5 

December 21 [Thu], 2006, 22:57
「ねぇ光?」
そこまで思い出した所で澪がたずねてくる
「ん?」
「今日の話し合いってさ何時間も掛ける必要あったのかな?」
そう聞かれて俺はちょっと暗い気分になる
会議自体はほんの30分で終わったのだ
けど、あーだこーだと無駄話をしていて
2〜3時間が無駄にすぎていったのだ
それを二人はこそ〜っと抜け出してきたので
まだ続いているだろう
「そうだよな・・・・無駄に過ごしたよな」
「そう・・・・」
そんなことを考えていたら家に着く
自慢じゃないけど俺の家は広い、そして両親ともが
単身赴任で年末年始やお盆くらいにしか顔を見せないことのせいで
さらに家が広く感じられる
まぁ、そんな状況でもなけりゃ幽霊とはいえ
女の子と二人で暮らすなんて考えられないよ。うん
それに人前じゃ言えないけど結構寂しかったから
やってきてくれてよかったし

さて家に入り、荷物を自分の部屋に置き
ばさっと布団に寝転がる
「はぁー・・・暇だな」
澪がダダダッと走ってくる
「ね、光!!暇だったら久しぶりにゲームしようよ!バーチャファイター!!!」
『バーチャファイター』最近澪がハマっている格闘ゲームだ
俺が試しにやらせてみた。というのが原因だな
性格そのままのゲームが好きだなんて、ベタ・・・・
でもまぁ、今は暇だし
「よっし。やるか!!」
「おお〜〜〜!!!」

早く夕食の準備に取り掛かる
親が家にほとんどいないのでいつも自分で作ることになる
そのせいで今はもう母親よりも料理は上手だ
それどころか、他の家事も全部一人でやらざるを得ないので
悲しいけどかなり上手になってしまった
明日、8月2日朝早く集合してキャンプに出発するというので
急いで準備をしなくてはいけない
「はぁ〜・・・こうしていつも一人で作ってると時々虚しくなるな」
「ん〜、それは〜たまには美人の奥さんに作ってもらいたいってこと?」
「なんでだよ、しかも奥さんってなんだよ」
「あぁん、もうそんなに照れなくたっていいのに〜♪」
そう言いながら擦り寄ってくるので、するるーっと逃げる
澪は一緒にいると楽しいのだが・・・時々こういう
悪ノリ的な冗談を『人目をはばからず』やってくる時がある
それは(嫌じゃないけど)かなり困るのだ。
周りから勝手な想像をされたり、誤解されたりなど―――
首を振って嫌な思い出をかき消す
「澪、そろそろ冗談は止めてくれよ」
「はいは〜い」
そう言ってちゃんと立つ
「あ、そうだ、澪〜」
「ん?」
俺が人参を跡形も無く切り刻みながら言うと
駆け出すその姿勢のままこちらに振り返る
「冷蔵庫に明日の分の食材があるか確かめてくれ」
「うい」
そう返事して冷蔵庫へと歩いていき中を探る

「あったよ」
数十秒の間を開けて澪が答える
「よし!それじゃ、さっさと食べて寝るか」
自分の料理も、もうずいぶん上達したな。とか思いつつカレー(俺特製)を
ぱくり、ぱくりと食べて皿を空にし、風呂に入る。
服やら何やらを脱いで中に入り体を洗ってからちゃぷんと湯船につかる
夏ならシャワーで済ますのが普通なのだろうが
涼城家ではいつでも湯船につかる風習がある
「は〜ごくらくごくらく。今日は暑かったからな〜」
オヤジ臭い気もするが何故か口からこぼれてしまう
「明日は大変だな」
その言葉を最後に湯船からあがりTシャツと半ズボンをはく
そして歯磨きや顔洗いなども済ます
「(さ、準備をしよう)」
心の中で合図をしてから冷蔵庫に向かう
「澪があるって言ってたから慌てて買いにいく必要は無いな」
ビニール袋を取り出し冷蔵庫の中から二人分の肉や野菜を詰め込み
また冷蔵庫に戻しメモを書く
『食材:冷蔵庫』
これで忘れないな
次は自分の部屋に上がって必要なもの洗面用具、水着、山に行くセットを
リュックに入れる
明日の着替えも用意してハンガーでベッドの脇に引っ掛ける

