厳しかったので。小さい頃からこういうのは教えられてたんです。もっとも、あたしはほとんど理央に教わってましたけどね。あたし、覚えが悪かったので」
「そういえば、お前達から親の話なんてほとんど聞かないな。離れて暮らしていると言ったか?」
「はい。小学校6年生の頃からなので、10年以上ですね。1年に1度会えばいい方です。それさえキャンセルすることもありますし……。親が会いたいのは理央で、けど理央はあたしが行かなければ自分も行かないって言う。毎年、その繰り返しです」

 10年もほとんど顔を合わせていなければ、奈央の中にある親の記憶など、本当に厳しかった、ということくらいしかない。自分は小さい頃から他人の干渉を好まなかった。理央は他人に可愛がられるのが好きで、得意な子だった。それは今も変わっていないように思う。そんな自分を両親が放っておくこと、そんな理央を可愛がることは当然なように思えた。
 見た目は本当にそっくりだったのに、中身はまるで違う。いつも光と影だったように思う。

「あはは、変でしょうあたし。小3の時、理央が高熱出して家で倒れて。あたし何もできないで親が帰ってくるまでずっと泣いてたんです。それで親に叱られて、もうそれくらいしか覚えてないんですよ。理央はたくさんのこと覚えてるのに、あたしにはほとんど覚えがないんです」
「理央が調子崩すと仕事の能率が落ちるのはその所為か。トラウマだな」
「それは、えっと、すみません。……けど、トラウマなんて大層なものじゃないですよ。記憶の容量が違うんだと思います」

 ふざけたように奈央は言ってみた。そんなの、きっと通用しないと分かっていたけれど、そう言うことで自分は少し落ち着くことができた。
 目の前の人間が、そうか、なんて受け流すはずがない。記憶の容量なんてそんな卑屈なこと言って、受け流すような人ではない。
 だから、次に来る言葉は、何となく、予想できていた。

「ちゃんと理央の面倒を見ないと怒られると思うんだろう、奈央の心は」

 水の入ったグラスを手に、奈央は要の目を見た。
 ――それを解っているのは、自分だけだと思っていた。
 誰にこの話をしても、「考えすぎだ」と、「理央のことが本当に大切だからなんだ」と諭されてきた。
 違う。
 本当は、違う。
 そうやって慰められて安心する自分を遠くで見ているもう一人の自分が言う。
 わかってる、わかってる。
 本当はそんなに可愛い妹なんかじゃないの。
 いい妹だ、なんて、そんな風に言われるような妹じゃないの。

「……わかってたんですよ、もう、ずっと前から、あたし、理央に優しいのは保身のためなんだって。理央はずっと、あたしのこと、本当に可愛がってくれて、優しくしてくれてたのに、あたしはもう何年も、自分のために理央に優しくしてたんです。理央をちゃんと看てれば怒られない。理央に迷惑かけちゃいけないから、料理も家事もするようになって。空君のことだって、あたし、本当に大好きなのに、それだってもしかしたら、理央が本当に大事に思ってる友達だから、あたしがそう思わないわけにいかないって、どこかでそう思ってるのかもしれない」

 すべてが理央を中心に回っている気がする。
 自分で言っていて何だか怖くなって、腕を摩った。とても寒い。

「あたしって何なんだろう、って、本当はあたしなんていないんじゃないか、って、よく、思います。あ、何か、ごめんなさい、くだらない話しちゃって、本当に、こんなどうでもいいことなのに」

 自分なんか存在しない。何かよくわからない入れ物に、作られた意識だけ入れられてるんじゃないかと思えるくらい、どうしようもなく卑屈な言葉ばかりが出てくる。
 泣きたくなって俯くと、要が空になった皿を流しに持っていく。その帰り、優しく頭を撫でられた。

「意地は張るし変に世話焼きだしすぐ卑屈になるし極論に走るし、……ここまで似てる二卵性なんてなかなかいない」
「そ、そんなんじゃないですよっ」
「……お前達の側には、本当に大人がいなかったんだな」

 何度も、何度も、優しく頭を撫でられる。
 そんなに子供扱いしないでほしい、そう思っているのに、手を振り払うことができなくて、奈央は黙ったまま椅子に座り続けていた。
 大人でいるつもりだったのに。あの広い家が2人だけの世界になった時に、大人にならなきゃいけないと強く思ったはずなのに、なのに、

