あけましておめでとうございます 

2007年01月03日(水) 11時28分
前回の更新がいつなのか、全く思い出せないくらいに
期間があいてしまいましたが…
あけましておめでとうございます!
昨年は、本当に本の読めない(読まない?)一年でした。
忙しいから、というのはもちろんあるのですが、
心がけ次第という気もしますね…。
さて、今年はどうなることやら…。

数少ない読了本の中から、今年もマイベストブックを
挙げてみたいと思います。
選定基準(?)は、わたしの読了本メモ帳のなかで、
星ふたつ以上をつけたもの、ということにしています。

木馬のぼうけん旅行(アーシュラ・ウィリアムズ作/福音館文庫) 

2006年10月01日(日) 22時53分
おもちゃ作りのピーダーおじさんの作った木馬は、商売不振が
もとで病気になってしまったおじさんのため、お金稼ぎの旅に出ます。
木馬は、きっとすぐにお金を貯めて戻ることができるだろうと出かけて
いったのですが、気がつけば船に乗せられ、見知らぬ外国の地へ。
途中、炭鉱で本物の馬に混じって働いたり、サーカスで綱渡りを
したりと、さまざまな方法で懸命に働くのですが…。


一読した感想は…すごく面白い!でした。
一見地味な装丁に、なんとなく手の伸びにくいタイトル。
ですが、読み出したら最後、木馬はいつお金を貯めておじさんに
会えるのよ!?と、はらはらしっぱなし。お人(馬?)好しで、そのうえ
世間知らずの木馬ですから、お金が手に入るたびに、何らかの形で
すぐになくしてしまい、またふりだしに逆戻り…。
(でも、決してめげない)

とにかく、この木馬が多芸多才。おまけに頑丈。思わず、木馬って何でも
できるんだねえとしみじみしてしまうほど。
旅先で出会う人たちは、いい人もいれば悪い人もいます。、だからこそ
手に汗握るわけですが、物語は最後まで息をつかせず、しかし、
少しずつ大団円に向かって動いていきます。
波乱万丈でありながら、骨太の物語でもあるのです。

また、この木馬のおじさんへの盲目的な愛も印象的でした。
とにかく、どんなにつらいめにあっても、「病気のおじさんのため!」と
ひたすら頑張るのです。
はじめは、木馬にとって、おじさんは神様みたいなものだからね、
可愛いなあ、などと思っていたのですが、木馬の発揮するパワーは、
あまりにも超人(しつこいけど、馬?)的。
それはもう、最後には、はううむと唸ってしまうほど。
木馬を動かすおじさんへの愛って、一体何なんだろう?
別に恋愛感情(に似た要素)ではないし、親子のそれでもない…。
しばし考えてから、ようやく、そうか、飼い犬の飼い主に対する忠義心だ!
と思い当たったのですが、そりゃあ当たり前ですね…。
でも、改めて、木馬は木でできているけれど、心は本物の生きている
馬と同じなんだなあと思いました(だからなんだという気もしますが…)。

好みはあれども、これだけ面白い本が、(以前のわたしと同じく)
装丁や出版年の古さで敬遠されているのかもしれないと思うと、
なんだか勿体無い気がしますね。
もちろん、児童書の世界では、名作として知られているのでしょうが。
児童書好きの方だけでなく、波乱万丈の物語がお好きな方、
可愛い動物好きの方にも、おすすめの一冊です。

わたしのマトカ(片桐はいり/幻冬舎) 

2006年07月31日(月) 11時26分
タイトルがとても可愛い。
マトカが何なのかは、エピローグである「旅のおわりに」を読むまで
わからないのですが、なんとなく北の国の言葉なんだろうなと
イメージできます。ペチカとかマトリョーシカとか。語感がちょっと
似てますよね。実際には、北は北でも東欧でなく北欧。
女優の片桐はいりさんが、映画「かもめ食堂」撮影のために訪れた
フィンランドの滞在記です。

