辿り着いた場所はどこだっただろう。 

2011年07月09日(土) 0時35分
過去の日記を全て消した。2006年から5年間書き溜めた日記をひとつづつ、全部消した。ずっと、この日記を消すことはないと思っていた。削除をクリックするたびに、わたしは結局こういう生き方なんだと妙に冷静に、まるで他人ごとのように思った。虚しかった。だけど、ただ虚しいだけでもう悲しくはなかった。悲しい気持ちは使い果たしてしまって、こころの何処にも残っていないのかもしれない。


小さい頃の写真、小中高の卒業アルバム、恋人とのプリクラ、これまで、全て捨ててきた。自分ではどうしようもない程に苦しいことや悲しいことがあったとき、形ある想い出を捨てた。想い出を捨てることは、辛い現実や事実をなかったことに出来ることのような気がしていた。もう何もいらないと思い、そもそも全てなかったものだと自分に言い聞かせた。そうやってなかったことにしなければ、苦しくてどうやって生きていけばいいのかわからなかった。過去をぜんぶ消したい、捨てたいと何度思っただろう。何度そうしただろうか。今回だってそうだ。こんな風にしか生きられないわたしって一体なんだろう。わたしは惨めか。

何年か前、母親に言われたことがある。あなたはすべてが希薄だ、と。人間関係も環境もすべてがその場限りで終わって切れてしまう。だから過去も歴史もない。それはあなたが繋ぎ止める努力をしないからだ、と。


もっともだ。
だけど、そういう風にしかできない自分をいちばんもどかしく思っているのはわたしだ。


一昨日から風邪をひいて身体がダルい。気持ち悪くてムカムカする。もう何もいらないとまた思った。どうにもなれない彼も、好意をよせてくれる年下の彼も、どちらも今のわたしには必要ないものなのかもしれない。ただ静かで温かいベットで眠りたい。携帯の電源を落として、安心して深く眠りにつきたいのです。


熱にうなされる。

昨晩大雪のなかタクシーで送ってくれた店長の優しさも、わざわざチョコをもって会いに来た彼の気持ちも、すべて素直には信じられず、胃がもたれるような変な重たさでわたしの中に積もってゆく。






ひとつだけ記事を残した。それだってきっといつか必ず消すのだろう。

さようなら 

2010年12月31日(金) 10時18分
クリスマスイブからクリスマスに変わる夜、午前4時。わたしはタクシーの中でひとり震えた。もう涙はでなかった。

ついに手放すことを決めた。今しかないと思った。選ばれるのを待つのではなく自分で選ぼうと思った。くたくたに疲れ果ててはいたけれど、それをしなければわたしは死ぬだけだと思った。こころが死ぬ。






好きでも嫌いでもない。一緒にいてもいなくてもいい。約束していた大阪も行ってもいいし行かなくても別にいい。ただ疲れた。疲れ果ててしまって、もうなにもないの。なにも思わないの。だからもう連絡しないで。そう告げたときの彼の顔があたまから離れない。なんとも形容し難いあの表情はどうしてだろう。わたしはいい女を上手く気取れただろうか。

最後に向かい会ったのはデニーズの煩い喫煙席だった。そこを指定したのはわたしで、それはわたしがずっと嫌いだと言い続けたデニーズだった。彼と彼女がここで頻繁に会っているのを知っていたから。そして、わたしが嫌いな理由を彼はきっと気づいていたけれど、結局最後まで彼は何も言わなかった。ずっと避けてきたけれど最後の場所にはピッタリだと思ったからそこにした。足を踏み入れても思ったより辛くはなかった。わたしは大丈夫だと思った。27日月曜日、23時のこと。




もうずっと愛されてるなんて微塵も思わなかった。それでもあの子よりは大切にされている気がした。今となってはそれも曖昧だけど。でも、だからなんで彼女のわたしが彼を手放して、わたしの犠牲のうえであの子が繰り上げ1位になるの?って心の奥ではずっと思っていた。納得がいかないって思っていた。わたしは汚い。そう思ってしまった時点でわたしには彼女を罵る資格も彼の隣におさまる特権も失ってしまったんだろう。彼女よりもずっとずっと綺麗な気持ちで彼を想っていることだけがわたしの唯一の武器だったのに。





琥珀色の硝子みたいな
きれいな目をしていて
そこがいちばんすきでした

こどもみたいな目をしていて
この人がなんで
こんなことをするんだろうって
いつも目を覗きこむたび考えた





夏が終わる頃、あの子の存続が発覚したあたりのブログに確かこうやって書いた。この言葉に尽きる、そんな恋愛だった。何度も何度も彼の目の奥を覗きこんだけれど、何が写っているかは最後までわからなかった。結局わたしが写っていたのかも、わからなかった。


昨日、彼女にメールをおくった。ほんとうは会って一発ひっぱたいてやりたいと思っていたけれど(本当にそう思っていた)、直接会うほどの気力と勇気はもうなかった。恨み節にならないように、そして惨めな女にならないように気をつけて、なるべく完結に、だけど後悔のないような文章にした。きっと彼女の心には何も響かないとはわかっていたけれど、それでも送信するまで3日もかかった。だけど、伝えたいことの半分も文章にできなかった。伝えたかったのは怒りではなく、悲しみ。わたしと彼女の惨めな姿。わたしはどうしても彼女を徹底的に嫌いにはなれなくて、そんな自分が惨めで悲しい。


返信はない。当たり前だ。





誰にも言わなかったことがある。


彼から離れることを決意した本当の理由。わたしがもうもたなかったのも本当だし、わたしでは彼を捕まえておけないと悟ったのも本当。フラフラした彼を見るのが辛かったのも本当、ぜんぶぜんぶ本当だけど、本当の本当は、彼の記憶に残りたかったから。どんなかたちでもいいから忘れては欲しくなかった、わたしのこと。どうしてでも彼の中に残りたかった。

自分から捨てた女はきっと忘れてしまうけど、引きとめたのに離れてしまった女は忘れないかもしれない。もしかしたらもったいないことしたって思うかもしれない。逃した魚は大きいって思うでしょう。例え、本当はちっぽけな魚でも。そういうことです。


こうするしかなかった。他に方法が見つからなくて、泣きたかったけど。






春の夜、深夜に遠くでサイレンの音を聞くたびに、夏になって喫茶店でアイスコーヒーを飲むたびに、秋がきて焼き芋にバターをつけて食べるたび、冬の寒い日にモンクレーのダウンを見るたび、きっと何度でも彼を想い出す。



本当に彼のことが好きだった。
頭がおかしくなるくらい好きだった。

大晦日の今日は雪。
最初から最後まで、ドラマみたいな恋だった。

長くて苦しい2010年が終わる。
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1986.3.12/A/nagoya

すきなものは睡眠とワンピース
きらいなものは熱血漢とおばけ
とくいなものはいっきのみと毒舌
にがてなものは集団行動と粉薬

あ、ヲタク行動とかもわりと得意分野です。
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