プロローグ 〜 旅立ち 

April 17 [Sun], 2005, 9:57
どこからともなく降って湧いたこの企画。
「餃子食いだおれ@宇都宮」。
 
宇都宮イコール餃子、という思想は、
なんだか後付けの地域振興のような気がして、
いまいち不信感を持っていた。
以前一度宇都宮に行って、餃子を食べたのだが、
その餃子はお世辞にもおいしいとは言えるものではなかった。
そういった経験が、私の不信感を一層のものにしてしまったのだろう。
 
今回の食いだおれで、それが払拭できるのか。
それも楽しみのひとつである。
  
 ☆
 
地元駅を午前9時に出発。
先に乗り込んでいた友人2人と合流し、
いざ宇都宮へ。

洗礼 

April 17 [Sun], 2005, 13:01
午前10時。
電車の中からチラホラと見えはじめた餃子屋の看板に、少し心をときめかせ、
「宇都宮着いたら、街がニンニク臭いんじゃねぇ〜の〜?」
と悪態をついているうちに、JR宇都宮駅に到着。
予想より肌寒く、ニンニク臭くはなかった(笑)。 
 
改札を出て、そばのキオスクでお土産の陳列棚を発見。
いきなりの洗礼だ。
 

勢いで撮ってしまったが、駅のコンコースには、
もっと豪華で品揃えのあるお土産屋があった(汗)。
帰りはそこでお土産を買おう。

カルチャーショック 

April 17 [Sun], 2005, 13:17
宇都宮駅到着から数分も経たぬ間に、
友人の案内で私たちは宇都宮駅ビル内の
「青源みそしる亭」に入った。
ここが本日「食いだおれ」のスタート地点となる。
 
「みそしる亭」。
名前からして、餃子店とは程遠い感じだが、
そこはリッパな餃子屋。
メニューを広げ、私たちは3品頼んだ。
 
 「青源水餃子」
 「雷さま水餃子」
 「ネギ味噌焼餃子」
 
水餃子は、来慣れている友人が頼み、
私は焼餃子を頼んだ。
そして程なく、餃子が出来上がり、テーブルに運ばれた。
 

メニューのサンプル写真を見たときに、「え?」と思ったが、
現物を目の前にして、やはり驚かずにはいられなかった。
私が今まで食べていた、よく知る水餃子と、
運ばれてきたそれはあまりにもかけ離れていた。
 
乱暴な言い方をすれば、味噌汁の中に水餃子が入っているのだ。
しかも“雷さま”は、辛味たっぷり。
 
水餃子は、お湯の中に浮かんでいるか、
お湯から引き揚げられた状態のものの事だと思っていたが、
ここでは全く違うようだ。
お湯自体に味付けが施されている。
友人は「ここ(宇都宮)ではこれが普通」と言う。
それにしてもカルチャーショックだった。
 
恐る恐る、「青源水餃子」からクチに運んでみる。
いやいや、意外とイケル。
スープと一緒に味わう事で、餃子に新たな味が生まれる。
あっさりとした味噌味で、全然しつこさはない。
ほのかにきいたゆずが更に清涼感を醸し出している。
 
「雷さま水餃子」はどうだろう。
青源水餃子のゆずのかわりに、辛味(唐辛子&ラー油)が入っているが、
基本ベースがさっぱりなので、これが実にちょうどいい辛さだ。
しかし、あまり調子に乗って食べていると、額から汗が滲む。
 
少し遅れて、「ネギ味噌焼餃子」が来た。 
 

下の焼餃子が見えないほどに乗せられた味噌とネギ。
先ほどの水餃子とは違い、こってり味噌味に、シャキシャキ食感のネギ。
餃子の味が味噌に負けてしまっている気もしたが、
それを考えていても、ハシが進む。
餃子からこぼれたネギを、皿にクチを付けて流し込むほど、
あとを引くうまさだった。
  
 ☆ 
 
食いだおれはまだまだ始まったばかり。
これからどんな餃子が待っているのか、非常に楽しみだ。

王者の実力 

April 17 [Sun], 2005, 18:07
「みんみん」
宇都宮に餃子を食べに行くなら、ここに行かずにどこへ行く。
それくらいの超有名店。…らしい。
私たちもそれにもれず、みんみんへ足を運んだ。
 
