劇団☆新感線 『シレンとラギ』 (2012.5.24)

May 29 [Tue], 2012, 21:40
劇団☆新感線2012年春興業 いのうえ歌舞伎「シレンとラギ」東京初日公演行ってきました。



中島かずきさんの新作!しかも藤原竜也の新感線初参加ということで楽しみにしていました。これが想像以上にドロドロした愛憎劇で、大満足。プレイガイドの追加チケットは完売してしまったけど、当日券とかでなんとかもう一度行きたい・・・。チケット高いけど・・・。

――――以下、ネタバレありです!ご注意ください―――

「シレンとラギ」
作:中島かずき
演出:いのうえひでのり

配役:
ラギ − 藤原竜也
シレン − 永作博美
ゴダイ大師 − 高橋克実
ギセン将軍 − 三宅弘城
シンデン − 北村有起哉
ミサギ − 石橋杏奈
ダイナン − 橋本じゅん
モンレイ − 高田聖子
モロナオ執権 − 粟根まこと
キョウゴク − 古田新太
ショウニン − 右近健一
ヒトイヌオ − 河野まさと
ギチョク − 逆木圭一郎
トウコ − 村木よし子
アカマ − インディ高橋
ヨリコ − 山本カナコ
コシカケ − 磯野慎吾
モロヤス − 吉田メタル
マシキ − 中谷さとみ
セモタレ − 保坂エマ
ヤマナ − 村木仁
トキ − 川原正嗣
北の王国の貴族・宮女/南の王国の民・教団員
− 上田亜希子
− 須水裕子
− 中野真那
− 西田奈津美
− 松尾杏音
− 吉野有美
北の王国の貴族・兵士/南の王国の民・兵士・教団員
− 蝦名孝一
− 小林賢治
− 桜田航成
− 二宮敦
− 武田浩二
− 藤家剛
− 加藤学
− 川島弘之
− 安田桃太郎
− 伊藤教人
− 菊地雅人
− 南誉士広


あらすじ
北の王国と南の王国、それぞれの権力と思惑に振り回される人々の愛憎劇・・・といったところでしょうか。プログラムによると日本の南北朝時代を参考にされている様子。

体制がしっかりしている(ように見える)北の王国と、20年間統治者不在で混沌としている南の王国。実は北の王国が送り込んだ暗殺者によって南の王国のゴダイ大師(高橋克実)は毒殺されていたのだ。しかし、暗殺から20年、なんとゴダイ大師が生きているという情報が北の王国に届く。国の護衛を担当するキョウゴク(古田新太)は、20年前に暗殺のために送り込んだシレン(永作博美)にもう一度南の王国へ行くよう命じる。キョウゴクの息子ラギ(藤原竜也)もシレンと共に南の王国へ向かうのだが・・・。


感想
今回の舞台に魅せられた理由はいくつかあるのですが、なによりその濃密な戯曲の素晴らしさが挙げられます。対立する二つの国の内情、国に仕えるものたちの本音と建前、それぞれが抱える愛・・・それらが3時間10分の舞台にぎゅっと詰められているのに圧倒されました。特に第一幕の濃さが圧倒的で、一幕が終わった瞬間なんて「え、これから二幕があるの!?」と一幕の濃さで十二分に満足してしまったくらいです。登場人物に腹黒い人物が多く(笑)、役者陣もその二面性をとても上手く演じられていました。

加えて、舞台効果も素敵でした。桜吹雪、降り注ぐ毒、そして血しぶき・・・。こういうのを見られるのが舞台の楽しみだなぁと改めて感じました。


役者陣も文句なしに素晴らしかった。
藤原竜也を観るのは昨年の「ろくでなし啄木」以来ですが、「ろくでなし〜」では中村勘九郎が素晴らしすぎて(全部おいしい所持ってった)ちょっと霞んだ分、今回の「シレンとラギ」でちゃんと主演やってたのが嬉しいです。腹黒い人物が多い中、未熟で一本気のある純粋さが際立っていました。そしてやっぱりこの人は鬼気迫る演技が上手い!第一幕の終わりなんて最高ですね。劇団員の方がコミカルな演技をするなか、ひとりキョトンとしてる姿も面白かった笑。ただ、新感線の売りでもある殺陣ではちょっと精彩を欠いてたかな・・・。殺陣に関しては、昨年の新感線夏興業「髑髏城の七人」での早乙女太一がずば抜けて素晴らしすぎてですね、そこと比べてしまうとね・・・。でもでも、やっぱり年上の女性との絡みが様になっていて、観たいものは観られて大満足です。

