初めまして 

July 26 [Tue], 2005, 13:58
雪乃と申します

内なる想いをここで密やかに表に出して行くことで多少の憂さを晴らそうというものでございます。

大変暗い内容になるかと思いますが、
慈悲深いそこゆくあなた、
もしよろしければこんな雪乃に同情のお声でも構いません。
何か足跡を残してくださればこの上ない歓びとなります。
よろしくお願いいたします。

想い想われ振り振られ 

July 26 [Tue], 2005, 15:08
雪乃は今年18になる高校3年生でございます。

そして同い年のつき合って6年目になる彼氏がございます。

その彼とのhistoryを

ここに記したいと存じます。

あの日・・・ 

July 26 [Tue], 2005, 15:40
中学1年のとき、同じクラスでした。
小学校が同じだったので、席替えで隣になった時は「話せる相手」として安心したものでございます。
雪乃は惚れやすい体質ですので、自分が彼(以下楓)に惚れていることを認めるのに時間がかかりました。
話せば話すほど好きになって行きます。
毎朝楓はまだかと後ろの戸を何度となく振り返ったものでございます。
周りが「つき合ってるの?」と訪ねるぐらい仲はよろしゅうございました。

自分の気持ちに気づいてからも、
その気持ちを明かしてよいものかどうか思案に暮れました。

そうこうしているうちに、
また席替えをすることになってしまったのでございます。

くじ引きでの席替え。
男女別別。
くじを引く前から高鳴る鼓動。
心臓が耳から飛び出るのではないかと思うほど早鐘を打つ理由はただひとつ。

席が隣だから、おしゃべりができた。
その場を、
まだ奪われたくはなかったから・・・

雪乃より早く、楓がくじを引くため、席を立ちました。
ほどなくして雪乃もくじを引きに参ります。
席に戻ると楓が「何番?」と尋ねます。
汗ばみ震える手でくじを開くと12の文字が。
それを黙って楓に見せると、楓はこう言いました。
「じゃあ、もう隣の席になれないね・・・」

雪乃は隣に座る楓の顔を見ることができませんでした。

イマナンテ・・・?

更に鼓動は早まり、耳が暑くなりました。

モシカシテカエデモ・・・?


楓も雪乃と同じ12を引いておりました。
当時の席替えの方法は、生徒がくじを引き、
担任が適当に数字を並べ、自分のくじと該当する席に着くというものでしたので、
同じ数字で隣同士になれる確率はないに等しいものでございました。
ですから楓はあんなことを言ったのです。
雪乃は期待するやら奇跡を願うやら気が気ではございませんでした。

クラス全員がくじを引き終わるのを見届けた先生が、
黒板に数字を書き込んでゆきます。
まずは男子。
12は今の楓の1つうしろの席に位置する結果になりました。

次は女子の番でございます。

1、2、3・・・


心臓がうるさい


4、5、6・・・


あぁお願い
まだ12の隣に書かないで、先生・・・


7、8、9・・・


かみさまっ・・・



10、11・・・




遂に運命の時。




一瞬先生のチョークを持つ右手が迷いました。

前むいて 

July 27 [Wed], 2005, 2:26
告白しよう。

一旦思い立ったら即行動の雪乃でございます。
もうすぐにでも楓とのラブラブライフを頭のなかでは構築しておりました。
しかし少々おしゃまな一面も兼ね備えております。
一度は与えられた大きなチャンスを逃してしまいました。
2人きりになれたのですが、緊張してとても切り出せず、
いつものおしゃべりの調子でその日は終わってしまったのでございます。

いろいろと考えあぐねました。
消しゴムのケースの裏に書いて授業中にこっそり渡そうかと思ったこともございます。
当然あと一歩が踏み出せず、
渡さずじまいでした。

ところが雪乃は何を焦っていたのでしょうか、
事件を起こしてしまいます。
友人にせかされたことも理由にはなると思います。

なんと下駄箱にラブレターという、なんとも古風な手段に出てしまい、あげく本人に見つかる前にクラスの男子数人に回し読みされてしまったのでございます。
しかもそこへ楓が到着、手紙を奪い取ってくれた女子が手渡し、その一部始終を柱の陰に隠れて見守るという、なんとも最悪の事態になってしまったのです。




楓の戸惑う横顔が、その日一日瞼に焼き付いて離れませんでした。





翌朝、もともと教室には毎日一番乗りしていた雪乃はいつも通り登校すると、そのまま机に伏せていました。冷やかす男子の声が時間が経つにつれ増えてきます。

ずっと伏せて じっと楓の到着を耳を澄ませて待ちました。

恥ずかしさに死にそうでも、返事が気になっていました。

行く先々来る災い 

July 30 [Sat], 2005, 21:41
そして始まった彼との交際。
なにも日常とは変わりません。
ただ席に着いてる時以外は話すのが恥ずかしくなっただけで、特別何も変わったことはございませんでした。