一軒目の「青源みそしる亭」から歩いて15分くらいだろうか。
「みんみん」は支店がたくさんあるのだが、
(ぶっちゃけ、みそしる亭の隣に支店があった。)
今回は「本店」に赴いた。やはり本店は一味違うらしい。
 
みんみんの開店時間は午前11時30分。
私たちは混雑を予想して、午前11時にはみんみんに着いた。
しかし、すでに一組のグループが並んでいた。
 
開店が近づくと、にわかに賑やかになる。
私たちの後ろにも人が並び始め、
開店五分前にもなると、「行列」ができていた。
これがみんみんのうまさの証明なのか。
 
開店時間。
店員の案内と共に席に着く。
「焼餃子」と「揚餃子」を二枚ずつ注文。
そうこうしている内に、店内は人で溢れ、
窓の隙間から見える行列も絶えることはなかった。
 
正直、キレイな店内とはいえないが、コレも味のひとつなのだろう。
そして、注文の餃子が届く。
 


見た目は普通の餃子。オーソドックス。
タレを作り、まずは焼餃子を放り込む。
 
餃子ひとつで、ここまで顔がほころぶ事はただの一度もなかった。
けれど、自然に顔が緩んでしまう。それほどうまい。
餃子の餡から、肉汁がこぼれる。
いつまでもこのまま飼っておきたい、そんな餃子だ。
 
次は揚餃子をつまむ。
基本的に「焼」「揚」「水」と同じ餃子を使っているのだが、
調理法ひとつでこれほどバリエーションの違いが出るかと思うほど、
見事な揚餃子だ。
皮はサクサクに揚がり、まるでスナックを口にしているよう。
それでいて、飲み込むのが勿体無いこの餡。 
 
あっという間に4皿をたいらげ、追加注文。
繁忙時なので追加は一回までというのは残念だが、いたしかたない。
追加注文も一気に食い上げ、私たちはみんみんを後にした。

郷に入りては 

April 17 [Sun], 2005, 20:54
「みんみん」で王道餃子を堪能したその足で、
私たちは次の店に向かった。
「正嗣」。“まさし”と読む。
その店は、みんみんのある通りの角を曲がった、目と鼻の先にある。
ここは、地元の人がよく通う店だという。いわゆる「通」の店だ。
 
しかし、私たちが行った時はまだ準備中。
店の先には生の餃子をたくさん積んだワゴンが停まっていた。
 
私たちは、ふらふらと宇都宮市街を散策する事にした。
神社参拝をし、公園で花見、宇都宮タワーに登り、動物園も見学した。
こうして書くとたった一行だが、結構な運動量だ。
お腹もいい感じに減ってきた。さあ、正嗣に行こう。
 
お昼を過ぎて、時間はもう午後3時になっていた。
そんな時間でも正嗣には行列が出来ていた。
お昼過ぎからパラついてきた雨も気になる。
 
肌寒さを感じながらも、やっと入店。
私たちは主人が餃子を焼く目の前のカウンターに腰をすえた。
さっそく、焼餃子と水餃子を注文する。
ここの餃子は安い。一皿170円だ。
餃子自体が小ぶりなのかもしれない。
店側も、「大人の方は2人前は召し上がれます」と貼り紙をしてある。
何気に商売上手である。
 
立ち上がる湯気と共に、餃子が差し出される。
いかにも「食通好みの店主」という感じの立ち振るまいだった。


例のごとくタレを作り、熱さを味わう。
正嗣のラー油はゴマが利いていた。
また餡の味付けも多少薄めになっていて、飽きさせない。
何皿でも食べられるように、との配慮なのだろう。
地元の方が通い続ける理由はここにあるのかもしれない。
 
水餃子はどうだろう。
 

出された水餃子は、私がよく知る型の水餃子。
見た目通り、あっさりとしていて、食べやすい。
 
せっかく宇都宮に来たので、この辺りでの食べ方に挑戦。
タレと酢、ラー油を水餃子の入った器に味を見ながら入れてみる。
 

うまい。まるでスープ餃子そのものだ。
水餃子をあっという間に胃袋に納め、
スープも飲んでしまおうとしたが、
さすがにスープだけで飲み干すのは、味が濃すぎてムリだった。
残してしまったスープを名残惜しみながらも、皿を片付けてもらった。