永作博美は舞台で観るのが初めてだったのですが、すごく上手い!声がいいし、感情を押し込んで苦悩する姿、華奢な体での殺陣までとても様になるんですね。びっくりした。そして、身長差フェチの私としては、藤原竜也との身長差がとても美しく見えて、こちらも大満足。ラストの台詞、感動的でした。登場人物のなかではラギが一番強い人ですね。

そしてこちらも驚きだったのが高橋克実さん!ドラマやバラエティではよく拝見しますが、とても舞台映えする俳優さんなんですね。国の長という貫禄があって、背もTVで見るよりすごく高く見える。かっこよかったです。

おとぼけなギセン将軍を演じた三宅弘城さんは、第一幕でのコミカルさと第二幕での豹変ぶりが楽しい。権力に振り回されるかわいそうな役でもありました。

シンデン役の北村有起哉さんは、ザ・いい人!でもふたつの国にとって重要な役割を担っているキーパーソンでもある。南の王国の内情が詳しく描かれていないのでよくわからなかったのですが、シンデンはラギにどんな感情を抱いていたのかなぁ・・・と、気になるところです。

ミサギ役の石橋杏奈さんはドロドロ愛憎劇のなかの唯一の清涼剤、といったところでしょうか。箱入りのお嬢様だけど、兄への愛にまっすぐな姿がかわいかった。


こうやって書くと、今回の客演は素晴らしいなと。昨年の「髑髏城〜」は正直言って消化不良でした笑。客演が多い上、皆若かったので仕方がないと思いますが、もうなんかお遊戯会みたいだったもん・・・。一人一人がすごいがんばってるのが伝わってくるし、森山未來や早乙女太一の凄さを目の当たりにできたのはよかったけど、全体として見るとなんか締まりがない、という感じがしてね・・・。


今回は客演がよかったし、劇団員の方々も心強いです。なんと言っても昨年の「髑髏城〜」にはいなかった橋本じゅんさんと古田新太ですよ。この二人の絡みはほんとに面白かったー!じゅんさん登場シーンで見得を切る姿は一番の盛り上がりだったかも。古田さん演じるキョウゴクは一番二面性のある人、腹黒い人でしたね。でもそれを動かす根底には愛と憎しみがある・・・という最も苦悩する人のひとりでもあるという。

大好きな悪役、粟根まことさんの眼鏡&いつも通りセコい役(笑)も観られて嬉しかった。昨年の「髑髏城〜」では怪我でお休みされてた吉田メタルも観られた!あと地味に笑いを誘ってたのがヒトイヌオ(この名前ひどいw)の河野まさとさんね。これは一番損な役なんではないだろうか・・・いや、でも地味に出番も多いんですよね。笑わせてもらいました。


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舞台って、結構当たり外れ大きいと思うんですよね。映画と違ってチケット発売が早いから、評判聞く前にチケット買わなきゃいけないし、あらすじもよくわからないまま行くことも多いので。でも、今回の「シレンとラギ」はほんとに手放しで満足できる作品でした。こういう舞台を一年に一本観られただけでラッキーかもしれません。
あ〜それにしてももう一回観たいよう


シレンとラギ
プロフィール
  • ニックネーム:h*rk
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    ・音楽-心揺さぶられるもの
    ・映画-2012年は映画館で100本観たい
    ・食べること-カフェ開拓とおいしいお酒
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好きな場所 : 自然, 吉祥寺, 下北沢, 美術館, カフェ
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