もう寝ようかと自分の部屋に上がる
そしたら澪が服装をパジャマに変化させていて
「光〜いっしょに寝よ――」
それをひょいっとかわし布団に入って電気を消した
明日は大変だな・・・・・・頑張ろう







4 

December 21 [Thu], 2006, 22:45



学校から出るとさっきは昼近くだったのにもう夕方になっていた
「ずいぶん話し込んじゃったな」
「まぁ仕方ないよ」
俺の呟きに、澪が答える

俺は涼城 光。
本当の名前は「蘿蔔 光」なんだが正確に読んでもらえることが
ほとんど無いから自分で名乗りを変えた
写真部の副部長だ、これでも
あと顔はカッコいいと言えるほどでも無いがそれなりには
まともなはず・・・だ、たぶん。

神坂 澪。
俺と今一緒に暮らしている幽霊の少女だ
生前の姿なのか一昔前の制服を着ている
けれど本人の気分で自由に来ている服を変えられるみたいだ
髪は左右に括り、残りを後ろに垂らすという髪形をしている
そして澪は自分が『触りたい』や『見られたい』と
強く思うと幽霊にも関わらず他人から触れたり見えたりするらしい
永徳中に通う時も写真部で活動しているときもそうし続けている
けど、澪いわく
「『光は何故かみんなと違って私が何もしなくても触れるの』」
と、言うことだ
よく分からないが見えないよりは、ましだと思う
それで片付けるしかなかい


学校からの帰り道を澪と並んで帰りながら話す
「さて出発は明日・・・・楽しくなりそうだな」
「そうだね、光」
俺はもう一度作戦会議の内容を思い出してみた



「作戦会議を始めます!!」
俺がしきって会議がスタートする
「まずは場所をどうする!」
「山と海がまじったようなとこ」
澪が難しいこという。
「確かにそうだけど、そうそうないだろ?」
「そうだよね〜。やっぱり海山両方は諦る〜?」
尋奈がいつものふわ〜とした声で応えると
「だったら海!!」
「山です!!!」
また澪と清久が争いを始める
「まて!止めろ!!振り出しに戻るな!!!」
暴れ始めそうになる二人を俺は全力で止める
「けど、そんなめずらしいとこ・・・やっぱ無いんじゃねぇ?」
健人もそう言って頭の後ろで手を組み畳の上に倒れる
「・・・・・・・いや、ある!」
と、アゴに手を当ててずっと考え込んでいた部長が言う
「駅7〜8つ分いった所に石動町っていう所がある!!!
山があって、キャンプ地があって、それで海水浴場が最近出来た!!!
 しかも明日の夜に花火大会がある!!」
「おぉ〜(みんな)」
「そんなとこ〜あったんだ〜」
「よっ・・・そんだけいい条件だったらそこに決まりじゃね?」
尋奈が感心し、健人が起き上がりつつ言う
「じゃあ場所はその石動町で決定だな」
俺はしおりに『場所:石動町』と書き込んで部長にたずねる
「料金は?」
「ん〜・・・4〜500円くらいじゃないかな」
駅7〜8つといえばそんなものだろう
「清久、持ってくるものの説明を」
「はい」
そういって俺のところにあったしおりを渡す
「それでは、持ち物。まず電車代で4〜500円、花火大会+祭りが
 あるならそこで遊ぶための金額、海があるので水着
山にも行くのでそれ相応の道具や飲み物、各自必要なもの、持っていきたいもの」
かりかりとしおりに書き込み
「そしてこれが一番重要ですが、昼にバーベキューをするので
自分が食べる分の食材を持ってくること!
忘れたら食べるものありませんよ」
半日空腹は嫌だからな、忘れないようにしよう


