三度目の(無理矢理完) 

November 07 [Sun], 2010, 20:56
明らかに不機嫌な背中に声を掛けるのも躊躇われたが、このままでは埒があかない。
思い切って声をかける。

「お前が不愉快なのは、よくわかった。
 だが、誤解だ。」

そこで、ようやく土田の歩みが止まった。

「…誤解?」
「そうだ。
 俺は別にメートヒェンと繁の仲を引き裂こうとしたわけじゃないぞ。」
「…」

土田はちらりとこちらを一瞥しただけで、また俺の腕を掴んだまま歩き出した。
その所作が、土田らしからず陰険に感じた。
土田のくせに生意気だ。
だが、それだけ怒っているということなのだろうか。

「おい、土田!
ちゃんと聞こえただろう!
俺はメートヒェンと繁の仲を引き裂こうとしたわけじゃないといっているんだ!!」
「…そんなことわかってる。」
「では何故そんなに不機嫌なんだ?」
「…」
「やはり、メートヒェンと繁の仲を心配して…」
「違う。」

「じゃあなんだ?」
「…」


土田らしくない。
他の人間からみれば土田は普段から寡黙で、いつもとかわりないように見えるかもしれない。
だが俺の目からみればいつもと明らかに態度が違う。
なんだ、この煮え切らない態度は。
土田は一体何が言いたいんだ。
ようやく土田に腕を離されたかと思えば、奴は立ち止まったまま口に手を当て、何かしら考えた後、おもむろに口を開いた。

「…お前は嫌ではなかったのか。」

やっと何か言ったと思えば、その口にされた内容に怒りを覚える。

「嫌がっていないように見えたか!
あれ以上近付いてきたのであれば頭突きをしてやるつもりだったというのに!」
「…そうか。」


ん?と思う。
むっと一文字に結ばれていた土田の口元がゆるんだように見えたからだ。

「なんだ、人が悪いな。
笑うところか?」
「……。
俺は笑っていたのか。」

驚いたように聞き返されて、今度はこちらが戸惑った。
確かに笑っていたように見えたのだが。
首を傾げながら、今度はこちらの疑問をぶつけてみる。

「お前は、何故機嫌が悪かったんだ?」
「よくわからん。」
「なに!?」
「確かに機嫌は悪かったが、朝起きてからずっとのことだから、何が原因かはわからん。」
「はぁ・・・」

どうせ、夢見が悪かっただの、俺のせいで寝苦しかっただの、そんなところだろう。
こっちは顔を合わせるのすら恥ずかしく逃げまわっていたのに、人の気も知らないで・・・。
また、変なタイミングで現れ誤解されたかと心配すれば、朝からの機嫌の悪さを八つ当たりされて・・・踏んだり蹴ったりだ。
しかも、よくよく考えてみれば、自分は繁に意味も分からず接吻されそうにもなったではないか。
その時のことを思い出し身震いしてしまった。


「なんだ、金子。寒いのか。」
「違う!!生理的嫌悪からくる震えだ!!
 くそ、繁の奴、覚えて・・・」


『覚えていろよ』という言葉が土田の左肩に邪魔され、発音されることなく消えてしまった。
気付くと俺は土田に抱きしめられていて、あまりの急なことに思考が付いていかない。
外国人が挨拶でするハグとは比べものにならないくらい強く、抱きしめられている。
しかも、ようやく正気に戻り視線を動かすと、左に見えたのは土田の首筋で。
今度は昨夜の情事が思い出され、取り戻したはずの正気がまた遥か彼方へ消えていった。


「つ、つ、土田、お、お、お、お前」
「・・・震えは治まったか?」


そこでようやく、土田が抱きしめてきた意図を知った。
こいつは、俺を子どもかなにかと勘違いしていないだろうか。
そりゃ、もちろん生理的嫌悪からくる震えだったが、怖いとかではなく、むしろ怒りの割合が大きかったのだが。
でも、土田の腕や、奴の体温があまりに心地よくて、まぁこのままでいいかと思った。
それに今日の不運を思えば、これくらいのいいことがあっても罰は当たらないだろう。
俺は小さく息を吐き、奴の首筋に頭を預けた。



俺は金子の髪に頬を寄せてみた。
不思議だ。
朝からささくれていた気持ちがいつの間にかおさまっていた。
思えば、朝起きて隣にいるはずの人物がいなかったことから今日の不調は始まった。
そしてその人物と話がしたくても避けられ、挙句の果てに腕を振り払われた。
その後なかなか会えず、ようやく会えたかと思えば、どこぞの作家に迫られていて。
朝から積もりに積もっていたものが爆発した。
その上、とんちんかんな言い訳を聞かされて。