ウラバナシ 

April 17 [Sun], 2005, 21:37
私たちが正嗣で餃子を食べている間、とある女性客がやってきた。
話を聞くと、さっき買ったお土産の餃子を分けたいので、
持ち帰り用の箱があと3箱欲しい、という事だった。
 
それを聞いて、店員の表情は一瞬曇った。
空箱を差し上げるわけにはいかない、というのだ。
 
女性客も戸惑っていた。耳だけを傾けていた私も困惑した。
どうしてだろう。
 
店主の話では以前、箱を巡るトラブルがあったらしい。
正嗣の餃子の空き箱に、別の店の餃子を詰めて配っていた、
そういう不届きな輩がいたそうだ。
それ以来、箱の取り扱いについては充分な注意を払っているという。
 
しかし、女性客の困った顔を見かねて、
店主は「うちの餃子以外は詰めないでくださいね」といい、
空き箱を譲り渡した。
  
私たちは、餃子業界の裏事情を少し垣間見た気がした。

勇者の挑戦 

April 17 [Sun], 2005, 21:44
宇都宮の「餃子マップ」なる無料配布物を見ると、
一番大きく、「来らっせ」という店が紹介されている。
“美味しい餃子とふるさと情報館”と銘打たれたこの店、
行かずにはいられまい。
 
「来らっせ」という店名は、
おそらく「おいで」とか「いらっしゃい」とかの栃木弁であろう。
私の地元にも「キヤッセ(来やっせ)」という同様の地域密着施設がある。 
 
デパートの地下にある「来らっせ」。
今まで行った中では、一番広い店舗。
まあデパートの中のファミレスという感は否めないが。
 
来らっせの特徴は、オリジナルメニューに加え、
宇都宮餃子会の加盟店舗の餃子が、
曜日ごとに日替わりで食べる事が出来ることであろう。
今日、土曜日は7店舗の餃子を選ぶ事が出来る。
 
友人は「白美人」の白美人ねぎ餃子と、
「華ざん」の焼餃子をオーダー。
陽も傾いてきたので、生ビールと、おつまみにあとひき大根。
 
私はある一品に目を奪われていた。
来らっせオリジナルの、“カレー餃子丼”。
いかにも!という感じが堪らない。
 
そして、テーブルに並べられた注文の品。
 

まずは「白美人」から。
ネギの香り、食感が絶妙。ネギが多いので、多少水気があるが、
ネギの甘さが際立ち、箸が進む。
そして「華ざん」。
こちらは、カニ風味の餃子。
言われてみればカニ?というくらいの風味だったのが残念。
ニンニク未使用なのは、カニの風味を損なわないためだろうか。
 
そして、私の心を捕らえて離さない、カレー餃子丼。
 

 
まずは餃子をひとかじり。
…味がしない…。
おそらくカレーの味が強いので、餃子の味を抑えたのであろう。
カレーのルーと混ぜ合わせ、もう一度食する。
…が、味のしない餃子のほうが勝ってしまって、
なんともいたたまれない状態になってしまった。
友人の「止めときゃよかったのに」の無言の視線が痛い。
 
しかし隣のテーブルを見ると、そこのお客人も餃子カレー丼を食べている。
人気メニューなのか、その人も勇者なのか、推し測る術はなかった。

無秩序の秩序 

April 17 [Sun], 2005, 22:17
太陽はとうに沈み、宇都宮の街も夜の明かりが灯る。
私たちは、食いだおれ最後の砦として、
「イキイキ」という店を選んだ。
 
とにかくこの店の売りはメニューの量。
王道系から、不思議系、スイーツ系まで揃っている。
無粋にそのメニューを挙げていくと、
肉餃子・ニラ餃子・カレー餃子・チーズ餃子
キムチ餃子・イカタコ餃子・クルミ餃子
わさび餃子・シャケとタラ餃子・納豆餃子。
 
不思議系では、
泳いでる餃子(ワカサギ)・猿怒る餃子(ラッキョウ)
狼怒る餃子(フカヒレ)・生みたての餃子(ウズラ)
子だくさん餃子(イクラと数の子)・山男の餃子(ゴボウ)。
 
