あなたと私の距離 

August 17 [Thu], 2006, 13:50
あれから、健一の表情が変わった。
私にも他の女の子にも笑いながら楽しそうに話してくれる。
あれは、緊張していて何も話せなかった頃の健一で、
本当はこんなにもやさしくて面白い人だったみたい。

奈央!!奈央。って、席が隣だったためか、
健一は私にいつも話しかけてきてくれる。
私も面白くて優しい健一に次第に惹かれていった。

しばらくして、また席替えの日がやってきた。
嫌だなぁ。もう健一と離れちゃうのか・・・。
私の心は静かにそう呟いていた。
あれ。なんでこんな事思うんだろ?健一なんてどうでもいいのにな。
一方で強がってるわたしも居た。
運命のくじ引きはあっという間に終わって、
皆一斉にくじを見た。私だけ怖くて見れないでいる。
「あっ!おれ、7番〜♪ラッキーセブンだぁ。」
隣で健一は浮かれはしゃいでいる。
ねぇ。健一。そのくじで隣になった女子にも私に接したみたいに
優しく笑顔で接するの?その笑顔。他の子に見せちゃうの?
そんなの嫌だ!!
私は思い切ってくじを開いてみた。
「う・・・そ・・・。」
私の番号は健一のすぐ隣。6番だった。
私は同様を隠し切れずに、強がり、健一に言った。
「うわぁ。うそ。また健一と一緒だよぉ。」
いかにも嫌そうに憂鬱そうに言った。
でも、それは本心じゃない。
「わっ!ほんとだ!また奈央と隣だぁ〜。」
健一は少し笑みを浮かべてそう言った。
その顔を見て私は嬉しくなった。
健一。私と隣で嬉しいのかな。
心の中で少し期待してしまう。

あなたと私の距離 ~2~ 

August 16 [Wed], 2006, 16:00
あの席替えから何日が経っただろうか・・・。
私は今日も必死に堪えつつある。
そんな学校に来るのも嫌になってきたある日。
「ねぇ。消しゴムかして。」
ここんとこずっと私に何も話しかけてこなかった健一が口を開いた。
話しかけてきたと思ったらそれかよ。だれがあんたみたいな冷酷人間に。
そう思ったが、そんなこと言ってられない。
お人よしで通していかないと、またあのような嫌味を言われるかもしれない。
「・・・・・ん。」
無愛想に私は消しゴムを投げてよこした。
消しゴムは健一の机でバウンドし床のコロコロと転がった。
ふんっ。ざまみやがれ。
私は心の中で微笑した。
怒るかなと思っていたが、健一は静に消しゴムを拾い上げた。
一体、どこまで無関心なの。

「あれ・・・。ない。」
私はシャーペンを無くしてしまい、移動教室で誰もいなくなった教室に、
一人、シャーペンをさがしていた。
すると、ガラガラとドアの開く音が。
「ねぇ。何やってんのさ。移動教室なんだけど。」
「シャーペンが無いのっ!!」
こいつ・・・。人事だと思って・・・。
イライラがこみ上げてきて逆切れ寸前だった。
「先。教室いきな。」
健一は自分の勉強道具を渡して、そう言った。
「え。でも。」
「先生に怒られるよ。」
健一は教室を這い回りながらシャーペンを探してくれた。
私は、ありがとう。と一言言って、教室を後にした。

「奈央!!あった!!!」
大きな声で健一がわたしを呼んだ。
なおって呼んでくれたの・・・。はじめてだな。
「うそっ!?」
ニッコリ笑って健一は私にシャーペンを渡した。
「ありがと・・・。健一。」
「いいよ。別に。」
もしかしたら、健一は私が思ってるような人じゃないかもしれない。
ずっとずっと優しい人なのかもしれない。

あなたと私の距離 ~1~ 

August 16 [Wed], 2006, 15:39
君に会ったのは、まだ肌寒い春のことだったね。
君は新しい転校生として私のクラスに入ってきた。
転校生なんて聞くとね、クラス中、一斉に盛り上がった。
転校生が女の子だったら、「仲良くなれるかな?」って。
男の子だったら、「かっこいい子かな?」っていつもそう思う私。
その日は二人の男の子が転入してきた。

二人の第一印象は「なぁんだ。かっこよくもないじゃん。」
一人は気障で仕切りやな性格。転校してきたばかりなのに、仕切ってるし。
もう一人は無口でどうでもいいような顔してる奴。あっち向いてなんも言ってくれないし。
対照的な二人だった。

しばらくして、二人はこの学校に馴染んだみたい。
仕切りやの光は誰とでも仲良く出来て、わたしにも普通に話しかけてくる。
無口な健一は男子ばかりと話してるし。
私にとってはどうでもいい奴だった。
そして、健一の印象を酷くさせたのは、あの日のあの一言。
健一が珍しく私の机の前まで来て、しゃがみ込み、頬杖をついて、私の顔を見つめる。
たいして仲の良くなかった私はそのまま無視し続けた。
「ねぇ。」
「何・・・。」
次の健一の一言に私は撃沈した。

「鼻毛見えてるよ。」

しばらく、私は声も出せなかった。
「はぁ・・・?何言ってんの。あんた。」
女の子にそんなこと言うなんてどんな冷酷人間・・・。
こいつ。最悪。
一気に健一の印象が下がった。
私は、勢いよく椅子から立ち、健一をすごい剣幕で睨んだ。

数日後。
席替えで私の隣は健一になった。
頭の中が真っ白だった。
最悪・・・。泣きたい・・・。
これからの事を考えると、涙がこみ上げてきそうだった。


新設しました。 

August 16 [Wed], 2006, 15:35
新設させてもらいました。
ガラスの靴というブログです。
ここには私の恋愛のポエム、小説や。
その日、その時に思いついたほのぼの小説を書いていきたいと思います。
よろしければ、暇つぶし程度に読んで下さい。
P R
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