枝垂れ桜 序

May 26 [Thu], 2016, 10:07
大元の都から、マルコ・ポーロが密かに日本を訪れ、 鎌倉に着いたのは、
春の桜が咲く、日本が一年の内で最も美しい季節であった。


大都で知り合った友人を訪ね、異国人のマルコがこの国に足を踏み入れることが出来たのは、
クビライ・カアンの脅威が去った一時期の偶然であったかもしれない。
(無論、史実には残っていない─)
無学祖元の弟子であると云う若い僧の迎えをマルコが受けたのは、鎌倉にある博多の商人、謝国明の見世であった。

この鎌倉への渡航を可能にしたのは、見世を任されている謝国明の息子、謝太郎の力添えのお陰でもある。
事実、謝太郎のはからいが無ければ、ベネチアの商人であるマルコが鎌倉で友に再会するなど不可能であったろう。



若い僧に案内された「山ノ内の別邸」なる屋敷まで続く林道は、吉野桜が満開に咲き乱れて、
「美しい!」という母国語をマルコ・ポーロは何度も呟いた。


砂漠と草原広がるモンゴルに留まっていたマルコにとって、
ここはまさに夢の、黄金の国、ジパングなのだ──。





2016年05月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:🌸
読者になる
最新記事
カテゴリアーカイブ
最新コメント
メッセージ

TITLE


MESSAGE

yaplog!PR
月別アーカイブ
日別アーカイブ
http://yaplog.jp/hanatei/index1_0.rdf