3 

December 21 [Thu], 2006, 22:43
         数分前
本棚の中の世界

永徳中では部室は8畳くらいの広さのが申請した部活に与えられているが
我らが写真部はごく例外的に他の部室とは違う
普通に与えられている部室とはまた別に部屋がある
偶然くっついていただけだが悪知恵働かせて
それも使わせてもらった。みんなの力を合わせて汚い箱のような部屋を
掃除など色々したりで6畳間の和室に変えた
それだけではなく強引にエアコンもつけ、型も古いがテレビも置いてある
冬にはコタツまで運ばれてくるすばらしいもの。
さて、その部屋の中で割と成績の良い組は雑談しながら
今後の部活の方向について・・・もとい
どういった理由をたてて遊びにいくかを会議中である
・・・・・・が


「やっぱり夏と言えば海!」
「いいえ!山です!!!」
だぁん!!と、ちゃぶ台をたたく 神坂 澪に対し
こちらも負け時と蒼野 清久もぱちぃん!!と同じように叩く
「海よ!海ったら海!!」
「山です!!山と言ったら山です!!!」
「「うううううううううう〜〜〜」」
そうやって威嚇しあってる二人をみつつ
「ところで、部長は?」
「え?私は・・・どっちでも・・・・いいけど?」
横にいる写真部の部長―――森川 緑にたずねてみると逆に困るような
意見が帰ってくる
「それじゃあ光は?」
「俺もどっちでもいいんだけど、どうせならキャンプが良い」
「あ〜キャンプかぁいいかもね」
「値段的に大丈夫そうか?」
「足りなかったら前みたいに校長脅すから」
「ういっす。・・・・っておい・・・脅す?」
「あ、騙すだったわ」
「・・・・・・・・・・・」
どっちにしろいいものじゃない
この部長真面目な顔してたまにdでもないことしてくれるからな
「ま、とにかく考えるのは、経費、移動方法、その他細かいキャンプについてのこと」
「そうね」
二人がキャンプにしようと決めたとき
「やあああああああ!!!!!」
「えぇぇぇぇいいい!!!!!」
すさまじい掛け声に顔を向けると
澪が清久に拳打を打ち出し
清久もしょってたリュックからだしたマジックハンドで応戦している
「はぁ」
ためいきをついて俺は立ち上がる
「お〜い、そのへんにしとけよ」
危うく怪我人が出るところだった喧嘩は収まるが
お互い全く納得していない顔である
「「がるるるるるるるるるる〜〜」」
また威嚇が始まるので
「両方にすればいいだろ」
そう言うと、ぱたりと声がやむ
「俺らが今考えた策としては、キャンプだ」
「「キャンプ?」」
「そ。海が見える山、もしくは山に行ける海でキャンプをするんだ」
「おお!それいいかも!!」
「両方ですか・・・思いつきませんでしたよ」
あれだけ争っていた二人はすっと元に戻り停戦条約を交わす
「よし、それじゃ意見がようやく一致したところで細かいことを決める」
「お〜」
そしてちゃぶ台の上に広げたしおりに目をおとす
『ドキドキ冒険キャンプ しおり』と題名がかかれている
が、無論言い争っていたためにその下は漂白剤を使った服のように
真っ白である・・・・
「・・・・・よし、それじゃ―――――」
―――みんなの意見を出してくれと言おうとした時
ガララララ〜と本棚(隠し扉)が開く

「「すみません、やはり私どもでは無理でありました。どうかその知恵を
 どうか我等にお貸しください」」
尋奈と健人が転がり込んできて頭を下げる
「あぁ〜涼しい〜〜」
そう言いつつ首元をひっぱりぱたぱたと手団扇で仰ぎながら
梢子が入り込んでくる
「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」
頭を下げた二人が無言の殺気を放つ
「う・・・分かったよ。」
その殺気にきづいたか梢子も一緒に頭を下げた
「私たちに勉強を教えてください」
「偉そうなこと言って、すまねぇ・・・」
「zzzzz〜・・・あ!いや、はい。ごめんなさい」