席替えのシーズンからは逃げられず、さすがに奇跡はもう起きません。

一緒に帰るなんて、恥ずかしすぎてあり得ません。

ところがあり得ないことは起きました。

彼はサッカー部。

雪乃は吹奏楽部。

彼は徒歩。

雪乃は自転車通学。




その日、朝から雨が降っていて、雪乃は徒歩で通学していました。

部活を終えて昇降口を出ると、門を今出ようとする楓の背中を見つけました。
声をかけたい。
でもヒトに見られるのは・・・
そこで思いっきり下を向いて歩いていたら・・・

「今日は歩きなの?」

楓は優しい、オトナなヒトでしたから、
当時の雪乃はどれだけ救われたことでしょう
今も救われていますが・・・


話しかけてくれたことで雪乃は安心して帰路を共にできたのです。






けれど雪乃たちの始まったばかりの恋は、
スタートしたその時から
波乱に満ちていたのでございます。

信じてもらうために、まず信じるんだ 

August 03 [Wed], 2005, 21:15
雪乃は父親が固いヒトでしたから、
楓との交際はバレてはいけないと、雪乃は必死でございました。

ですから、学校以外で会うなんて絶対できません。

そんなある日。

テスト習慣でした。
あまりやる気にならなくて、歴史の用意を広げるだけ広げて、
友達との交換ノートを書いていました。
すると突然部屋のドアが開き、
父が入って来たのです。
また 音もなく部屋に近づいて来ていたのです。
交換ノートを隠す暇なんて当然ありませんでした。
「なんだこれは?」
わかっているのに聞くこのヒトの悪さ。
中には楓とのことも書いてありました。
「どういうことだ」
恐怖です。
雪乃にとって父親は恐怖という存在でした。

バレた・・・

本当にカラダの震えが止まりませんでした。
何を話していたか覚えていません。
執拗に小突かれて、いつ至近距離でげんこつが飛んでくるかとビクビクしていました。

ただ、「今は愛だの恋だのやっとる時期じゃない、勉強に専念しろ。別れろ。わかったな」
と、脅されたことだけは覚えています。
雪乃はただ「はい」と返事することしかできませんでした。


雪乃は殴られないためにいつも思案を巡らせていましたから、
嘘をついたり弟の隼人のせいにしたり、手段は選びませんでした。

ただ、楓とのことはやめる気には到底なれなかったのです。

あなたと過ごした思い出のあの場所で 

August 03 [Wed], 2005, 21:30
楓とは順調に爽やかな交際を続けました。

周りは付き合ったり別れたり、デートしたり楽しそうでした。

楓は会いたいと思っても、雪乃のお家事情を気遣って、
いつも雪乃に合わせてくれていました。

そして進級の4月・・・

友達といつもより早い時間に待ち合わせをして、
クラス発表を見に行きました。

神様は、そんなに甘くはありませんね。

雪乃は3組、楓は2組でした。

雪乃はマセていましたから、幼稚園や小学校の時から
誰がかっこいいだの誰が好きだの言ってました。
惚れやすい、飽きやすい体質だったんです。
クラスが別れたら終わってしまう
そう思っていたから、衝撃でした。


それからは、全く言葉を交わしませんでした。
やはりみんなの前で話すのは恥ずかしかったんです。

幸い、雪乃の友人が楓と同じクラスでしたから、
時々手紙を渡してもらっていました。


外で会わない。
クラスが違うから話さない。

そんな雪乃たちの憩いの時間は下校後でした。
最初のころは待っていることすら恥ずかしがっていましたが、
そこでしか時間がとれないのに恥ずかしがっている場合ではないという気持ちと、
回数を重ねて平気になりつつあったのとで、一緒に帰る回数は格段に増えました。
ところが雪乃と楓の家はまったく離れていて、
校門を出て5分もしないうちに分かれ道でした。
その分かれ道でいつも長いこと居座って話し込んでいました。
よくそんなに話すことがあるなぁと関心されるほど、
毎日毎日何分も話していました。

でも雪乃に余裕はあまりありませんでしたから、
いつも自分から「もう帰らなきゃ」と言っていました。
時計ばかり気にして、楓に申し訳ないなと思っても、
背にハラは替えられませんでした。

