何が二人をそうさせたのか
何が二人を駆り立てたのか
あの焼け付く焦燥の意味を
まだ探してる
沢山の
星の数ほど沢山の犠牲を払って
気がつけば、拓いた道は屍累々
酷い道だった
凄惨な道だった
けれど、いつ強制的な別れが来ないとも知れない現実がそこにあったから
咎のない人間を、仲間だったものを、手に掛けることに迷いは、なかった
でも、どうして二人一緒に死んでしまわなかったんだろうね
血に塗れた手を、血のこびりついたシャツの裾で拭いながら、不意に同じ様に血を拭いながら、立ち込める血のニオイに顔をしかめていた相手に問う
二人『せーの』で死んでしまえば、きっと、こんなに苦しいことはなかったはずだし
『最後に残るのは例外なく唯一人』
この覆し難い世界のルールに則って、最悪、どちらかがどちらかを遺して生かなければならない。という恐怖に苛まれ、怯えることもなかったはずだ
「…二人とも、怖がりだし、ワガママだから。かなぁ」
んー、と
血のニオイをさらった風を追いかけて、空に視線を這わせて僅か
くるりとこちらを向いた自嘲を上手に苦笑に隠した笑顔が、ほとりと落す
他の誰でもないお互いを殺すことも、殺され損ねて一人生き残ることも、自分以外の誰かが相手を殺してしまうことも、全部が全部怖くて許せなくて、だから、まだ死ねずに殺せずしぶとく生きているんじゃないか。と
「あとは、愛?」
「取ってつけた感が満載に聞こえるんだけど…」
「うん。
一応言っといた方がこういう場面じゃウケるかなって…」
「…誰も見てないし、聞いてないって」
だけど、
確かにキレイなだけの想いだったら、とっくに死ねていただろうな。と、思い至って
もう一度、拭いきれない手の平の血をシャツに擦りつけながら、
二人とも、大概仕方のない人間だね。と苦笑った
07.04 初出
07.10 再掲