追走編 終の空 

2006年08月03日(木) 18時09分

教育実習が終わってから、俺は元の日常に戻り、当面の課題である卒業研究に向かってのんびりとしていた

生徒たちは俺のバイト先にちょくちょく遊びに来てくれ、先生気分が抜けることはなかった

それは凄く幸せなことだ
自分で言うのも何だが、ここまで生徒に慕われるとは

卒業研究もかなりいいペースで進む
4年半、努力し続けた俺にとって卒業研究なんて楽勝だったのだ

とにかく、絶好調の俺は人生を満喫していた

俺は自分の務めを果たした
やるべきことをやった
もう師匠の存在を気にしなくていい
俺は俺として、完全に独り立ちして生きていた

師匠の元を離れ、2年ちょっと
俺はもう立派にやっていけるし、もう師匠に会うこともないだろう

そんな風に平和にゆっくりと時は過ぎていった
これからもそうであると思っていた

しかし…

俺はある事実を知ってしまう


師匠が教師を辞職していたことを…


教育実習編 荒 

2006年07月31日(月) 22時30分

最終日の夜

俺はお世話になったクラス担当と教科担当と酒を飲み交した

おふたりの話を聞いていると勉強になる

しかも奢って頂いて

その後、ビリヤードを堪能した

帰宅後、俺は交際相手の荒の元へ向かった
今日で交際3ヶ月

どうしても渡さなくてはならないものがあった

雨の中、荒と久しぶりに会う
「これからも一緒にいてくれ これは俺からの愛の証だ」

俺は荒の指にシルバーのペアリングをはめた

なんか…
恥ずかしくなってきたので、ここで終了〜

とにかく、こうして俺はまた元の馬鹿学生に戻った

学生生活は退屈
眠い眠い
一気に府抜けに戻った

しかし、今も部屋に貼ってある写真が俺の教育実習生生活を思い起こさせる

生徒と一緒に撮った写真

あの4週間は俺の人生の中で最高に忙しくハチャメチャで楽しく、目一杯泣いて笑って…強くなれた時だった

俺はもう無力じゃないし、迷わない
この魂が折れない限り…

どこまでも


〜教育実習編 完〜


教育実習編 空 

2006年07月31日(月) 11時37分

やってきた最後の一日

雲に覆われた空から、雨が降り注ぐ

今ではある程度、似合うようになったスーツを着込み、登校する

研究授業は1〜2限
準備があるので朝学活をクラス担当に任せ、授業時間になったので教室へ向かう

今日の授業内容は…
新鮮な食材の見分け方!
今まで明記しなかったが、俺は家庭科教師だったのである

そこで俺が各班に配ったものは…
本物の新鮮な魚と腐った魚!
実物を手にして学ぶこと
これが俺のやりたかった、驚きのある授業だったのだ

しかし、あまりに腐った魚が臭すぎて教室に悲鳴が響きわたった
悲鳴最高
これが本物の腐った魚の臭いなんだよ
驚け、生徒たちよ
にしてはやりすぎたな…

「先生!これはテロですか!?」
「…」
すまん、張り切りすぎた
でも、お前らのリアクションを見てると成功だと思うよ、俺は

噂が噂を呼んだのか知らないが、他の実習生の時より多くの先生方が見学に来て下さった

プレッシャーなんて感じない
第三者が見てるだけでも楽しい授業にしてやるぜ

そんな感じで俺は超自然体で楽しく研究授業を終えた
あぁ、楽しかった
仮に評価が悪くても気にしない

授業後、先生方から「腐らせすぎ」という苦情(?)が相次いだ
「葉月さん、北欧の缶詰並に臭い魚を用意したって本当!?」
「はい でも、記録より記憶に残る授業がしたかったんです!!」(キリッ)
「上手いこと言ってるけど、やり過ぎでしょ〜(笑)」
「ハ、ハハ…」

あぁ、俺…
最終日なのに、この臭い魚を持って帰んなきゃならないんだ…
史上初だろうな
これなら十分、みんなの記憶に残れたよな
俺のこと、忘れないでいてくれるよな…

