<食茶>消費拡大の救世主? 健康ブームも追い風(毎日新聞)

June 15 [Tue], 2010, 10:37
 茶葉をそのまま食べたり、食材に利用する「食茶」が健康ブームの追い風も受けて、定着しつつある。和束町の農業ベンチャー企業「おぶぶ茶苑」は今年から食用の茶葉の全国通販を始めたほか、同町と連携するリーガロイヤルホテル京都(京都市下京区)で提供する茶を使った料理も順調に売り上げを伸ばす。茶全体の消費量が伸び悩む中、「食茶」は消費拡大につながる救世主になるのだろうか。【山田尚弘】

 04年創業の「おぶぶ茶苑」は顧客からの要望に応えて、一番茶の生茶葉(1パック25グラム入り、500円)を摘み取った日のうちに発送する企画を始めた。5月1日発送で第1弾を受け付けたところ好評で、同28日発送で第2弾を追加受け付け。関西圏をはじめ九州や東北から、女性を中心に約50件の注文があった。

 松本靖治副代表(36)は「予想を上回る反応だった」と言う。同社が顧客にレシピを募集したところ、オーソドックスな天ぷらのほか、魚のマリネにハーブとして使った例があった。

 また、リーガロイヤルホテル京都の懐石フランス料理店「グルマン橘(たちばな)」は、煎茶、粉茶、抹茶など6種類の茶葉を使った「和束茶ディナー」と名づけたコースを5、6月の期間限定で提供している。08年は2カ月で90食だったが、09年は同130食、今年は5月だけで120食以上の注文があった。特に中高年の女性に人気といい、同ホテルでは「食茶の普及が影響しているのではないか」と話している。

 ディナーでは、焼いた牛フィレ肉に生茶葉をハーブ代わりに使うほか、番茶の煮汁をコンソメスープと合わせてだしをとる。今野正悟調理長(42)は「生茶葉を魚料理に使うと、魚の塩味が消えるなど難点もあって、扱うのは難しいが、健康にいい成分も多く、良い食材だと思う」と話す。

 「食茶」に関心が向いている要因は何か。学生と茶葉入りのパンを研究する細見和子・神戸女子短大准教授は「茶のカテキン効果など、成分が徐々に世間に浸透し、茶葉への関心が高まっているから」と指摘する。府茶業研究所(宇治市)によると、飲用の場合、茶葉の栄養のうち、半分以上は葉に残る。食茶で体内でビタミンAになるベータカロチンや、骨や歯を丈夫にするビタミンKを得ることができるという。ビタミンKは全食品の中で、緑茶の茶葉に最も含有量が多い。

 97年に「食茶」に関する書籍を出版したNPO法人「日本食茶の会」(静岡県清水町)の石川味知子理事長は「消費者も生産者も茶葉は飲料に使うものとの固定観念から抜け出せていなかったのだろうが、茶葉がいろんな料理に使えると一般の人にも知られるようになってきた。食茶がもっとブームになれば茶の消費拡大につながり、業界を守る手段になる」と話している。

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【50億キロの旅路 「はやぶさ」帰還へ】(下)挑戦の数々ほとんど達成(産経新聞)

June 08 [Tue], 2010, 0:10
 ◆重力の50倍

 小惑星探査機「はやぶさ」は、今年3月にイオンエンジンの連続運転を終え、現在は慣性飛行で地球に向かっている。体操競技の鉄棒に例えると、バーから手を離し、空中で姿勢を微調整して着地に備えている段階だ。

 地球まで約4万キロに近づく6月13日夜、カプセルを分離し大気圏に再突入。はやぶさの本体は大気圏で燃え尽きるが、オーストラリアの砂漠にカプセルを落下させ、無事に回収できれば“着地成功”だ。

 カプセルは直径約40センチで、外見は「ふた付きの中華鍋」。米スペースシャトルの1・5倍に相当する秒速12キロで大気圏に飛び込む。

 このとき、3千度の高温にさらされ、急激な減速によって受ける力は重力の50倍に達する。製造した宇宙機器メーカー「IHIエアロスペース」の担当部長、松田聖路は「要求される性能が高く、何度も試験を繰り返した」と語る。

