急行 銀河 

March 09 [Sun], 2008, 3:14
夜行急行、銀河。いよいよラストランを迎える日が近づいてきましたね。

東海道の夜を59年間駆け続けた名優の引退です。


何気にこの列車に僕が親しみを覚えたのは廃止の半年前のことです。それまでは学校の帰りが遅くなると度々東京ゆきが旅立っていくのを見かけるくらいでした。

去年の10月20日の夜のこと。

大阪で夜まで用事があり翌日は横浜で予定があったため、いい機会に夜行列車の旅を選びました。手にしたのはサンライズ出雲・瀬戸のB寝台シングル個室のチケット。


かつてから憧れだった豪華寝台列車、そして始めての夜行列車でした。

しかし大阪駅に到着した22時すぎ、思いがけない情報を耳にする。

「岡山地区で伯備線が車両故障で不通」


当然サンライズエクスプレスも運転見合わせ、復旧後も何時間遅れるかわからないという状況。大阪駅の駅員に相談したところ銀河が無難と説明され列車変更となった。これが僕と銀河の出会いとなる。初めての夜行列車は豪華寝台列車から昔ながらのブルートレインになった。


大阪駅22時22分発、この時刻に間に合っていたのもある意味運命かもしれない。この日は廃止が発表されるはるか前のこと、それも土曜の夜とあっては閑散時モードの6両客車でも空席だらけ。これが末期のこの列車の現状だったのかもしれない。廃止を惜しむ人々で8両の車内が埋まる今となっては、こんな静かな銀河は乗ることは出来ないだろう。


この空いていた状況が幸いして小さな出会いを得ることになる。

B寝台下段に落ち着く。車内はスーツ姿のビジネスマンがちらほらと見える。この列車は主にビジネスマンに愛用されたという事実は閑散期でもしっかりあるようだ。さすがに自分のボックスの他の3寝台は空気輸送かと想っていたら、京都から向かいの下段に50代くらいの女性が乗車してきた。

これだけ閑散としていたらさすがに治安の問題もあるのか、この列車に若い女性の姿は見られない。とても愛想のいい方で、すぐに挨拶から会話へと発展した。

茨木在住の方でいわきの娘の家へ向かう途中らしい。寝台列車での旅には慣れているらしく、関東を目指す時には時間の余裕を見ながら寝台列車を選択することも多いという。話を聞けば僕みたいな若い人はこの列車には珍しいようで、今までの旅の話をしてくれたりと自分も盛り上がり始めた。

これまで行った名スポットの話からこれから迎える就職活動の相談、現代の社会問題に至るまで様々な話題が飛び交う。お互いに名前も知らないながら、同じ列車に乗り合わせた偶然がかけがえのない思い出となる。夜の対談は名古屋辺りまで続いた。


名古屋を出る頃、洗面台に就寝の準備に行ってみると驚くことにB寝台は下段の多くのカーテンが閉まっていた。意外な需要があったものだ。

やがて自分の寝台もカーテンを閉めて就寝モードに入る。通常は通路側に頭を置くようだが、何となく窓側に頭を向けて寝てみた。そして窓のカーテンを開けて横になった時、この列車の名称の魅力を実感することになる。

この日は快晴の夜空。窓の外に星空が広がっていた。東に向かう列車を追いかけるように幾千もの星たちが走っている。列車の進行方向が曲がる度に星たちの並びも向きが変わる。多くの星たちに見守られながら走り続ける、まさに銀河鉄道の夜である。

B寝台のベッドは思っていたより幅があり、意外なほどに快適だった。星たちを眺めているうちに、いつしか自分も夢の中に落ちていたようだ。

翌朝、目が覚めたのは大船を過ぎた辺りの車掌の放送だった。

「皆様おはようございます。今日は10月21日、日曜日です。ただいま列車は定刻どおり運転しております。」

夜行列車ならではの味わいがある。既に向かいの女性もお目覚めだったようだ。どうやらあまり眠れなかったようだが、僕と同じようにカーテンを開けて星空を眺めていたという。