・・・でも。


腕の中の体温を愛しく感じ、金子の背中を優しく撫ぜた。


今こうしているのだから、もういい。


朝からの不機嫌もいつの間にかおさまり、それには金子の存在が深く関わっていることにも気付いていた。
少し自分は変わったと思う。
でもそれが不快ではない。
むしろ・・・


「・・・心地良いな。」
「・・・何か言ったか?」


小さく呟いた声は金子によく聞き取れなかったようだが、あえて説明する気も起きず、ただただ、金子の柔らかい髪に頬を摺り寄せた。

驚き・・・ 

November 07 [Sun], 2010, 18:38
 今日、びっくりしました・・・
だって、サイトがなくなっていたから・・・
iswebライト、10月でサービス終了だったんですね
・・・いや、これはもう自分のせいです。
しょうがない
というわけで、今までのデータが全てなくなりました。
ショック。
何が一番ショックって、昔やってたオリジナルサイトのデータが消えてしまったこと。
10代の頃からの軌跡が・・・
九龍も、もう何もないです(苦笑)
まぁ、九龍目的でこのサイトにくる人もいなかったと思いますが、初めて二次創作した作品なので、自分なりに思い入れがあったんですよね・・・。
とはいえ、薔薇木の話はパソコンのメモ帳に残っているのもあるので不幸中の幸いというか。
ただ、薔薇木はアップできないことはないのですが・・・作業に時間がかかるだろうな。
もうソースのやり方とか忘れてしまいました
このままブログサイトになるか、新しく開設するかはまだわかりません。
最近、いまさらに某忍者漫画にはまり、もし二次創作するようになれば、サイトを開設するかもしれません。
今日も忍者漫画の二次創作サイト様を巡っていて、iswebライトのHPが見れなかったので、もしや白日も?と思いサイトがなくなったことに気付いた次第です・・・
久々のぼやきがこんなんで本当にごめんなさい。

10月30日に拍手をくださった方へ
拍手、ありがとうございました。
サイトがこのままなくなり、自然消滅すると思ってメッセージを残してくださったんですよね。
折角メッセージ下さったのに、気付くのが遅く、サイトなくなってしまってごめんなさい。
このブログを見ていただけるかわかりませんが、本当に感謝しています。
こんな私に温かい言葉をありがとうございました!

寒い彡(-_-;)彡 

December 19 [Sat], 2009, 12:58
最近めっきり寒くなってきましたね。
皆様、風邪などひいておられないでしょうか。
せわしなく過ごしているうちにあっという間に毎日が過ぎていきます…。
もう金子の誕生日も過ぎてしまいました…。
そのうちなんか書ければいいな〜と思います
一体いつになることやら。
こんな超更新停滞サイトに拍手をありがとうございます。
とっても励みになります!


12月12日に拍手をくださった方へ
拍手、ありがとうございます
土田は帰った後、絶対金子に花街行ったこと気付かれますね。
金子、どうするんでしょう…。
確かに極端な行動に走りそうですよね!
こちらの期待を裏切らない男ですから(笑)
その後の展開に想像が膨らみますね(^O^)
またお暇なときに遊びにきてください!

何ヶ月ぶりの 

November 12 [Thu], 2009, 0:39
ご無沙汰しております。
はい、ご無沙汰しすぎてました…。

この前、久しぶりに薔薇木のサイト様巡りをしてみたのですが、ほとんど 閉鎖されておりました…。
ショックでした、が、私がどうこう言える類いのことでもないので、ただただお疲れ様でしたの一言に尽きます。
淋しい思いはありますが、本当に今までありがとうございました。
金子と土田のいろんなお話を読ませてもらえて幸せでした。


まぁ、薔薇木の最盛期はもう過ぎましたよね。
これから創作サイト様が今より減ることはあっても増えることはないんだろうな。
それでも、これからプレイして興味を持った方が薔薇木サイト巡りをして、この白日にやってきて下さるかもしれないし、細々やっていきたいと思います。


そんなこんなで、またリハビリ小話で、だから何?というようなものを更新しました。
ずっと途中のままメールの下書きボックスに入ってたので、日の目を見せてやろうと…。
阿呆な親心ですみません…。


あとこんなサイトに拍手をありがとうございました(>_<)

