それも

September 30 [Sun], 2012, 18:32
たる。本陣問屋庄屋の雑務を何くれとなく手伝ってもらうには、持って来いという人だ。清助は吉左衛門が見立てた人物だけあって、青々と剃

り立てた髯
ひげ
の跡の濃い腮
あご
をなでて、また福島の役所の方から代替
だいがわ
り本役の沙汰
さた
もないうちから、新主人半蔵のために祝い振舞
ぶるまい
の時のしたくなぞを始めた。客は宿役人の仲間の衆。それに組頭
くみがしら
一同。当日はわざと粗酒一献
こん
。そんな相談をおまんにするのも、この清助だ。
 青山、小竹両家で待たれる福島の役所からの剪紙
きりがみ
(召喚状)が届いたのは、それから間もなかった。それには青山吉左衛門忰
せがれ
、年寄役小竹金兵衛忰、両人にて役所へまかりいでよとある。付添役二人、宿方惣代
そうだい
二人同道の上ともある。かねて願って置いた吉左衛門らの退役と隠居がきき届けられ、跡役は二人の忰
せがれ
たちに命ずると書いてないまでも、その剪紙
きりがみ
の意味はだれにでも読めた。
 半蔵も心を決した。彼は隣家の伊之助を誘って、福島をさして出かけた。木曾路に多い栗
くり
の林にぱらぱら時雨
しぐれ
の音の来るころには、やがて馬籠から行った外人 彼女惣代の一人、桝田屋
ますだや
の相続人小左衛門、それに下男の佐吉なぞと共に、一同連れだって福島からの帰路につく人たちであった。彼が奥筋から妻籠まで引き返して来ると、そこの本陣に寿平次が待ち受けていて、一緒に馬籠まで行こうという。
「寿平次さん、とうとうわたしも君たちのお仲間入りをしちまいましたよ。」
「みんなで寄ってたかって、半蔵さんを庄屋にしないじゃ置かないんです。お父
とっ
さんも、さぞお喜びでしょう。」
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