やがて降車駅の横浜に到着。最後までお互いに名乗ることなくこの女性に挨拶をして、この寝台を後にした。


「夜行急行 銀河号」

何て素敵なネーミングだろう。ある記事には「深夜の2大都市にかかる天の川」という表現がされていた。
どれもこの列車にぴったりの表現である。

最終運転は3月14日、自分はもうこの列車に乗ることは永遠にない。

ふとした偶然の積み重なりでこの銀河鉄道の旅ができたことは、きっと永遠に消えることのない思い出となるだろう。


さよなら、そしてありがとう急行銀河。いつまでもその星空から東海道を見守り続けていてください。

207系 T22編成 

March 02 [Sun], 2008, 1:13
207系2000番台のうち、ちょっと特徴的な個性を持っているのが4連のT22編成。

Mc207-2003- -T207-2003- -M207-2003- -Tc206-2003

という編成で構成され、他の207系4連のZ・H・T編成と共通に加古川・篠山口〜京都・奈良間で通常3連のS編成と併結された7連で運用される。(学研都市線京田辺以東は単独4連で運用)


さてさてこの編成、どこが個性的なのかというと、搭載している東芝製VVVFインバータが唯一ソフト変更されずに原型タイプの非同期音を出すこと、そして無線WANの搭載試験車であることである。


まずVVVFインバータについては以下の動画をご覧いただきたい。


東芝製IGBT−VVVFがソフト変更されたのは前回の223系の項で説明済みだが、この207系の2000番台は2001年登場の1次車のうち、東芝製のインバータを搭載していた編成は順次ソフト変更を受けて加減速音が変わっている。しかしこのT22編成は東芝製インバータを搭載していながらソフト変更は受けておらず、帯色が変わった現在では207系でこの編成でしか聞けない貴重な非同期音が特徴である。


次に無線WANであるが、これはJR西日本が開発した沿線無線情報システムで、列車遅延時などに車内案内表示に運行情報を表示できるシステムである。223系のW17、W30編成、221系C14編成などにも搭載されており、321系にも搭載編成がある。

この無線WANを搭載する編成は下り方先頭車屋根上に耳のような受信アンテナが2機搭載されており外観上見分けが付く。以下の写真はT22編成のものである。


屋根上の横長の物体がそのアンテナであり、反対側面にももう1機搭載されている。

この機能を搭載している編成もとても貴重である。

このように特徴の多い207系2000番台のT22編成。もしも出会えたらぜひ観察してみてください☆

223系のVVVFインバータ 

February 25 [Mon], 2008, 3:32


関西地区で新快速といえば223系ですよね〜。ちょっとろくな写真がなくて申し訳ありません。。

この電車、1994年に関空快速用に導入された0番台に始まり、95年の新快速用1000番台、99年に同じく新快速用2000番台、関空快速用2500番台、2003年にはマリンライナー用に5000番台と製造され、現在も製造が続いているJR西日本の近郊型電車です。

技術的には在来線の最先端を行くもので、新快速では130km/h運転を行います。

この車両は制御方式にVVVFインバータ制御が採用されたため、起動時や停止時に独特のモータ音が響きます。

今回はそのVVVFインバータの音について注目してみましょう。


まず0番台は東芝製GTOサイリスタを用いたVVVFを全車で採用したため、どの車両に乗っても同じ音が響きます。JR西日本が製造した1M1C方式のVVVFを搭載する車両(207系1000番台、283系、681系)に共通して見られます。新幹線の300系をイメージしてもらえれば分かりやすいかな♪


面白いのは新快速用の1000番台・2000番台。

このシリーズからVVVFがGTOからIGBT素子を用いたものに変更され、より静かなモータ音になったが製造者が東芝に加えて日立製作所、三菱電機が加わりバラエティ豊かになった。

ちなみにVVVFインバータの音は製作時期、メーカー、車両の仕様によって変わってくるので、この1000番台以降の223系は音の種類は幾多にも及びました。現在1000番台で5種、2000番台で3種の音が存在し、どれに当たるか分からないので個人的には223系に乗る大きな魅力です。