さかのぼることさらに数時間前、
彼らは宿題が出来ていないことを笑われ
教えてやろうか〜手伝ってやろうか〜と
挑発され三人・・・というか主に健人が
「お前らなんかに頼まなくたって!!」と
喧嘩に乗り、暑い外側の部室に締め出された。
そしてアイスクリームのようになって帰ってきた

そんな三人を清久は一瞥し
「あぁそれはもういいですから、早くあがってください」
清久が頭を下げる三人を引き上げクーラーの効いた天国のような
隠れ部室に連れ込む
「会議をはじめるよ」
部長のその声にみんながちゃぶ台に集まった
「それじゃ、光」
清久に促され、うなずく
「それじゃ『ドキドキ冒険キャンプ』の作戦会議を始めます!!!」

2 

December 21 [Thu], 2006, 22:39
   
  プロローグ

のぼりきった太陽、強く射してくる日ざし、聞こえてくるセミの声
夏休み。誰もが聞いただけで歓喜する言葉であり季節である
今は8月1日夏休みのちょうど真ん中くらいの時期だ
そしてそのさなか、永徳中学校部活動校舎の三階
つまり我等が写真部の部室では。
「うぅ〜・・・Xが・・・Yがぁ・・・・・」
茶色まじりの外向きにはねた髪型の少女―――天ヶ崎 尋奈が
数学記号を呪文のように唱えながら机に突っ伏す
「でぃ・・・でぃすいずじゃぱん―――くそーーー!!」
英単語を言おうとするが不可能に終りノートを投げ出す
髪を逆立て、制服のボタンを全て開けた格好をしている少年
荒山 健人がノートを投げ出す
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ペンを指の間でくるくるまわしながらうつむく原島 梢子。
彼女もファッションは変わっており制服に不恰好なほど厚いベルトを
巻いている
部室はドアを入ってすぐ横にロッカーが8つ並べてある
真中には彼らが悶絶している机があり、周囲の壁には
写真部を名乗るなりの物が張られている
その奥に、関係資料や漫画をいれた本棚が設置されている

さて今、成績が悪いもの組は表の部室で暑いなか
絶大かつ強大な敵、夏休みの宿題と激闘していた
もっとも成果は全く出ておらず、ほとんど字は書き込まれていない
数分が経過した
「ほ〜て〜しき?かんすう?」
「何が英語だよ・・・・ちくしょう」
「ZZZZZZZZ〜」
魂の抜けていく尋奈、すねる健人、そして深い眠りにつく梢子
「ねぇ降参して教えてもらおうよ〜、クーラー浴びさてもらおうよ〜」
わずかに魂を取り戻して尋奈が声を絞り出す
「くっ・・・そうだな。頭も痛いしもう諦めるか――――」
尋奈の促しを聞きふてくされていた健人は立ち上がり
部室の端に置いてある本棚に向かってふらふらと歩いていき
手を掛けると最後の力を振り絞って横に開くと
ガララララ〜と本棚が開き
エアコン産の涼しい風が流れ込んでくる
尋奈と健人は至福の表情で風を迎え入れるがぼーっとも
していられないので慌てて中に居た人に頭を下げる
「「すみません、やはり私どもでは無理でありました。どうかその知恵を
 どうか我等にお貸しください」」

小説 

December 21 [Thu], 2006, 22:34
ゴースト・ウィズ・ライフ
  夏休み特別版  冒険キャンプ 

登場人物紹介

涼城 光 Kou・Suzusiro

この物語の主人公。永徳中学校2年生14歳
写真部の副部長を務めている。
ある出来事から幽霊とともに暮らすことになった少年。


神坂 澪

光と一緒に暮らしている幽霊の少女。
彼女は幽霊であるが『見られたい』、『触りたい』など強く
思うと周りの人から見えたり触れたりできるようになる
しかし光だけは何故か彼女が何も考えなくても見えて触れる
光以外には幽霊であることは知られていない
成り行きで写真部員

P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ghostwithlife
読者になる
2006年12月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新記事
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる