直腸がんには術後の「補助化学療法」は必ずしも有効でない?

February 14 [Sat], 2015, 18:27
 がんの再発をできる限り防ぐために、手術の後に抗がん剤を使用する治療を「補助化学療法(アジュバント療法)」という。補助化学療法が推奨されるのは、再発の可能性が高い、進行ステージ2やステージ3の人となる。

 しかし、直腸がんにおいては、この治療法が必ずしも期待通りの効果を上げていないと分かった。
論文で過去の治療成績を調べて解析
 オランダを中心とした欧州の研究グループが、がん医学の有力誌ランセットオンコロジー誌2015年2月号で報告したものだ。

 直腸がんは、通常手術をしやすくするために、術前に放射線治療または化学放射線治療を行い、がんを少し小さくする。そして手術で切除するわけだが、さらに術後の補助化学療法が有効であるかについては、これまでよく分かっていなかった。

 研究グループは今回、研究論文データベースから、これまでに報告されてきた直腸がんと補助化学療法に関する論文を選び、そのデータを統合的に解析して、補助化学療法の有効性を検証した。
進行ステージの1200人のデータ
 今回対象とした論文は、欧州の人のデータで、転移していない直腸がんに限定した。また、補助化学療法が生存期間に与える影響に焦点を当てた。

 その結果、4つの研究が選ばれた。これらの論文には、進行ステージ2またはステージ3と診断された直腸がんの約1200人のデータが含まれており、これを用いて解析を行った。

 対象者には、がんを除くために直腸を摘出した人、肛門から直腸を含みS字結腸までを摘出した人、肛門から15cm以内にがんがあった人などが含まれていた。
直腸がん全体では効果なし
 補助化学療法には主に「フルオロウラシル」という薬が用いられていた。

 補助化学療法を行った場合と、補助化学療法を行わず経過観察のみであった場合を比較した結果、両者において術後の生存率や、転移の割合には、ほとんど差が見られなかった。

 しかしがんの場所によっては効果あり

 一方で、肛門から10cm〜15cm以内の場所にがんがあった場合に限り、補助化学療法は有効であった。術後再発せずに生きていられる期間が長くなり、また離れた場所への転移の割合が減ったのだ。

 貴重なデータがまた1つ増えた。

(medエッジ)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ganyaplog
読者になる
2015年02月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
最新コメント
ヤプミー!一覧
読者になる
P R
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
http://yaplog.jp/ganyaplog/index1_0.rdf