「あの頃から止まったままなんですか、あたし達」
「………さあ、それは俺には解らない」
「じゃあ、……あたし達、子供ですか?」
「ああ」

 なんて滑稽なんだろう。
 大人になったつもりだったのに、子供の頃の低い視点のまま、少しも変わっていないなんて。何も見えていない。
 もしかしたら、もしかしたら、本当に欲しいと思ったものは、すぐそばにあったのかもしれないのに。ひとりじゃなかったら、気付けていたかもしれないのに。

「……あはは、あたし、本当に子供ですね。……撫でられるの、好きみたいです」
「……そうか」

 きゅ、とスカートの裾を握って、奈央が微笑んだのとほぼ同時に、足音が2階へと近づいてきた。


_______________________

あとちょっとだけど続きは追記。


そんじゃま便乗。 

June 02 [Sat], 2007, 1:46
点呼どんがイメージソング上げてたので便乗してみる。


空:平井堅「POP STAR」、「Song of Love〜Alt Lyrics〜」、UVERWORLD「SHAMROCK」
「POP STAR」は言わずもがなですが、学生時代っぽいな、とか思ってます。
「Song of Love」はね、最初むっちゃんぽいかなとも思ってたんだけど、むっちゃんの中に自分が身を引くっていう考え方はおそらくないだろうと思ったので、それじゃやっぱり空かなと。
この、ね。ものすごーく好きなんだけど、隣にいるのが自分じゃなくてもいいから取りあえず幸せでいてほしいっていうのが、ね。ペーターいいなあ。(何)
「SHAMROCK」も個人的に相当空です。あの青春ぽくてぐちゃぐちゃな感じとか好き。

理央:一青窈「ハナミズキ」、玉置成実「Result」
理央って無いなぁと思ってたんだけど、ついさっきふと思い出してこれっぽいなと。
こんなに可愛らしくなくてもっと過激派な気もするけど(笑)、お兄ちゃん的にはこれくらいの気持ちで見守ってあげててほしいなとか思う。
「Result」はかみさま話の理央。
「抱きしめるものがない腕…夢以外に」とか、ね。かなり好き。いいもん作ってくれたよ。

奈央:岡崎律子「守りたい人がいて」「待ち合わせ」
奈央ってすごい難しい。すごいネガティブでめちゃ後ろ向きで卑屈でどうしようもないのにたまに可愛かったり優しかったりする奴なので当然だがそんなわけのわからん曲あるわけがない。(笑)
「守りたい人がいて」は前クリチューで流風奈央な感じ、かなあ。
もっとも、この曲が奈央なら、流風の曲もこれになるはずなんだけど。お互いにものすごく触発されたらしい2人ですから。
「待ち合わせ」はちょっと嫌な女な感じがして(笑)、いやでもこれは奈央なんだよ。ツキ高の空奈央なんだよ。「気まぐれみたいな愛し方をして ときどきあなたに悪い」というのはものすごく奈央だなと思うのです。

紗央:奥田美和子「青空の果て」、「Wonderful Wonder World」、angela「未来とゆう名の答え」
前者はもう、ねえ。(何) 大好きです。学生時代な感じかな。
後者はどうしようもないほど卑屈になってるヒロインな感じがとても紗央さんだなあという印象を受けます。
アンジェラの曲はちょっと明るめで好きかな。ほとんど個人的な好みですが。

流風:平井堅「Ring」
意外にもですが思いつかない。全く思いつかない。
でも「Ring」だけは流風だなあといつも思う。
ジャニーズ系は、ノリで歌いそうだとは思うけどイメージとは遠い気がする。
基本的に暗い歌あんまりないしね。
いつもひとりでいて、それでも何かよくわからないものが欲しくて仕方ない感じがする曲は大体流風なんじゃないですか。(何それ)

慎吾:和田光司「The Biggest Dreamer」、スキマスイッチ「ガラナ」
TOKIOの「LOVE YOU ONLY」でももちろん構わないんだけどね。
夢に向かってまっしぐら!!な感じがすごく慎吾だなと思う。
こういう熱い感じの曲は慎吾っぽかったりするので、福山芳樹の「真赤な誓い」も好きかもしれない。
壁があっても負けない系、夢に向かって一直線系は慎吾だね!!(何)
スキマスイッチ忘れてたー!! いやあ、「ガラナ」はばっちり慎吾だと思ってます。
それでもやっぱり一直線系。慎吾はそうでなくちゃ。