この8種類を解説します。


<1000番台>

・日立1次タイプ(W3、V1、V3編成とW1編成の下り方ユニット)
95年に製造された1000番台の日立製インバータが対象、非常に高音で特に中央扉付近で装置本体からの非同期音が印象的。結構静かです。類似音は東京メトロ07系、泉北7000系などで採用されています。

・東芝1次タイプ(W2、V4編成とW1編成の中央ユニット)
95年製1000番台の東芝製VVVF。高くて綺麗な非同期音が特徴で、音はミとファの間くらいの音。非同期音の後の爆音が特徴的で、特に停止時にはGTOに近い音になる。小田急30000系で同じインバータが採用されている。

・三菱1次タイプ(W4、W6、W7、V2、W1編成の上り先頭車、W9編成の上り・中央ユニット)
95・97年製1000番台の三菱製VVVF。非同期音は徐々に高音化していくタイプで、どこか苦しそうな音な気がします。なかなか静かな音で、最近の東芝製に似ている気がする。283系でも採用例がある。

・日立2次タイプ(V5編成、W9編成の下り方ユニット)
97年製1000番台にわずか3両しか存在しないとても貴重なVVVF。装置外観は同じながら音は1次から大きく変更され、非同期音はやや低音のシに近い音になった。283系にも採用例はあるが、こちらもかなり少ない。新幹線の700系C編成の非同期音とほぼ同じ音である。

・東芝2次タイプ(W5、W8編成)
97年製1000番台東芝VVVF。非同期音がやや高くなり、完全なファ♯の音になる。この音はとても聞こえがよく、気をつけていると非同期音がヒー…ピーと1オクターブ高く転調しているのが分かる。個人的には一番好みである。かつては2000番台1次車にも採用されていたが、こちらは2003〜2005年にソフト変更されて後述の東芝3次タイプとなる。名鉄3100・1600系の東芝VVVFが同じ音を出す他、285系、207系2000番台(現在はT22編成のみ)が同じ制御装置である。

<2000番台>

・日立3次タイプ(W編成8本、V編成19本、J編成4本とW10〜12、V6、V7、V45編成のうち1ユニット)
2000番台が装備する日立製VVVF。非同期音は2次タイプと同じで、最後にヒュイーッ↑と日立製特有なあの音が入る。爆音つき。東武30000系がこれに近い音を出すがVVVFは異なっている。

・東芝3次タイプ(W編成9本、V編成17本、J編成5本とW10〜12編成の2ユニット、V6、V7編成の1ユニット)
2000番台の東芝VVVF。装置外観は2次タイプと同じで、99・00年製造の2000番台1次車は当初全車2次タイプだった。2003年から純電気ブレーキに対応するためソフト変更され完全に違う音になった。この工事は2005年9月のW21編成をもって全車完了している。耳障りの少ない静かな非同期音で、313系、東急3000系などが似た音を出す。また、2006年末に投入された3次車以降(J12、J14、V57、V59、V62編成)では装置外箱の形状が変更されている。

・三菱2次タイプ(W編成10本、V編成21本、J編成5本とV45編成の1ユニット)
2000番台の三菱VVVF。1次と同じ感じで高音化するが軽快な音になり、より高音域まで上るようになった。2003年以降に製造された2次車以降は純電気ブレーキ対応となり、停止時に音が切れるタイミングが異なっている。285系、名鉄3100・1600系、207系2000番台に採用例がある。


以上のように同じ223系であっても、走る音はそれぞれ違いがあるのでこれを聞き比べてみると毎日の利用でも飽きませんよ〜♪

321系などにもこういったバラエティがありますが、また気が向いたら書きますね♪

P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:g-rapidservice
読者になる
2008年03月
« 前の月  |  次の月 »
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
最新コメント
アイコン画像康之
» 207系 T22編成 (2008年03月03日)
Yapme!一覧
読者になる