 高度1万メートル付近でパラシュートを開き、軟着陸させる計画だが、米国ではこの段階で失敗したケースもある。

 開発にかかわった宇宙航空研究開発機構(JAXA)の准教授、山田哲哉は「搭載機器の収納性やパラシュートの開き方なども考慮した。満身創痍(そうい)のはやぶさが狙った場所にカプセルを落とせるか、これからが本番」と話す。

 ◆試料回収

 帰還を目前にしたはやぶさは、すでに数々の成果を挙げている。新技術のイオンエンジンで、地球の重力を利用した加速(スイングバイ)に世界で初めて成功。自律航行の技術を実証し、運転継続時間も大幅に記録を更新した。

 小惑星「イトカワ」への着陸前には、2カ月以上も上空から地形や鉱物組成、元素分布などを観測。その成果をまとめた7本の論文は米科学誌「サイエンス」の特集号に掲載された。

 惑星科学の研究者は、カプセルの中身に大きな期待を寄せる。カプセル回収後に初期分析を担当するJAXA教授の藤村彰夫は「小惑星から試料が直接手に入れば、どんな微量でも、研究レベルは大きく向上する」と話す。

 カプセルは厳重に管理され、相模原市のJAXA宇宙科学研究所へ運ばれる。大きさが0・2ミリを超える物質が入っていれば、直後のX線検査で見つかるという。

 収集容器の開封は内部が真空に保たれた専用設備で実施。藤村は「50年後の科学者に『当時としては頑張った』といわれるようにしたい」と、“イトカワの石”との対面を心待ちにしている。

 ◆次代へ継承

 JAXAは、後継機「はやぶさ2(仮称)」の開発を計画している。別の小惑星から有機物を含む岩石試料を持ち帰り、生命の起源に迫るという。まとめ役のJAXA准教授、吉川真は「はやぶさで、さまざまなトラブルを乗り越えた経験が生きる」と話す。

 岩石試料回収の成否はまだわからないが、はやぶさは遠く離れた天体への往復と試料回収に必要なすべての技術に挑み、そのほとんどを達成した。長年、チームを率いてきたJAXAプロジェクトマネージャ、川口淳一郎は感慨を込めて帰還を待つ。

 「私たちとともに難関を越えてきた。もはや、はやぶさを機械だとは思えない。本当によく頑張った」=敬称略

 (小野晋史)

                   ◇

【用語解説】イトカワ

 平成10年に米国チームが発見した小惑星で、名称は日本の宇宙開発の父、故糸川英夫博士に由来。全長約540メートルでかりんとうに似た形状。表面は主に細かい砂粒で覆われた部分と岩石が露出した部分に分かれる。天体同士の衝突でできた破片が集まり、数千万年前までに生まれたとされる。重力は地球の10万分の1以下。軌道は地球や火星の近くを通過し、公転周期は約1年半。

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「抜け穴」調査中、洞穴崩落し生き埋め(読売新聞)

June 01 [Tue], 2010, 17:57
 29日午後3時頃、富山県小矢部市法楽寺の洞穴で、測量調査をしていた富山市五福、同県埋蔵文化財センター職員宮田進一さん(59)が、崩れてきた土砂で生き埋めになり、約1時間後に助け出されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。

 小矢部署の発表によると、宮田さんは午前中から近くの住民数人と一緒に洞穴に入り、内部を調べていた。午後からは知人男性(65)と2人で内部の測量を行っていたが、外に出ようとしたところで入り口上部の土砂が高さ約3メートル、幅約4メートルにわたって崩れた。知人男性は既に外に出ていて無事だった。

 現場は、小矢部市の中心部から北に約2・5キロの山あいにある。住民によると、洞穴は入り口がふさがった状態だったが、抜け穴があるとの言い伝えを調べるため、近隣住民らが入り口部分の土砂を取り除き、4月から洞穴内部の調査を行っていた。

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