梓:aiko「終わらない日々」「桜の時」、I wish「ふたつ星」
可愛い曲は大体梓で変換されてくれるので楽しい。
トミーフェブラリーとかも可愛い感じだから該当するかもしれない。結構好きなんだけどなあ。(笑)
ブリグリの方が好きでしたが、もちろん。


そんな感じかな。
ほとんど関係ない話ですが、むっちゃんの声って緒方恵美さんとか甲斐田ゆきさんとかでも合いそうな気がする。(何)

思い出したかのように 

May 22 [Tue], 2007, 1:33

いや、大したことじゃないんだけどさ。
あのクソ真面目な慎吾ができちゃった婚ってすごいな、と思って。(笑)
慎吾って、本人に対してはそこまで熱烈アピールしてるわけじゃないから余計に意外な気がする。
そりゃあふざけ半分に「先輩が好きです熱烈アイラブユーです!!」とか「千咲さんと腕組んで歩けるなら俺学園祭で歌えます!!」とか妙なコト口走りそうだけど、いざ流風が「俺にできる範囲のことなら何言ってもいいよ」とか言うと、「先輩とバスケがしたいです」とか言っちゃう子だから、きっとかなり慎重派なんだろうと思う。
うーん……。
きっと何かあの慎吾が衝動的になっちゃうようなできごとがあったんだろう、と思うしかない。
それって何なんだ、某神風怪盗の7巻の稚空みたいな感じか? とか思ってみる。


とか言ってたらむっちゃんと梓が無性に書きたくなったりする。
待ちうけって!! 着ボイスって!! それってどんなん!?
「六津さん、電話が着てますよっ」
とか、
「メールが来たみたいだよ、梓ちゃん」
とか、です、か?(マジでFUKI出す5秒前)
ケレス先生の携帯盗んで3A全体でやらないだろうか。
寧ろアンドゥーの携帯を綾奈ちゃんあたりが盗んで、般若心経とか入れないだろうか。
で、いきなり着信してめちゃめちゃビビるアンドゥーと空。(笑)


梓は高校卒業したら一気に綺麗になるんじゃないかと思ってます。
高校の間は子供っぽい髪型して、私服もなんかちょっと無理して大人っぽくしてる感じがあると思われるのです。
けど、いつも制服だったのと、むっちゃんの背が高すぎるせいで気付いてなかっただけで梓もかなり身長伸びてて、髪形も少し変えてみたら実はものすごく綺麗になってて、久々に会った空とかがびっくりしそうです。
でも中身は変わらないから子供っぽくて可愛らしいまんまなんだろうけど。
むっちゃんはそこまで意識してなかっただろうけど、梓が大学入ってしばらくして、ミスコンに出ることになっちゃったとか同じクラスの男子に告白されたとかいう話を聞いててちょっと心配になったりしてほしいというどうしようもない妄想。
梓にとっては全然取るに足らないことなので全部日常茶飯事として喋っちゃいます。流石に告白されたことなんかは控えめに喋るんだろうけど。
「なんか、よくわかんないうちにミスコンに出ることになっちゃったみたいなんですけど、どうしてでしょうね。全然相応しくないのになぁ……。あ、でもドレス審査あるみたいなんです。来てくれますか?」
だとか言って欲しい。梓なら言ってくれると思う。(何)
「私そういうの本当に全然興味ないんですけど、……六津さんが来てくれるなら、頑張っちゃうかもしれないです」
とか若干健気なこと言って欲しい。
でもって当日むっちゃんは空とか奈央と一緒に行くんだけど、途中退席すればいいと思う。それに気付いた梓は途中から元気がなくなった結果もそんなに良くない感じで。
あとは王道。(笑)


さて、寝るかな。

友情/恋愛シミュレーションゲーム 

May 13 [Sun], 2007, 22:42
みたいな感じの設定を慎吾と流風で延々と考えてみた。(笑)
こんなことよく考え付くもんだと思う。
あまりにもくだらないので追記で。