レスラレスラー』

December 02 [Mon], 2013, 20:06
背中で語る人生ほど過酷なものはない. けれど背中で語る人生ほど美しいものもない. これこそまさに魂を大いに揺さぶってくれる、哀愁の漂う男のドラマ. そして永遠に語り継がれるべき映画史に残る作品だと思いました. ミッキー・ロークという俳優をよく知らない若い方には理解し難い感情かも知れませんが、ショーン・ペンを始め彼の復帰を心から喜んだ映画ファンには深いものを感じる映画でしたよ. 男前俳優だったのに、整形・肥満・猫パンチで完全に人気を低迷させてしまったミッキー・ローク. その人生はまさにこの映画の主人公ランディ・ロビンソンと同じ、今となっては後悔だらけの人生. でもそんな人生を過ごしてきた彼だからこそ醸し出せる、かつて本当に栄光をつかんだことのある男の哀愁が、とにかく凄くいいんですよね. OPでのパイプイスに座って疲れきっている背中や試合後にホッチキスの芯を抜いてもらう背中など、どれもが何とも言えない魅力を放っているんです. しかも単にミッキー・ロークとランディの人生がダブるからだけでこの映画が素晴らしく感じるのではなく、『π』で名を馳せたダーレン・アロノフスキー監督がそれをも計算に入れてドキュメンタリー風に撮りながらも、事あるごとに彼の背中を追うシーンを多用しているところがいい! 映画の一般的な演出から考えるとまず表情を描くべきなんでしょうが、ミッキー・ロークとランディの後悔だらけの人生を振り返りながら彼の背中を見ると、今この瞬間に彼はどんな表情をしているのだろうか? カメラが背中から廻って彼の表情を映し出しても彼はその前からこんな表情をしていたのだろうか? と思えてくるんですよね. 子供にもプロレス仲間にも優しいけど現実社会では巧く生きて行けない彼は、ある意味背中でしか大切な人たちを守れない、人生に不器用な男. 娘ステファニーとダンスをした時のように向かい合って大切な人を守ることができれば、もっとマシな人生が送れていたはず. でもそれすらできない彼は大切な人に背中を向け、ただひたすらリングに向かっていくしかない. ラストで必殺技ラム・ジャムを決める直前にパムを目で探したのも、きっと精神的にも世話になった彼女にお礼を言いたかっただけなのかも知れません. でもそれすらできなくてもいい. これが俺の生き様だ! と言わんばかりにライトとファンからの声援を背中いっぱいに浴びて宙を舞う彼を見た瞬間、私の目から自然と熱い男の涙が流れましたよ. まさに一人の「レスラー」を、そして一人の「男の生き様」を描いた傑作です. もちろんマリサ・トメイの素晴らしい脱ぎっぷりも最高でしたよ. そして考えてみるとある意味彼女もミッキー・ロークと同じく、かつて栄光をつかむもその後あまり目立つことのなかった女優の一人. そんな彼女の背中を追うくだりも哀愁があって凄くよかったです. 段取りや隠しカミソリなどプロレス興行の舞台裏も知ることができた、久しぶりに魂を感じる素晴らしい映画でしたよ. ティンバーランド カジュアル シューズ 通販 靴メンズ グレー 深夜らじお@の映画館 は魂を感じる映画に弱いです.