実はわたし、数ヶ月前に映画「ロッタちゃんとはじめてのおつかい」を
見直して以来、北欧を旅してみたい!と思っていました。
それで、情報を得ようとあちこちのサイトを渡り歩いていたのですが、
旅行ガイドとしてはそれなりに読めても、わたしの行きたい
北欧(要するに映画で見た北欧のイメージ)とは何かが違う。
そういうわけで、近頃では、北欧熱もすっかり冷めかけていたのです。
ところが、「わたしのマトカ」を読んで、やっぱり北欧はいい!と
北欧熱再燃。
語学力については口にする以前の問題なので省略するとして、
唯一懸念があるとすれば、食べ物のことですかねえ。
片桐さんによれば、いも、いも、いも、とにかく「いも」らしいのです。
じゃがいもはとりたてて好きでなく(いや、たとえじゃがいもが好きだと
しても、日本人の好きなんかとはレベルが違うんでしょうが)、
サーモンも生では食べられない。しかも、有名なリンゴンベリー
(ロッタちゃんの映画にも出てましたね)は、ソースにして
トナカイの肉にかけて食べるんだとか。そして、それは
日本でいうところの「スキヤキのときに生卵」に匹敵する、
フィンランド人入魂の一品!
こちとら、いのしし肉も食べられないというのに…。

あたまの中にぼんやり浮かぶ、白っぽくうつくしいヘルシンキの街なみ。
あたたかいペチカ、ムーミン・トロール、そして、ぶっきらぼうだけれど、
素朴でやさしい人たち。北欧のイメージはむくむくとふくらみます。
しかし、けもの肉と生サーモンとじゃがいもをクリアしなければ
飛び立てない北欧。ああ…!

あるようなないような(川上弘美/中公文庫) 

2006年07月18日(火) 15時57分
川上さんのエッセイを初めて読みました。
正直、こんなによいと思っていなかったので、うれしい発見でした。
内容は、96年〜98年くらいの間に雑誌に掲載されたものが
中心なのですが、今読んでも全然古い印象はなく(インターネットとか
機器的なもののずれはあるにしても)、するっと読めてしまいます。

中でも印象に残っているのは、「困ること」、「蛇や墓や」、
「なまなかなもの」、「頭蓋骨、桜」、「どうしよう」、「境目」、
「小説を書きはじめたころ」、「立ってくる春」、「桜」、
「世界の終わりの『サザエさん』」、「生肉のこと」、
「まじないとしての少女マンガ」、「たぐいまれなる友」などなど。

タイトルだけを眺めていると、「頭蓋骨、桜」や「世界の終わりの『サザエさん』」
なんかが目を引きますが、一見なんてことのないタイトルに思える
「たぐいまれなる友」(…なんてことないこともないか?)は、
ドラえもんとのび太くんの友情にまつわる見解だし、「生肉のこと」は
”ある種淫靡な匂い”を隠し持った絵本についての話だったりと、
タイトルからは計り知れないものがあります。
「生肉のこと」では、最後に”「淫靡な匂い」のあるものによって
いくらか(我が子の)人生をちょっとばかりねじ曲げてやれる
かもしれない”と語られていて、思わずにやり。
作家の、つまり、こういう感性のお母さんがいるっていうのは、
大変だろうけど、面白いだろうな、という感じ。

全体を通して感じたのは、日常というのは彼岸のすぐ隣に
あるものなのだなということ。本人が好むと好まざるとに関わらず、
物語を生み出す人にとって、これはもうどうしようもない理なの
だろうなと思います。
そういう視点を持った人は、生きるのが大変なんじゃないかと思う反面、
ちょっとうらやましいような気もしたり。
追体験というわけではないですが、読んでいる間中、足元が
おぼつかないような、少し息苦しいような、川上ワールドにどっぷりと
浸れます。それでいて、わかるわかると頷いて安心できるような
部分もあるのだから不思議です。

東京バンドワゴン(小路幸也/集英社) 

2006年07月03日(月) 15時27分
この物語の舞台でもある、明治から続く古本屋の屋号が
タイトルになっています。朝に現れて、夕方には消えていく百科事典の謎、
駅のホームから投身自殺を図った女流作家のエッセイ集を読んだ後、
老人ホームから姿を消した老婦人の謎、などなど。
古本にまつわる連作短編ミステリーです。

