明りが灯るまで 

December 26 [Wed], 2007, 23:53
プラタナスの並木から 日々枯葉がおちてゆく

困惑したような空が重たくて

早足で家へ戻った


秋の風が指先をすこし掠めたけれど

昼間の市場の喧騒は心地良かった

だから 夜よ 

ランプの明りがしっかり灯るまで 

暗い色で近づいてこないで

写真と歌 

November 09 [Fri], 2007, 23:41
ある日、ジョニーが 一人の女の子を連れてきたの

「マチルダは写真を撮るのが上手いんだ」

そう言って 彼女の撮った写真をあたしにくれた

彼女はニコニコ笑っていた


マチルダの写真は 大胆で 繊細で 毒々しくて あったかくって

「マチルダは歌も上手いんだよ」

その声は 風のようで 強くて ピンとはってて やさしくって

黒々としたまっすぐな髪が午後の日差しをうけてキラキラと光っていた


不器用なあたしの その時の表情はどうだったかしら

あの時 ちゃんと微笑んでいられたかしら

ベルベットの女 

September 29 [Sat], 2007, 23:35
オレンジ色の陽だまりで 子供みたいにはしゃいでみせて

それがジョニーのお気に入りだと思ってた

シロツメクサの咲く丘でわざと転がってみせて

それがジョニーのお気に入りだと信じてた


物憂げな夕暮れを愛するフリなんてできなかった

お休みの日にお酒ばかり飲んでるフリなんてできなかった

群青色のベルベットのような女になんか なれなかった

バイオレット 

January 18 [Thu], 2007, 4:42
ジョニーは煙草を吸うとき

左手の中指と薬指のあいだにはさむのがクセだった

バイオレット色の煙の向こうで

いつもよそ見してた


ジョニーは甘い吸い口の煙草を嫌がって

デッキの上にある 小さな雑貨店のおばあさんに笑われながら

あたしは何度も彼のためにおいしい煙草を探しに行った

フルカラー 

January 12 [Fri], 2007, 5:38
今日もまた 鮮やかにジョニーが甦る


現実かと思って

ジョニーの一挙一動を見逃さないように

彼の全てを心の底から愛した


いつも夢に出てくるジョニー
いつまでも夢に出てくるジョニー


帰ってくる気がしたけれど  それもまた

儚い夢

生きてさえいれば 

December 24 [Sun], 2006, 5:56
生きてさえいれば きっとどこかでまた会える

そう思っていたけれど

太陽が照り返す石畳の曲がり角で

ジョニーを見かける日はこない

彷徨 

October 19 [Thu], 2006, 5:59
「 さよなら さよなら、ジョニー 」

海風にきこえないように何となくささやいてみたのに

足元で小瓶の貝殻たちがカラカラ笑った


潮風がまとわりついてきて

あたしの心は隙間だらけで

けれども彷徨うあてもないもんだから

なんだか小瓶のカラカラした笑いが心地良かった


白いブレード 

August 19 [Sat], 2006, 8:07
大通りの角にある小さなカフェでお酒を飲んでいる時

ジョニーとは出会った

物憂げな昼下がり

ジョニーの被る白いブレードは

眩しすぎる日差しの中で

あたしの目に焼きついて離れなかった

わらいもの 

August 05 [Sat], 2006, 8:15
ある日 友人のセシルが言ったの

「あなたのジョニーはどこ?」

そう言って後を向きながらスカーフを整え

微かにクスリと笑ったの

セシルはどうしてしまったのかしら

ジョニーの奏でる音 

June 18 [Sun], 2006, 6:01
ジョニーはサックス吹きの男

ダークトーンなテナーサックスで

あたしの心を揺さぶり

甘いソプラノサックスで

あたしの心ををやさしく撫でる

そして

不必要にかけた眼鏡の奥で笑う瞳は 

いつもあたしの心をしめつける
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