リハビリ小話 式は無くとも答え有り 

November 11 [Wed], 2009, 23:27
卒業している先輩から、花街に誘われた。
先輩は、花街へ初めて行くことを知られたくない気持ちはあるものの、一人でいく思い切りもないようで、後輩の俺に白羽の矢を立てたようだ。
あまり乗り気はしなかったが、世話になった先輩の頼みで無下にもできず。
ついていくだけ、ついていくこととなった。


先輩が「金は払うから、お前も…」と言ってきたが、それは断った。

「付き合わせた礼に、奢ってやると言っているのに。
何を断る必要がある?」


上手く説明できず、黙り込む。


「緊張しているわけでもあるまい。
…さては、心に決めた相手でもいて、義理立てしているのか?」



義理立て。
金子はそんなことを俺に求めるだろうか。
逆に俺が花街で春を買ったと知れば、面白がって詳しく聞き出そうとするのではないか。
だが、不機嫌になって、有無を言わさず押し倒してくるような気もする。

いや、待て。
そもそも、俺は何故、金子を引き合いに出し、こんなことを考えているのだろう。


「さぁ、お前も誰か選べ。」


そういいながら、相手を選ばせようとする先輩に、やはり出てくる言葉は先刻と同じ断りの言葉で。

断る理由ははっきりしないものの、断るということ自体はこれ以上ないくらいはっきりしていた。


そして、どうやらそれには金子が深く関連していることも、どこか他人事のようにわかっていた。


尻切れ蜻蛉 

March 23 [Mon], 2009, 23:19
なんつー尻切れ蜻蛉で終わらせてしまったんだ…
力尽きたのがばればれじゃないか…
しかも自己満足。
すみません…

兄を心配し、お節介をやく照秋さんを書きたかったんです。
照秋さんは可愛いと思う。
表現が素直じゃないだけで。
金子は幸せ者だなぁ。



こんなサイトに拍手をありがとうございます。
また、もそもそと更新できたらと思います。
あまり面白くないかもしれませんが、またのぞきにきてやって下さい。m(__)m

自己満足作文 

March 22 [Sun], 2009, 16:43
どうにかぎりぎりで脱稿し、ほっと一息つく間もなく、照秋から連絡が入った。
父が世話になった方の還暦祝いに顔を出しに来い、と呼び出されたのだ。
不精髭は剃ってこいだの、地味な服はやめろだの、五月蝿く言われた時から、嫌な予感はしていた。
そして、教えられた料亭の座敷に案内されて、予感は現実となった。
そこには六十を迎えた初老の姿はなく。

楚々とした着物姿の女性が座っていたのだ。


「兄さん、遅かったですね。」


照秋は、我が弟ながら涼しい顔だ。
着物女性の隣には、仲介人らしき中年の女性が座っている。
これはどう考えても…見合いだ。
襖の前で状況を把握しようとする俺に、いけしゃあしゃあと照秋が言った。


「兄さん、遅かったじゃないですか。
早く座って下さいよ。
弟に恥をかくかかせないで下さい。
時間にだらし無く申し訳ありません。」

「いえ。お約束の時間通りですよ。
早くお会いしたいと来てしまいましたのは、手前どもの方。
光伸さん、気になさらないで下さいましね。」

そう言って中年の女性が朗らかに笑った。
横では、着物の女性が顔を赤らめ俯いている。
だが、意を決したように顔をあげると、こちらに向かって微笑んだ。
若く美しい女性だと思った。
戦争が終わった今という時代に芽吹いた、若木のようだ。

だからこそ、自分には相応しくない。
土田が心の中にいる自分には。
仲介人と談笑する照秋を見遣った。
強引な見合いは、きっとふがいない兄を思ってのことだろう。
確かに、こんな騙し討ちでもなければ、自分は見合いなどには来なかった。
金子の家も任せ好き勝手に生きる兄なのに、放っておけない、弟の損な性分に、思わず苦笑してしまう。

「何ですか。
突然笑い出して。」

「いや、何でもない。」

訝しそうな目でこちらを見る弟の視線を感じながら、素知らぬふりをする。
生意気だが、可愛い弟だ。
この話を受ける訳にはいかないが、こいつの顔もたててやらねば。
照秋がそこまで俺の心を先読みし、見合いを設定したのであれば、こいつはなかなかの策士だと思った。


そして、始終、当たり障りなく、和やかに話し、見合いを終わらせた。
ただ、仕事は作家だから生活の浮き沈みが激しいことと、金子家を出た身のため家からの援助は一切ないことを告げるのは忘れなかった。
それを言った時、仲介人が僅かに表情を変えたから、きっとこの見合いは向こうから断ってくるだろう。