スイーツ系では、
チョコレート餃子・コーヒー餃子
ヨーグルト餃子・フルーツ餃子。
 
などなど、想像力が豊かになるメニューばかりだ。
また焼餃子のほかにも、水餃子、丼モノもある。
 
私たちはエビ餃子、チーズ餃子、タラコ餃子、クルミ餃子を頼んだ。
クルミ餃子はスイーツ餃子のようだが、
友人によると、甘味噌仕立ての美味しい餃子だということだ。
また、水餃子の味噌味も一緒に頼んだ。
  
注文からテーブルに運ばれてくるまで多少時間がかかったが、
まぁ仕方がない。
まずは、水餃子の味噌味。
 

ここまで来ると、もう味噌ラーメンにしか見えない。
ナルトが浮かんでるのも過剰な演出だろうか。
付け合せのキムチと紅しょうがは、
辛味を出すための薬味だという。
スープにはたっぷりの野菜。
宇都宮の水餃子は間違いなくスープ餃子だ。
またこのスープが美味い。
餃子ばかり食べてきた私たちにとって、
このスープの野菜は心の拠り所となった。

四面楚歌 

April 17 [Sun], 2005, 23:08
水餃子を空にした後、4種の焼餃子が運ばれてきた。
 

一見して、何がどの餃子か全くわからない。
店員さんの説明を聞き流してしまうと、まさにロシアンルーレット。
 
まずはクルミ餃子から。
ひとつ噛むごとに、ザクッザクッと歯ごたえが凄い。
甘味噌で仕上げられたクルミは、友人の言う通り、
予想を超えた味だった。
続いてタラコ餃子。
「来らっせ」で食べたカニ風味餃子を思い出してしまった…。
タラコ風味…かな、という味。
いっその事、明太子の方が味がしっかりして良いのでは??
そしてエビ餃子。
小エビが丸ごと小籠包のように入っているかと思いきや、
刻まれたエビが慎ましく華を添える程度。
エビ好きの私としては、物足りなさだけが残ってしまった。
最後にチーズ餃子。
一口食べて、チーズの主張に驚いた。
チーズはなんにでも合う。改めて思い知らされた。
入っているチーズはクリーム系だった。
チーズを塩気の多いものにすればもっと美味しくなると思う。
 
あっという間に注文の品をたいらげ、腹をさする。
しかし、これでこの店を後にする私たちではなかった。
 
この「餃子食いだおれ@宇都宮」を伝説にするには、
挑まなければならない山がある。

そして伝説へ… 〜エピローグ 

April 17 [Sun], 2005, 23:30
「すいませ〜ん!追加で〜、
 子だくさんの餃子と、コーヒー餃子ください!」
 
それは私たち自身から私たち自身への挑戦状(笑)。
なにより、みやげ話には最適な餃子だ。
 
子だくさんの餃子はだいたい想像がつく。
餃子の餡に数の子とイクラが入っていれば、それがその餃子だろう。
コーヒーの餃子はどうだろう。
基本的にコーヒーは液体だ。
餃子の餡にコーヒーがまぶしてあるのか??
それとも、皮を破ると、コーヒーが溢れ出すのか??
 
百考は一喰にしかず。とにかく食うべし。
 

…コーヒーのアンコが入っている餃子でした。
私はアンコがダメな人間なので、やむなくパス…。
 
子だくさんの餃子は予想通りの餃子だった。
海鮮餃子を食べている、そんな感じの餃子。
やはり水気が多いのが難点か?
 
追加注文の2皿もどうにか空にし、
今日の食いだおれは終わった。
コーヒー餃子に違う意味で倒れそうになったが、
今までに経験した事のない食いだおれに、
とても有意義な時間が過ごせたと思う。
 
この日食べた餃子は約24皿。
3人で約130個の餃子を食べた。
そうして餃子の街・宇都宮は発展していくのだろう。
非常に感慨深い。 
 
 ☆
 
私たちは、帰りの電車であるものを食べようと、
駅前の「宇都宮餃子館」に寄った。
そこで持ち帰り用に買ったのは、
 

“餃子にぎり”だ。天むすの餃子版である。
 
考えてみれば、一日餃子漬けでそうとうニンニク臭がするのに、
帰りの電車の中で餃子にぎりを食べようとは、
実にハタ迷惑な連中である。
 
まあ、それも青春の一ページという事で、お見逃し頂きたい。
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