女の図鑑をつくってみたい

September 05 [Fri], 2008, 19:35
「女の図鑑」を作ってみようと思います。
その目的は、主に次のようなものです。


●「女性の偉人」というものはどの程度可能かどうかを実験するため

小さい頃、誰でも一度は大人たちに勧められて読むであろう伝記のシリーズというものは、ほとんどが男性について書かれたものです。
これは女性予備軍である少女たちに、とても不安な疑問を抱かせます。

偉人がほとんど男しかいないということは、
女性は男性に比べて能力値が低いということなのだろうか。


そして、その謎についてしつこく追求しようという、一部の反逆的精神の持主たち以外は、将来そういった女性になるであろう自分の能力を信じられなくなり、そのような男性的な世界でなんとか自分の能力を発揮できるように努力しようという意欲は次第に削がれ、むしろ男性社会が要求する「女性」という像を演じることによって自分の地位を築いたほうが得なのではないかと思うようになります。
こうして女性の偉人はその可能性に挑戦する以前に減っていくのですが、これこそが、「伝記を読みなさい」と言う大人の狙った教育効果だったというわけなのでしょうか。

歴史的にはこんな時期もありました。

これは20世紀日本での話ですが、「女性解放」という言葉が耳になじみ始め、女性の社会進出が盛んになってきた頃、女性と男性とでは能力においてどちらが勝っているか、という議論が大真面目になされていた時期がありました。
これは何も、ものの道理を知らない無知な男性たちが交わした議論ではなく、むしろ「有識者」と称されるインテリ男性たちがヒステリックに男性の能力の優位性について主張することに懸命になっていたというのだから驚きです。

そういった男性たちが用意した、最も単純でかつ説得力のありそうな論拠は、数字で比較する、ということでした。
それはこのようなものです。


世界の人口のほぼ半数は女性であるのに、ノーベル賞を受賞した女性が、同じくノーベル賞を受賞した男性に比べてどれだけ少ないことか。
体力差が問題にならないはずの芸術の分野においてさえ、一流といわれている女性の数の少なさに目を当ててみるといい。
女性のお家芸といわれる料理ですら、プロフェッショナルの料理人には女性は皆無であるといっていいほどではないか。



これはうっかりすると、この罠にしっかりはまってしまいそうです。
実際伝記を前にして少女が当惑するのはこれと同じ罠でなのですが、さらにそれを大人がこのような形で承認していた時代もあったのです。
現在ではそれも薄れましたが、世の中は普通に暮らしていると、やはり女性が偉人として社会に出にくい環境のことや、歴史的な状況についてはほとんど教えてはくれません。
周りからはあまり教えられもしないのに、たまたま運よく本人が疑問に思ってそれを積極的に知ろうと勤めても、相変わらずそういった人に対する偏見や攻撃、または透明人間として扱うといったような力は、弱くはなったものの、まだ続いているように思います。

そういった状況のなかで、じゃあ(ここはあえて現在ではなく)歴史が葬ってきた女性の偉人、または強烈な個の輝きを放つ人物というものはどれくらいいるものなのか、と、疑問に思ったのがことの発端です。
そもそも歴史がわざわざ葬っているものなのだから、それを素人の私が発掘するのにはかなり無理があります。
そんな自分の非力さは承知しているけれども、とりあえず試しに自分なりのフィルターを使って、彼女たちをリストにしてみたらどうかな、と思ったわけです。
専門家ではないので、そこにかけられる労力もかなりたかが知れたものだし、それを集めるための技量も微々たるものだとは思いますが、まあこの際個人のレベルでかまわないので、私の世界認識をより明確にしたいな、と思ったためです。


●ただ単純に、私のフェティッシュなこころに応えるため

私にはそもそも、カタログ的に集められたものに対して痺れてしまう、という癖もあるのですが、ではなぜ「女性」をカタログにしたいのか、というところにもうひとつ何かがあるような気がします。
それはひょっとしてこのようなことが関係しているのではないでしょうか。


カメラマンというからには、ファインダーを覗くのは、つねに男なのである。
たんにカメラというテクノロジーを操るのが男の特権だというだけではない。
近代に「視線の優位」が確立して以来、「見る主体」はつねに男であった。
そして「見られる客体」は女。

女がカメラのファインダーの向こう側にまわった時、女はやはり女を撮った。
女はあまりに深く「見られる客体」であることに慣れていたために、「見る主体」にまわっても、対象に自分自身をもってくるほかなかった。

                      上野千鶴子『発情装置』より



自分ではあまりそこまで自覚はないのですが、女が女性をコレクションするということは、もしかしたら「男性社会によって育まれた女性特有のナルシシズム」というものが関係しているのかもしれません。
お店を開きました

輸入ボードゲーム+雑貨の店
ドロッセルマイヤーズ
Drosselmeyers Board Game Mart
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プロフィール
  • ニックネーム:mashiron(真城七子)
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ましろ・ななこ
作家/ライター
ドロッセルマイヤーズボードゲームマート副店長/株式会社ドロッセルマイヤー商會取締役

武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科卒。専攻はフルート。
西洋音楽について勉強するかたわらで、西洋音楽を内部から作りあげている西洋(特にフランス)の歴史や文化、美学などに強い興味を抱くようになりました。
以来、西洋文化を中心に「遊び」や「フェティッシュ」に関するものを蒐集、執筆活動をおこなっています。
主な著作は『宮廷マダムの作法』など。
ドロッセルマイヤーズボードゲームマートの副店長、店舗内装、世界観演出、展示会への参加、オリジナルボードゲームの制作など、ジャンルにとらわれず色々活動しています。

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はじめまして。

ここは、絵画、建築、美食、音楽、歴史、本など、西洋の文化を中心に集めた、私のフェティッシュたちの陳列室です。

私のフェティッシュの基準は以下の通り。


●色っぽいものであること

色っぽいと感じるものは大きくわけて以下の4つ。
1、反対物の一致
2、平行線の関係
3、気配を感じさせるもの
4、組み換え可能であるということ
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●人工的であること

よくできた細工物のような、繊細で細かいもの、硬質なものに惹かれます。
ナチュラルなものや、やわらかくて温かいものは、本当は嫌いではありませんが、ここでのフェティッシュ的感性にはあてはまりません。

●強固な世界観があること

個の輝きの強いものに惹かれます。
現実の、よく知っているものとは全く別次元の、別の法則によって作られたものが大好きです。
しかもその世界観が強固であればあるほどしびれます。
理想郷というものにも似ているかもしれない。

●コレクション、陳列、カタログ的なもの

厳選されたものが沢山並んでいる状態を見ると震えます。

以上、とても個人的なものなので、偏りや思い込みが激しいことも沢山あるかと思いますが、もしよかったらおつきあいくださいね。
よろしくお願いします。
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