終学活、生徒のみんなが俺に一言ずつ別れの言葉をくれた
みんな、ありがとう… 教師らしいことあまり出来なかったけど、勉強を教えられたか分からないけど、みんなの笑顔は守りきれたよな
それだけは誇りを持って言える

俺はもう無力じゃない
人を笑顔に出来るっていう、最大の力が身についた

強くなれた
本当に生徒のみんなと先生方のお陰だ

俺は雨の中、4週間もお世話になった中学校を去った

腐った魚を持って


こうして俺の4年半に及ぶ戦いは結末を向かえた


教育実習編 風 

2006年07月31日(月) 1時27分

いつものように実習生室に一年生のちびちゃんズが遊びに来ていた
しかし、俺の実習期間はあと一日と迫っていた

「お前らとも明日でお別れか」
「先生の授業、受けたかったな…」
「先生、来年はこの中学で働いてね そうすれば授業受けられるから」
「あぁ、そうだな」

明日は研究授業
成功するだろうか
生徒に驚きを与えられるだろうか
考えて知る喜びを教えられるだろうか

俺は本当に頑張った
あと一日… あと一日、生徒の笑顔を守りきれば全て終わる

全てが…
今の俺なら師匠に並べる、このままなら師匠を超せる

あの人がどんな気持ちで教師をやっていたのか
今の俺は分かる
師匠も俺も同じ目標のために戦った

生徒の笑顔を守る

ただそれだけのために

師匠も高校の時の教師に憧れて、同じ職についた
そして、その想いは今、こうして俺にも受け継がれている

師匠は今もあの頃と同じように胸を張って教師をやっているだろうか

しかし、そうではないことを俺が知るのはもう少しあとになってからだった…


教育実習編 朝日 

2006年07月23日(日) 2時21分

教育実習が終わって数週間
元の生活に戻って、だいぶ落ち着いたので更新再開します

3週目の終わり
日曜に俺は他の実習生と再び飲んでいた

しかし、そんな余裕はないはずなのだ
明日の月曜には研究授業の指導案を提出しなければならない…
ちなみに研究授業本番は金曜

俺は他の実習生からアドバイスを貰おうとこの飲み会に参加したのだ

いや、本当は現実逃避だった
俺は本当に背っ羽詰まっていた
どう教えたらいいのか分からなかった…
授業が作れない
苦悩して泣いたりもしたがそれで道が開けるわけがなかった
俺は…スランプに陥っていた
かつてないスランプに…

何を…何をやっているんだよ!俺は!!
あんなにやる気に満ちて、実習に臨んだのに!
4年前から、師匠を超えたくて今までずっと頑張ってきたのに!
肝心なところでコケちゃ駄目なのに!
何してんだよ!何で上手くやれねぇんだよ!!