東京バンドワゴンを営む堀田家は、79歳になる堀田勘一を筆頭に、
息子の我南人、その子の藍子、紺、青、さらには彼らの家族の花陽、
研人、亜美と続く、いまどき珍しい大家族。
彼らの血縁関係は、割と複雑なのですが、その割には、みんな明るく
仲良く暮らしています(ナビゲーター役でもある、亡くなった勘一の妻サチの
語り口のせいもあるかもしれませんが)。
これだけの大家族ともなると、それぞれ諸事情を抱えています。
ですが、決して暗い展開にはならない。
読みながら、うーん、これはミステリーというより、ホームドラマを小説に
したみたいな雰囲気だなあと思っていたのですが、読了して納得。
最後に、「あの頃、たくさんの笑いと涙をお茶の間に届けてくれた
テレビドラマへ」という作者の謝辞がありました。
…というと、寺内貫太郎一家とか…?(見たことないけど・笑)

江戸っ子勘一も好きなのですが、「伝説のロッカー」と呼ばれる、
金髪で長身、口を開けば「LOVEなんだよねぇ」とかなんとか
言っている60歳、長男我南人が好きでした。彼が口を開くたびに、
矢沢○吉と井上陽○を足して二で割った感じを想像して楽しんでました。
欲を言えば、もう少しミステリー部分をぴりっと効かせてほしかったし、
古本屋という舞台をもっと生かしてほしかったのですが、
あたたかい雰囲気の日常の謎ミステリーという意味では
面白い本だったと思います。

天空聖龍(山口美由紀/花とゆめCOMICS) 

2006年07月01日(土) 14時50分
現在2巻まで発売中。
内容云々以前に、1巻を手に入れるために、書店を4軒回ったことを
明記しておきたい!!郊外型小書店はさておき、紀伊○屋〜。
まがりなりにも、オープンしたばっかりだろ〜!
山口さんは、わたしの年代の人間には、ファンタジーの名手というイメージが
強い人気作家さんなのですが、今の人たちには受け入れられない
のでしょうか。平積みになるどころか、山口作品を全く置いていない
書店もあって、ちょっぴりショックを受けてしまいました。


…というわけなので、これで面白くなかったらどうしようかなと思いながら
読み始めたのですが(3時間近くかけて手に入れたんだし…)、
しかし、まあ、さすがは山口さん、当然ハズレなし、ということで。
山口さん、初のエスニック・アジアン・ファンタジーは、「聖龍伝説」が息づく
世界が舞台です。空飛ぶ「飛蛇」に天と地の龍の伝説。動物と
気持ちが通じ合える少女に、聖龍の末裔の青年。
強烈に「こ、これは!!」という感慨はなかったのですが、
まだまだ物語は始まったばかり。これから、どんどん面白くなるんだろう
という気配(匂い?)がします。
次の発売は6ヶ月後?次回は、発売されたら即買いましょう(笑)

雪屋のロッスさん(いしいしんじ/メディアファクトリー) 

2006年06月30日(金) 0時15分
まず、タイトルに惹かれました。雪屋ってなんだろう?と。
それに、「ロッス」という名前の響きがいい。
ロッスさん以外にも、「なぞタクシーのヤリ・ヘンムレン」、「パズル
制作者のエドワード・カフ氏」、「大泥棒の前田さん」などなど、
魅力的な職業(?)の人たちが描かれた短編集です。

道具立てのせいでしょうか、どの話にも、どこか懐かしい、
おとぎ話めいた雰囲気がありますが、決して甘すぎることはなく、
30もの短編のひとつひとつに、それぞれの主人公たちの生きる世界と
人生とがきっちりと描かれています。毒はないけれど、苦味があるというか。
強いて言うなら、あまのじゃくなおとぎ話って感じでしょうか?

特に印象に残ったのは、「棺桶セールスマンのスミッツ氏」、
「図書館司書のゆう子さん」、「ポリバケツの青木青兵」、「神主の白木さん」、
「旧街道のトマー」、「ブルーノ王子と神様のジョン」の6つ。
ときには彼岸と此岸を隔てている壁の脆さを感じさせ、またあるときには、
くすくすと笑い出したくなってしまうようなあたたかさがありました。
「神主の〜」などは、わたしも子どもの頃、一度は考えたことのあることが
題材になっていて、そうか、なるほど、とにやりとしてしまいました。

違う世界に、ひょいと出かけて行くには、おすすめの一冊。
(短いので、すぐに戻ってこられます・笑)

エマF(森薫/エンターブレイン) 

2006年05月27日(土) 16時44分
完結!しましたね。
6巻の展開から、まさか次巻で終るとは予測していなかったので、
ちょっとびっくりしましたが、前巻比88ページ増なだけあって、
過不足のないラストを迎えました。
しかし、これだけページ数が増えたのに、価格差は60円って…。
大丈夫なんですか、エンターブレインさん?

