八日目の蝉 (2011)

May 08 [Sun], 2011, 14:25


日本
監督:成島出
原作:角田光代
出演: 井上真央、永作博美、小池栄子、渡邉このみ、森口瑤子、田中哲司、劇団ひとり、余貴美子、風吹ジュン、市川実和子、他


久しぶりの劇場鑑賞
しかも邦画

そして重いテーマ・・・凹

生まれてすぐに誘拐され、犯人の女によって4歳になるまで育てられた秋山恵理菜。両親のもとには戻ったものの、もはや普通の家庭を築くことは出来なくなっていた。やがて21歳となった彼女は、妻子ある男の子供を身ごもってしまう。恵理菜はやがて、封印していた記憶と向き合うべく逃亡生活を辿る旅に出る──。会社の上司との不倫で妊娠し、中絶手術の後遺症で二度と子供を産めない体となったOL、野々宮希和子。相手の男はいずれ妻と別れると言いながら、その妻はいつの間にか子供を産んでいた。自らにケリをつけるべく、赤ん坊の顔を一目見ようと夫婦の留守宅に忍び込んだ希和子。ふと我に返ると、赤ん坊を抱えたまま家から飛び出していた。赤ん坊を薫と名づけた希和子は、そのまま逃亡生活の中で薫を育てていくことに。一時身を寄せた奇妙な集団生活施設“エンジェルホーム”にも危険が迫り、追いつめられた末に流れ着いた小豆島で束の間の安寧を手に入れた希和子と薫だったが…。 allcinema ONLINEより

久しぶりに落ちつきがあり色々と考えさせられる
重厚なヒューマンドラマを観ることが出来ました。

この作品、2010年3月にNHKのドラマとして放送してたんですね。
壇れい北乃きいの二人だそうです。
ん〜なるほど、ちょっと観たかったかも。

子供が産めない体になり不倫相手の男と決別するためのはずだったのに・・・
男の家庭に子供ができ、衝動的にさらってしまった希和子(永作博美)

どう育てていいか判らないまま、それでも必死に純粋に愛する姿は
誘拐犯と言えども心打たれるものがありました。



最近の永作さんは凄いですなぁ
魔性風な役も多いですが、幸薄い役もピッタリです。
笑いながら涙を流すシーンは思わずグッときましたよ。

これまで明るい役が多かった井上真央ですが、
誘拐されて家庭崩壊し人の愛し方が判らなくなってしまい抜け殻のようになってしまった恵理菜役を見事に演じてたと思います。

怪演だったのはフリールポライター安藤千草役の小池栄子ですかね。
挙動不審で気持ち悪い女、しかし実は同じく悲しい過去を持つ・・・
なんでも出来る良い脇役になってきましたな。



本当の母親なのに過去にとらわれジレンマで殺気立つ悲しい母親、恵津子に森口瑤子
怪しい団体エンゼルホームの教祖エンゼルさんに余貴美子
(出てきた瞬間、またこんな役か!と苦笑いをしてしまいましたよ)

とにかく出てくる女優陣の演技は見応えがありましたね。

逆に男どもは情けない人間ばかり。
希和子の不倫相手で恵理菜の父親(田中哲司)であったり、
恵理菜の恋人だが妻帯者で結局は不倫関係で煮え切らないチョイキモの岸田(劇団ひとり)であったり・・・
男はほとんど添え物的な感じでした。



物語は野々宮希和子が恵理菜=薫を誘拐してから捕まるまでの4年間を振り返りつつ、
21歳になった現在の恵理菜が千草と一緒に当時の逃亡生活先を訪ね、
自分の過去と気持ちを見つめ直す・・・これが本当の“自分探しの旅”ってやつです。

産みの母親ではない、育ての母親が必死に愛してくれた4年間、
恵理菜=薫は大人になり、その事を否定し続けたけれど
その愛情を認めることで自分も生まれてくる子供を本当に愛する事が出来るようになるんでしょうな。



全体的に長めのカットが多く(上演時間も長い)、
途中で「もうちょっと詰めれるんじゃないか?」と思うようなところもありつつ(原作未読)
割とだれる事はありませんでした。
挿入歌にちょっとだけ違和感を感じてしまいましたが全体的には静かに丁寧に進み
唐突に終わるラストカットも意外でしたが悪くはないと思います。

ただ、ラストの恵理菜=薫の激白シーンは
希和子と薫の別れのシーンよりも淡白に思えて
描写的に若干弱かったかなぁ〜と。

しかし何だかんだ言っても結局のところ
目一杯、泣かされてしまいましたよ。



そりゃ〜あんな切ない親子の姿を見せられると、涙なくして観れませんって!

永作博美の演技力は良かったんですが、
子役の渡邉このみの親子セットでの演技が素晴らしかった。

それぞれの母親の愛情、そして瀬戸内、小豆島の風景・・・
美しくも悲しい心に残る人間ドラマでした。

面白かった!

★★★★★★★★★★



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女(母)は強し!男はダメだなぁ
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>ともさん
やはりこれは、永作さんのクドイまでの演技力(褒めてます。笑)のおかげでしょうか、若干難があるところもありましたが、面白かったですね。

小池栄子はアクが強くて面白い女優さんですよね。

by カタヤマ October 31 [Mon], 2011, 1:43

私はこれも原作から入りましたが、通勤時に電車で泣きましたよ〜。私も劇場鑑賞。真央ちゃんすごい。永作さんが演じる母親役の強く逞しい顔の裏のはかなさに涙が出ました。
原作読んでたら、名演技なんやけども『小池栄子の役って、こんな感じやったん…?』とも思いましたけど!

面白かった!

by とも October 30 [Sun], 2011, 1:40
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「八日目の蝉」★★★★☆
井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子出演

成島出 監督、
147分、2011年4月29公開
日本,松竹
(原作:原題:八日目の蟬/ 角田光代)





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「原作の評判が高かったので先に読もうと思っていたが
他に読む本がたまってきたので
映画を先に見ることにして劇場へ、
昨年の「告白」程の衝撃は無いにしても
ホントとても良い出来に仕上がっていて
147分も長いとは感じなかった、
井上真央、永作博美とも良い作品に出会えて良かったね」


不倫相手の赤ん坊を誘拐した希和子(永作博美)、
そしてその誘拐された娘(井上真央)、
ふたりは実際には同じスクリーンには登場しない、
大学生に成長した娘が
自分の子供の頃過ごした場所をたどりながら
その頃の事を徐々に思い出していく。


何事にも無気力な様子の現在の主人公は
自分をかつて誘拐した女と同じように
不倫相手の子供を身ごもってしまう、
その子供を産んで育てることは出来るのか
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ちょっとしたきっかけで自分のルーツを探る旅に。
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□作品オフィシャルサイト 「八日目の蝉」□監督 成島 出□脚本 奥寺佐渡子□原作 角田光代□キャスト 井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子、田中哲司、市川実和子、平田 満、劇団ひとり、余貴美子、田中 泯、風吹ジュン■鑑賞日 5月1日(日)■劇場 チネチッタ...

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 角田光代原作のサスペンス小説を、「孤高のメス」の成島出監督、「サマーウォーズ」の奥寺佐渡子脚本で映画化。
 
 
 とにかく、何をさしおいても女優陣、特に主要人物を演じる3人の演技がハンパなく素晴らしい。この御三方の存在自体が、本作に魂を吹きこむアイデンテ

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