飲み会の帰り、俺は一歳上のおねーと一緒に帰ることにした
おねーは今週で終わり
明日からは俺ひとりだ
出来るのか、俺に…

俺とおねーは静かな夜の空を見上げながら並んで歩く
この夜空が明けるまでに俺は指導案を完成させなければならない

不安ばかりを口にする俺におねーはいつものおっとりした口調で言った
「大切なのは、生徒に何を教えたいかですよねぇ」

…俺は
生徒に何を教えたかったんだろう
自分が教壇に立つことで何をしてやりたかったんだろう
俺は…俺は…

再び夜空を見上げる

俺は…

こんなことを学校の授業でしていいんだ!って驚きを生徒に与えたかったんだ

忘れていた
最初の頃に決めた大事なことを

気付けば、すでに自宅の前だった
「ありがとう 俺は…ひとりでもやってみせるよ」
俺とおねーは強く握手をして別れた

その後、俺が指導案を書き上げ、教材の用意を終えた頃には朝日が昇っていた

出勤するとすぐに教科担当の元へ行く
すでに俺の仕事の遅さに呆れている教科担当はこちらを見ずに冷たく言った
「…授業の準備は大丈夫ですか?」
「はい!!」

俺はもう本当に大丈夫だった
負けない 俺はやる 最後まで

守りきる 生徒の笑顔も教師としての務めも他の実習生の優しさも

そして、俺自身の魂も

全てを


教育実習編 大地 

2006年06月17日(土) 9時56分

あれから俺は一生懸命に勉強した

今からでも生徒の為に最大限の努力をして、力をつけたかった

自分の無力さを引きずって苦しむくらいなら、自分を変えることに苦しみたい

今週は市内大会でサッカー部の引率をした
結果的には地区大会に進むことは出来なかったけど、今まで失敗していた縦のパスが上手く繋がった

出来なかったことが出来るようになるのって本当に素晴らしいことだと思った

生徒の成長が嬉しかった

実習期間が2週間の人は昨日で終わり
8人中、5人が抜けることになった
昨晩、そのうちの4人と飲みに行ってきたのだが、その中で俺たちは互いの友情と絆を確認しあった

「葉月先生がいてくれて良かった 実習生の空気を明るくしてくれた」
「実習生室に帰った時に、そこに葉月がいてくれるとホッとした」

俺たちは仲間だ
実習が終わろうと何処にいても
短い期間とはいえ、貴重な時間を共にしたこと 互いに支え合ったこと 気持ちはいつも一緒だったこと

3週目から、俺は残りの2人と共に戦っていく
4週目になれば俺はひとりになる
ひとりでも、実習生室にはみんなの息吹が残っているだろう

俺たちは仲間だから


教育実習編 海 

2006年06月09日(金) 20時13分

今日で教育実習一週目終了

生徒は可愛い
明るくて子どもらしくて生き生きとしてる

昼休みなんかは一緒に教室で遊んで、とても楽しい
代わりに俺は5時間目に休んでるくらい
俺を笑顔で先生って呼んで、慕ってくれて
本当にいい子たちだなって思う

他の実習生とも仲良くて、青春バリバリの仲間意識を感じちゃってる
教育実習期間だけの間柄で終わりたくないな
ずっと一緒に暮らしていきたい
この人たちといれたら、支え合って笑い合って充実した日々がおくれるだろうなって思う 心から

ただ、やはり俺は教師に向かないと思う
知識や技術が無さすぎる
人に教えられるだけの力を持っていない

元々、俺は介護専門だからそっちの方なら詳しいけど、中学校となると本当に未熟だな

俺には力がない
それでも、可愛い生徒に求められるだけのものを返してあげたい
でも、今の俺には出来ない
心の底から、生徒の力になってあげたいけれど、やはり俺はいつだって無力で…


守りたいものほど守れやしない


可愛い生徒の為に何も出来ない
何も教えてやることが出来ない

俺に出来るのは…
生徒を笑顔にすること

ただそれだけ

今まで、学校で教師や指導者のあるべき姿について散々学んできた
でも、教師らしさなんて俺みたいな奴には欠片もない
俺は生徒の笑顔が見れればいい
それだけが俺が生徒たちにしてやれる精一杯の…
教師らしさなんて、師匠を越えることなんて、どうでもいい
生徒と楽しく生きれればそれでいい
教師ではなく、ひとりの人として


だから、俺は教師にはならない



教育実習編 プロローグ 

2006年06月03日(土) 1時28分

ついに教育実習が始まります!

学園の友らに、しばしの別れの挨拶をして中学校へオリテをしに向かいました

えー、まぁ
とゆーわけで月曜からは教育実習編がスタート!!

今度の舞台は母校の中学校!!
ライバルは7人!!

4年前から師匠の背中を追い続けた葉月の努力は実るのか!?
教師と生徒の狭間で戦う葉月!
なりたい自分になる!越えるべき壁がここにある!
今までの成果が試される時が来た!!

最後の力、振り絞れ!葉月!!

テンプル騎士団 

2006年05月29日(月) 23時42分

学校の帰りに、変な不細工な集団が堂々と歩いていて、それが何か格好良かった

葉月、五月病!! 

2006年05月22日(月) 22時34分

マジでダルい…
朝から今までにない眠気で学園で寝てばかりだった
気力わかないし喋るのもダルい

髪はノンスタイリング、髭は伸び伸び
こんなキモい姿でよく生きてたなって感じ

早く週末にならないかな…
休みたい

P R
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