君のためにできること 

March 02 [Sun], 2008, 0:24
 貴方のためにできること。

 何があるかな・・・?


 その答えを見つけるまで、一年かかった。





 もう、貴方自身には、何もしてあげられないけれど。
 それでも、貴方のためにできること。


 何があるかな?
 何をしたらいい?


 それは、本当に簡単で、でも難しくって・・・


 単純だけど、深いもの。


 

 ね、私。貴方の分まで生きるよ・・・?

俺は君で、君は俺 

March 02 [Sun], 2008, 0:22
 真っ暗な世界だった。

 それだけ、唯一にして、本気で悲惨な。
 あの『家』の思い出だろうか・・・


 それでも、悪いばかりではなかった。
 そう、思えるのは・・・



 多分、闇に閉ざされた家で、時折見かける家族の「銀」
 その中でも、一際美しいと思えた。自分と同じ「銀」

 それを持つ、あの、少女の思い出だろうか・・・−−

共罪者 

March 02 [Sun], 2008, 0:18
 手負いの銀猫を拾ってから一週間がすぎた。
 あの猫の回復力には目を見張るものがある。

 一応、自分も医術士としての勉強をしてきた身だ(あえて話すことはないと思っていたが、バルドには少し睨まれた)
 多分、俺たちが拾う前に応急処置は受けていたのだろう。見た目ほど酷い損傷はなく、体力さえ回復してしまえば、日常生活に支障は無くなってきている。

 たぶん、体力も人並み以上にあることが、彼女の回復力の要になっているのだろうか・・・


 だがしかし。
 あんな馬鹿なことを考えるくらいなら、もう少しベッドで休養しとけと。思わずにはいられない。

失ったもの。もう一つ 

March 02 [Sun], 2008, 0:15
 ●(←拇印)

銀の猫 

March 02 [Sun], 2008, 0:03
 本日。バルドが猫を拾ってきた。
 手負いの銀猫で、容姿は可愛い。すぐに美人になるだろう。

 せっかく銀色の毛を持っているのに、黒色の装いと、手傷の赤が何やら不思議だ。
 勿体ないと思った。

 だが、ついでに・・・
 手傷を負って、衰弱しているのが目に見えるのに。
 その猫は瞳だけを力強くこちらへと突きつけていたな。

 面白い。と思う。


 バルドの職業病か。怪我が治るまでは家で面倒をみるそうだ。
 あいつの医術士の腕とプライドは称讃する。



 とにかく、また奇妙な家族が増えたことに代わりはないか。
 アップルパイが気に入ったようなので、また与えようかと思った。

 

March 02 [Sun], 2008, 0:01
 雨が降っていた。

 始まりは降っていなかった、でも、今は雨が降っている。



 打ち付ける雨は、優しいものではなく。
 ふと、近い過去を思い起こさせる。

 「しとしとと降る雨が好きだ」

 と言っていた、彼の言葉。



 それを、全て否定するかのように、雨は降り続ける。

 打ち付ける雨。強い、風と共に。少女の身体をばちばちと。


 見上げれば空は真っ黒で。


 光のないその世界に、少女と共にあるのは強く激しい雨と、雨音と、身体にまとわりつく不快感だった・・・

不自然極まりない、男二人暮らし 

March 01 [Sat], 2008, 23:59
 傭兵団にいたことがある。
 だから、男の比率が格段に高い生活は慣れていた。
 と、言っても、実際そこにいたのは一年もあったかないかくらいだが・・・

 と、そんなことはどうでもよく、今ここに書き表すことは『不自然』だろう。
 気まぐれで引っかけて、気まぐれで拾ったとも言える。
 とりあえず、自称17の男との二人暮らしは、変に違和感もなく続いていると言うこと。


 まぁ、一人暮らしだった時より少しにぎやかになり。
 紫煙が舞う量が増えただけで、別に代わりはないのだと言うことだろう。

 本日も、特に変わったことは無し。

嫌な思い出は、大方ベッドの上だな。とか、それはもっと後に聞いた言葉。 

March 01 [Sat], 2008, 23:57
 美人がいた。

 と、いっても、相手は男で。自分より年上で。
 体格は同じくらいだけれど、身長はあっちのが大きい。

 だが・・・先日。酒場で野郎に絡まれて煩わしそうにしていた男は、何を考えていたのだろうか。
 とても神妙な顔つきで、それが変に目にとまった。


 ・・・野郎を支持する気はないが。あいつらの目は確かだったのかもな?


 この領地で、俺のような男が目立つのは少し危ないか?
 とか、思っていたが・・・


 ついつい声をかけてしまった。



 理由の半分は、珍しく自分から声をかけてみたいと思ったこと。
 もう半分は、その日の寝床に、その男を利用してみようかと思ったからだ。



 まぁ、結果は、美人のくせして侮れないやつだったがな。
 それはそれで、面白いと思ったので。


 今なお、この家に居候させてもらっている現状。

出会い頭の言葉 

March 01 [Sat], 2008, 23:55
 どうでもいい気まぐれで。
 俺は、滅茶苦茶損してるんじゃねぇか?

 とか、思ったら負けだとか、よく分からないことを考えた日。


 今日は、自分でも珍しい気まぐれで、何だか人の多い場所で酒が飲みたくなった。


 きっと、日が悪かったに違いない。
 あいつと再会なんかしちまったからだ。
 いらない記憶を、ご丁寧にも引っ張り出してきやがった。

 あいつが・・・嫌いなわけでも、憎んでいるわけでも。
 最も、忘れたとかいう話は論外だ。
 そう言う話じゃない。そう言う話じゃなくてただ・・・


 「寂しい」とかいう、いらん感情を思い出させてくれやがっただけだ。


 だからこそ、今日という日がある。
 全く、気まぐれで行動するとろくな事ねぇな。



 近道だと思って、いつもは行かない裏道を通ったところから間違いだった。
 助けを求められたわけでもないのに(あいつだって成長していた。あんな輩に屈することなど無かっただろうに)絡まれていた一人のガキを、バカ野郎共から救うハメ。

 で、最終的に酒場で飲んでりゃ、変な男を引っかけちまう有様だ。


 ・・・今日は厄日かなんかだったのか?

青い空 

March 01 [Sat], 2008, 23:52
 それは、まだジール・ソマリアという男が14歳。14年間の道しか歩んでいなかった頃の話。




 「さて。と。
 治りましたよ。もう、腕は痛くないでしょう?」

 にっこりと。
 そう。にっこりとジールは華やかに笑った。
 14歳と言う。まだ少年の域を出ていない。子供特有の笑顔で。

 「すまんのぅ。ついうっかり転んでしまってからに。お前さんには迷惑をかけたよ」


 一人の老人の言葉に、彼は「いえ・・・」と続け。


 「当然の事ですよ」




 と。当たり前のごとく言い放った。
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