かみさまのこども「涙雨・いち」 

July 02 [Sun], 2006, 21:00
雨が私を濡らす。冷たい、なんて感覚は残ってない。お腹に深々と刺さったナイフ。血まみれの体。路地裏のゴミ捨て場にいる私はやっぱりゴミで、この体はもう正常な機能を果たさない。例えば痛みを認識したり、とか。医学の知識なんか何もないけど、もうヤバイってのは判る。このままだと死んじゃう。
そうなるとアツシはどうなる?私を刺したアイツを警察は突き止めてくれる?小心者でズル賢いアイツを捕まえられる?捕まえたとしても裁判で無罪になったら意味ない。有罪だったとしても五年や十年、無期懲役なんて軽すぎる。私が望むのは死刑判決だけ。叶いそう?いや、きっと無理。でもそんなの嫌だ。嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌…絶対に許さない。死にたくない。アイツをこの手で殺してやる。許さない。殺してやる。
でも、そんなこと出来ない。出来やしないんだ。私はこのまま死ぬんだ。悔しい。死にたくない。殺してやりたいのに、私は今此処で死んで、アツシは生きる。畜生。嗚呼、こんな状態でも泣けるんだ。
「Hi、復讐したい?」
涙で滲んだ視界に、白い羽根が見えた気がした。

かみさまのこども 

July 01 [Sat], 2006, 21:00
神様は言いました。
「あの男を殺しておいで」
彼はたくさんの悪事を働いたから命を奪ってしまえ、と言うのです。
『自分は何もしないくせに偉そうに』
神様はいつも何もしません。ただ人間の運命を決め、天使が手を下すのです。
ある日天使は考えました。神様なんて何も出来ないのではないか、と。力があるのは自分達で神様は無能ではないか、と。
ある日天使は、神様から逃げました。
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