「まったく、わざとあんなこと言って…」


帰り道、照秋が呆れたように言った。


「それは悪かったな。」
「そんなこと、ちっとも思っていない癖に。」
「思っているさ。
感謝している。」
「だったら、」

「もう、分かっているだろう。
俺に結婚は無理だ。」


照秋に言い聞かせるように言った。
自分はまだ、土田を諦めてはいない。
それは照秋も分かっているはずだ。


「…まだ、忘れられないんですね。
それでも、兄さんをいつまでも一人で居させたくないんです。」

「俺は、一人でいい。」

「兄さん、」

「誰かといる時の方が、心は空しいんだ。」


ともにいるのが土田ではないと、思い知らされるようで。
ならば、一人で土田を待つ方が、余程心は穏やかだ。


「兄さんはあの人の為に、一人、不幸でいたいんですね。」


刺のある言葉だが、別に腹は立たなかった。
ただ、訂正はしなければ。


「俺は、一人、幸福でいたいんだ。
あいつが戻ってくるまで。」


照秋は一瞬目を見張り、顔を窓へとそらした。
その肩は、気のせいか震えているように見える。
馬鹿な弟だ。
こんな愚かな兄のために傷つくのだから。
馬鹿で愛しい不器用な弟。



「約束する。照秋。
俺は不幸にはならない。」



いつか、このまま土田が帰ってこなければ、結婚もしよう。
幸せな家庭も築こう。
そしてお前たちを安心させよう。


でも、それは今じゃない。


「…そんなこと言って、皺くちゃな爺になって、誰からも見向きもされなくなったって知りませんからね。」

「皺が増えたところで、俺の男ぶりが陰るはずなかろう。」

「はっ。それは楽しみですね。期待していますよ。」




憎まれ口を叩く照秋は相変わらず、こちらを見ようとしない。
その肩に手を置き、心の中で感謝した。

え?もう二月?いや、三月!? 

February 27 [Fri], 2009, 22:34
はっと気付くと、いつの間にか年が明け、また、ふと気がつけば、二月も終わろうとしていて驚きです…。
いつまでも放置プレーですみません…。
実は、昨年末にネット復帰しまして、サイトをどうにかしたいな〜、と思っていたわけですが、時のはやさに思いがついていかないという…。
悔しいです!

まぁ、ゲームしてたからというのもあるんですが(爆)
噂の○畜眼鏡をやってました。
いや、うん、面白かったです。はい。
ただ、あのジャンルで二次創作は出来ないですね。
エロが書けないから。(T-T)
読む方が楽しいです。
ただ、薔薇は書きたいと思うんですよね。
まぁ、王道ネタばかり、書き尽くした気がしますけど。
でも、続きものを終わらせるまでは、だらだらとこのサイトを続けると思われます。(恥)

たびたびみにきて、拍手を下さる方、本当にありがとうございます。
あまりに放置しすぎて、風化しそうなサイトですが、また気がむいた時に、ふらっとお立ち寄り下さい。



2月22日に拍手を下さった方へ
〉土金が好きで…
こんなサイトに来て頂き、本当にありがとうございます。
メッセージまで頂いて、とても励みになりました!
細く、長く、頑張りまーす!

金子… 

December 14 [Sun], 2008, 22:26
過ぎてしまったけど、誕生日おめでとう!
何にも更新出来てないけど、気持ちだけでも!
私はどちらかというと、攻め傾向のキャラが好きになるタイプなのですが、薔薇木に関しては土金の金子にはまってしまいました。
自分にしたら珍しいことだったんですよね。
だから、金子は私にとって特別です。
幸せになって欲しいなぁ〜。


なのに何も祝えてない自分…
金子、ごめんね…
とにもかくにも本当におめでとう!

お久しぶりです 

October 08 [Wed], 2008, 2:57
もう、どんだけ間が空いてるんだという話ですね。
来ていただいている方たちに申し訳ないです…
あんまり書くことが思い付かず今日という日を迎えてしまいました。
ただ最近、戦争の神風に関する映像をみて、久しぶりに金子と土田に思いを馳せてみました。
結構、暗い感じですが、読んでいただけたら嬉しいです。


また、拍手をして下さった方々、ありがとうございました。
こんないい加減なサイトですみません…。
拍手をいただき、頑張って更新しなくちゃ!という気になりました。
本当にありがとうございました!
P R
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