さて、肝心の内容です。
この先、楽しいことばかりではないだろうけど、でも、
ふたり一緒なら、と思える展開は、6巻がかなり暗かった分、
とても力強く、また安心して読めました。
彼らのその後が気になりますが、物語としての完成度を
考えたとき、やはりこのラストが最もふさわしいのだろうと思います。
前半で、エマとウィリアムが想いを通わせたシーンは、
ずしりと重く、胸に迫るものがありました。この時代背景だからこそ、
なんでしょうね。
しかし、かわいそうなのはエレノアです。とても素直でよい子なだけに、
なおさらです。いつか、3人が舞踏会なんかで出会っちゃったりしたら…。
気まずいでしょうねえ…。
そして、ハキム。最初から最後まで、彼はいったい何のために…(笑)
モニカ姉さんもぶっとんでますが、物語の進行上必要な人ですもんね。
でも、ハキムって…。画面を明るく派手にするためなのか?
…いや、好きなんですけどね(笑)

今後は、『エマ』の外伝が描かれるのだとか。
ケリーさんがとても好きなので、彼女の若かりし頃の話が楽しみです。
…それにしても、森さんのあとがきは、いつ読んでもおもしろいなあ。

いたずらおばあさん(高楼方子作・千葉史子絵/フレーベル館) 

2006年05月25日(木) 23時49分
ごぶさたしております…。
何の更新もないまま一ヶ月以上経ってますが、
その間、寝るか寝込むか(どっちにしても寝てる)の繰り返しでございました。
そんな中、久々に大好きな高楼方子さんの作品『いたずらおばあさん』
(フレーベル館)を読むことができました。
これは、1枚着ると1歳若返るという洋服を発明した、えらいえらい洋服研究家の
エラババ先生が、弟子のヒョコルさんとふたり、8歳の女の子に戻って
いろんないたずらをする、というお話。
ちょっとだけ若返ればいいのでは、と言うヒョコルさんに、エラババ先生が
言い放った言葉がふるっています。
『ヒョコルさん、舌きりすずめのおじいさんみたいなまねはよしましょう!
大きなつづらとちいさなつづらがあったら、わたしたちおばあさんは、やっぱり、
大きなつづらをえらばなきゃいけませんよ。もういちど子どもになって、
思いっきり遊べるっていうときに、さかあがりひとつできない中年の
おばさんになって、それでもうじゅうぶんだなんて、こころざしが低すぎて、
ばちがあたりますよ!

図書館戦争/有川浩(メディアワークス) 

2006年04月02日(日) 23時47分
正義の味方、図書館を駆ける!
公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として
『メディア良化法』が成立・施行された現代。
超法規検閲に対抗するため、立てよ図書館!
狩られる本を、明日を守れ!(帯より)

昭和最後の年に成立した『メディア良化法』。
この超法規検閲に対抗するため、通称「図書館の自由法」が成立する。
これにより、公共図書館は検閲に対抗できる唯一の機関となった。
そして、法律の施行から30年、良化特務機関の検閲行為はエスカレートし、
それに対抗する図書館も防衛力を追及。全国の主要な
公共図書館は警備隊を持つに至る。
物語の舞台は関東図書基地。笠原郁は、図書防衛隊員を目指し
奮闘の毎日だが……


初めて書店で平積みされているのを発見したとき、このインパクト大の
タイトルにおののき、ページをめくったその先の章タイトルが
「図書館の自由に関する宣言」になっているのに気がついて爆笑。
たしかに、見方によっては勇ましくもあるかなあ(笑)
「図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る」
ですもんね。

しかし、この設定は本当にすごいですね。図書館が武装化云々以前に、
この『メディア良化法』の設定そのものが、もうありえない。
いや、いくらなんでもそりゃあ無理だろうとつっこみながら読んでましたが、
そこの辺りはファンタジーなんだな、きっと。







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