この夏の甲子園で噴出した「高校野球の問題」

August 27 [Tue], 2013, 18:22
前橋育英(群馬)の初出場、初優勝で幕を閉じた第95回の記念大会。初出場、初優勝は1991年の大阪桐蔭以来、実に22年ぶりの快挙だった。
 快進撃の原動力は、何といってもエースの高橋光成(たかはし・こうな)。188センチの長身から長い腕をしっかり振り、ストレート、スライダー、フォークとすべての球種で三振が奪えるなど、完成度の高さを見せつけた。adidas スニーカー
疲労が蓄積されてもストライクゾーンの高低、左右、さらに奥行きを使ったピッチングで打者を打ち取り、6試合で50イニング、687球を投げ切った。スカウトの中には、「球界のエースになれる逸材。ダルビッシュ有や田中将大のように即戦力としてプロ入りできる素材」と絶賛する者もいたほどた。  その高橋と同じ2年生で、大会前から注目を集めていたのが済美(愛媛)のエース・安樂智大。センバツでは5試合で772球を投げ、チームを準優勝に導いたが、この夏は体調不良により本来のピッチングができず3回戦で敗退。しかし、甲子園最速タイとなる155キロをマークし、130キロ台のスライダーを左打者のインコースに投げ込むなど、センバツよりも成長した姿を見せた。  このふたりを筆頭に、今大会は2年生の活躍が目立った。他にも、丸亀(香川)戦で豪快な一発を放った横浜高の高濱祐仁や1試合5安打をマークしたチームメイトの浅間大基。惜しくも初戦敗退となったが、センバツ優勝投手の浦和学院・小島和哉など、将来性豊かな逸材が揃い、今後どこまで成長するか楽しみだ。  また、大躍進を遂げたのが東北勢。6校中5校が初戦を突破し、花巻東(岩手)、日大山形の2校がベスト4入り。東北の2校が4強入りするのは24年ぶりだった。また、春夏合わせて初出場の聖愛(青森)も3回戦まで進んだ。一昨年の夏から昨年の夏まで光星学院(現・八戸学院光星)が3季連続準優勝を果たしたように、東北勢のレベル向上は明らか。現在、東北勢はセンバツの出場枠が2枠しかない(近畿は6枠)が、見直しの時期にきているのではないだろうか。  そして今大会、最も注目を集めたのが、花巻東の身長156センチの外野手・千葉翔太だ。準々決勝の鳴門(徳島)戦では5打席で計41球を相手投手に投げさせるなど、「カット打法」で観客の心を掴んだ。しかしその試合後、審判部から「高校野球特別規則がある。あの打ち方はスリーバント失敗と同じ扱い。次にやったらアウトにする」と異例の“禁止令”が出された。「カット打法」を封印させられた千葉は、準決勝でファウルを1本も打つことができず、4打数無安打。千葉が輝きを失った瞬間、花巻東の進撃も終わった。  大会本部は「2回戦、3回戦は問題となる事例はなかった」と説明したが、初戦(2回戦)となった彦根東(滋賀)との試合で千葉は7球ファウルで粘るなど13球を投げさせており、少なくとも準々決勝だけバッティング変えた印象はない。なぜあのタイミングで指摘したのか疑問が残る。  今夏の新潟大会では、あるチームの選手が千葉と同じような打法で9球連続ファウルを打ち、17球投げさせて話題になった。高校野球の特別規則には『カット打法は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある』と書かれているが、明確な基準はなく、審判によって判断が分かれるのは否めない。禁止なら禁止で、大会前からきちっとした基準を示し、全出場校に通達する義務があったのではないか。  また、花巻東と鳴門の試合では、花巻東にサイン盗みの疑惑が浮上した。「二塁走者が打者にサインを送っている」という鳴門側からの指摘により、球審が二塁走者に注意。試合後の取材でもこれに関する質問が飛び交い、翌日の新聞でも大きく取り上げられた。だが、これは氷山の一角に過ぎない。http://www.adidasjpheya.com/
二塁走者からだけではなく、一塁、三塁コーチャーからサインの伝達を行なっているチームも多いと聞く。  実際、強豪校を破ったあるチームの一塁コーチャーは、こう語っていた。 「キャッチャーのサインが全部見えてわかったので、ストレートの時は『狙え!』と言って(打者に)教えていました」  もちろん、どのチームがサイン伝達をしているかという情報を把握している場合もある。前橋育英のショート・土谷恵介はある試合で捕手がサインを出す際、二塁走者の前に立って隠していた。 「監督からそうやるように言われました。『(守備位置に戻るのが)遅れてもいいから』と。ぎりぎりまで隠すようにしました。サインもいつもとはちょっと変えました」(土谷)  ちなみに、土谷は大会途中で二塁走者の前に立つことを審判に注意されてやめている。 「審判の方に『ランナーの邪魔になるから立つな』と言われました。『サインを盗まれるんで』と言ったんですけど、『それはこっちが見とくから』と」  だが、ある審判は次のように言う。 「グラウンドに立っていると、なかなかサイン伝達の動作まで見きれないですよ」  ネット裏からだと明らかにわかる動作も、グラウンドでジャッジをしながらだとわからないというのだ。結果的に、サイン盗みは「やったもん勝ち」の状態になっている。今は、疑わしい行為があった際、審判が注意をするだけで罰則はなく、あくまでマナーの問題になっている。http://www.adidasjpheya.com/
このままではいつまでたっても解決にはいたらない。例えば、控え審判がネット裏からチェックするなど、何らかの対応、対策が求められる。  決勝の手に汗握る展開に象徴されるように、今大会は接戦が多く、大きな盛り上がりを見せた。だが、一方で浦和学院の小島や常総学院の飯田晴海のようにピッチャーが足をつるなど、熱中症らしき症状が出て降板する場面もあり、暑さ対策、体調管理の難しさをあらためて感じさせられた。今大会から準決勝の前に休養日を1日設けたが、熱中症危険レベルの炎天下で今のままの日程でいいのかという問題も残る。先述した課題も含め、検討すべき事項は山積みだ。節目である第100回の記念大会まであと5年。少しでも問題が改善されていくことを望みたい。
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