愛は気づけばそこにあるもの 

August 03 [Wed], 2005, 21:52
1年生の時に同じクラスだった絵里という子がいました。
絵里はバレー部で、席が前後になったことから話し始め、
とても気が合いましたが、
彼女ともクラスは別れていました。
けれど絵里は毎日のように雪乃のクラスに遊びに来ていました。

絵里は楓の友達の拓哉に1年の時一目惚れをして、
雪乃と楓に協力してくれと言ってきました。
雪乃と楓と拓哉は同じ小学校出身で、3人ともそれなりに仲が良かったのですが、
絵里は違う小学校だったので、
話しかけようがありません。
幸い絵里の友人である雪乃の彼氏が拓哉の友達とあれば、
協力してほしくもなるでしょう。

ところが拓哉には好きな人がいました。
絵里と同じバレー部の、美優という子でした。
でも美優には彼氏がいたようで、拓哉は諦めたと
楓が言っていました。

楓とクラスが離れて、それでも時間を作って話すことの大半が絵里と拓哉のことになってしまいました。
雪乃は絵里に幸せになってほしいと思っていましたから、
苦痛ではありませんでしたが。

絵里は2年生になってからも拓哉をなかなか諦めませんでした。

地域の盆踊りの時、告白したものの、
振られたそうです。
しかしそれでは絵里の恋は終わらず、
何度となくその後も告白を繰り返しては振られていました。


そんな中、実は拓哉が好きだった美優と雪乃は親睦を深めていたのです。
雪乃はそんなことすっかり忘れていましたが。

美優とは異常に笑いのツボがあって、雪乃は美優に絵里以上の親しみを感じていました。




その間も、父との戦いは終わりません。

悪夢の始まり 

August 26 [Fri], 2005, 2:56
そんな中学2年の夏休み。

当然雪乃と楓は会いません。

父の目があるからです。

部活で学校に行った時に会えたらいい方でした。


そんなつまらない毎日を送っていたある日。
運命の日。

父が夜中、雪乃の布団に入ってきました。
よくあることでしたが
事態は深刻なものになりました。

父は眠っている雪乃にしきりに話しかけます。
「雪乃可愛い」
「パパの雪乃だもんな」
そして・・・
そして・・・

体中を触られるようになりました。

どの夜が最初の夜だったかは思い出せません。
ただ、上から下までまさぐられて、恐怖におびえ、毎晩縮こまっていました。

3度目ぐらいの夜、階段を上ってくる足音が聞こえるとすぐに、
父は部屋を出て行きました。
その後いつものように寝顔を見に部屋に入って来た母に、
雪乃は話す決意をしました。
部屋の電気がつくと、
すぐに起き上がって話しかけました。
でも、なんて言ったらいいのかわからない。
恥ずかしい。
だからこう言いました。
「昔からパパベッドに入ってくるじゃん?あれ嫌なんだよなぁ。」
母はこう言いました。
「雪乃も年頃だから嫌かもしれないね。でもパパのアレは愛情からくるものなんだよ」

小さい頃から変わらず、ベッドに入ってくるだけなら、そうでしょうよ。

だけどこっちはいつ犯されるかの瀬戸際なんだ。

言えない


しかもその翌朝、母はあの後寝室に戻るなり父に話したのでしょう。
父は雪乃と2人きりの和室でこう言い放ちました。

「嫌ならもっとしてやらなかんな」

開口一番でした。朝の第一声。
本当に目の前が恐怖で真っ暗になりました。
あの父の目つきが頭に焼き付いて離れません。
雪乃は母に話すことで、余計に自分を追いつめてしまったようでした。

2人だけの夕焼け 

September 07 [Wed], 2005, 3:25
雪乃は時々部活が終わると、体育館の前に座って、楓のいるサッカー部の片付けが終わるのを待っていたりするようになりました。
楓が雪乃のところへやってきます。雪乃はすかさず彼にいいます。
「お疲れっ」
そして2人の100bたらずの下校時間。
とても短いので時間なんか足りる訳もなく、いつも立ち止まって話し込んでいたあの頃。
それでもやっぱり父親にカラダをいたずらされていることはなかなか言い出せませんでした。
何度となく、会話の途中で、楓に訴えかけたい衝動に駆られました。
でも、私たち自身がまず、手さえつないだことのない2人でしたから、このことをどうくちにしたらいいのか、まずそれが問題でした。


帰り道しかしゃべったりしない2人。
雪乃の友達が同じクラスにいましたから、時々手紙を渡してもらっていました。
たまに交換する手紙。それも人伝い。
でも私たちの間には、落ち着いた、確固たる絆が結ばれていたと思います。

でも少しずつ、雪乃は精神的な不調を、自分すら気づかないうちに表面に出して行くことになります。
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