初めに

August 28 [Tue], 2012, 0:00
こんにちは、
ご訪問ありがとうございます。

このブログは夢小説(名前変換無しなのでそう表記してもいいのか、、)置き場です。
メインジャンルは、落乱・忍たまです。

女性向け・腐向け要素有があります。
またキャラ設定等オリジナル色が強いため、
これらのことが苦手な方はブラウザバックお願いします。

オールキャラを目指しながら迷走中。
現在は水軍に萌え萌えしております。

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追記よりこのブログのメインとなる主人公の設定をば。
四人の複数主となります。

心の行方(伊絢伊)

November 27 [Sat], 2010, 1:55
 どこか冷めていたと思う。擦り寄ってくる女の子をかわいいとは思ったし、好きだといってくれる子は大事にしようと思った。それなのにぽっかりと空いてしまった胸の中の空洞は満たされることなく存在していたし、自分はそれを満たそうとすらしなかった。人に満たしてもらうことを期待していたわけでもなく自分が満たされることを望むこともしないのならば、満たされることがないのは当たり前だろうと自分を叱ったのは自分を好きだと言う女の子たちのうちの一人、ではなかった。
「でもさ、恋は下心で愛は真心って言うじゃない」
「どういう意味さ」
「俺は恋をしたいわけじゃないんだよ、善法寺」
 レースカーテンが窓から入ってくる風にふわふわと揺れていた。目の前にいる彼はその額にじっとりと汗を浮かべたまま何も言わずに俺を見つめている。適切な言葉を頭の中で探しながらゆっくりと俺は口を開く。
「恋に恋してる女の子をかわいいと思うよ。でもそれに惹かれるかと言えば否。俺はきっと恋したいんじゃなくて愛したいんだ」
 なんて深い緑なのだろう、と外を見ながら息をついた。吐いた息には言葉を区切る意味もあっただろう。善法寺が口を開こうとするのを遮って俺は続けた。
「愛するってことは見返りを求めるものじゃないんじゃないか?だから満たされることを求めて愛するなんておかしいんじゃないかと思うんだよ」
「言っている意味はわかるけど……不破、だって君は」
 少しだけ苦しそうな顔をして善法寺は俺を見た。その柔らかな声に自分を呼ばれる気分は意外と悪くない。
「初めから満たされるつもりがないから問題がないんだろう?受け入れるつもりもなければ自分はどうだっていいって思ってる」
「そうかな、そうかもしれないね」
「違うんだ、それじゃだめなんだよ」
 どうして、と笑えば彼は唇をかみ締めてうつむいた。ほんの少しの罪悪感を覚えながら俺は笑った。目の前の善法寺がどうしてそんなにも必死なのかがわからなかった。彼の言っている言葉もよくわからなかった。どうしてそんなにも悔しそうな顔をしているのかと深く深く疑問に思う。
「自分を想えない人間に人を想うことなんて出来ないんだ。大切な人を大切にしたいと思ったってその人自身がその存在をないがしろにしてしまっていたら、苦しいし悔しいし……つらいんだよ」
「わからないな」
 善法寺は一歩ずつ机に腰掛けた俺に近づいてくる。先ほどのような苦しそうな顔をしてはおらず、ただまっすぐこちらを見ていた。吸い込まれそうな目だ、純粋に人を見つめることを知っている目を自分はいつなくしてしまっただろう。
「僕は君が君を愛さないことが悲しい」
「おいおい、さっきまでの流れとその言葉じゃ、それはまるで愛の告白みたいじゃないか」
「そう受け取ってくれて構わないよ」
 近づいてくる唇を、俺は拒まなかった。
「なあ、善法寺」
 唇を離したままに彼は俺の首に腕を回したから、俺は彼の表情を見定めることが出来なかった。どんな顔をしてキスをしたのだろう。こんな情欲の味のしないキスは知らない。もっともっと別の何かをきっと彼はこの口付けにこめたのだろう。その意味を自分は知ることが出来るだろうか。
「愛と恋の違い、俺に教えてよ」
「ああ、そうするよ。不破が……絢里がいやだって言うくらい、ね」
「伊作なら本当にそうしてしまいそうだから怖いな」
 名前を呼ばれたことに少し驚いたように目を見開いて善法寺は――伊作は身体を離した。
「コイビトになる?」
 そう笑いながら擦り寄ったって目の前の彼は怯まないし拒みもしないままにゆっくりとまたキスを落としてきた。
「これが答えでいい?」
 ああ、それも悪くないな、と小さく言葉を落として俺は彼の腰にゆっくりと腕を回してその肩に顔をうずめた。伊作はゆっくりと俺の背中をぽんぽん、とたたく。
 迷うことなく人を想い、自分を満たしていくことが自分にも出来るだろうか。
 夏の風が駆け抜けていった。

陰陽(作雫←藤)

November 27 [Sat], 2010, 1:44
 別に手に入らなくてもいいと思っていた。本当は想う人のあらゆる面を見て生きたいと思ってたけれど、雫先輩が作兵衛に向ける笑顔を独り占めしたいと思っていたけれど、それはきっと自分ではだめなのだとすでに諦めがついてしまっていたのだ。
 そう、諦めはついていると思っていた。
 その日、委員会に来ない彼女を委員長の命で探し回っていたのを覚えている。屋上、教室、思い当たるところは一通り回ったはずだったがなかなか見当たらない。既に帰ったか、と仕方なく委員会の面子が待っている教室に帰ろうかと思った矢先だった。
「本当にいいんですか!?」
「いいのいいの、行っても私、いびられるだけだし」
「でも行かなかったらもっと面倒くさいんじゃ……」
「作」
 自分は見てしまった。いつものように作兵衛にべったりの雫先輩の姿ではなく、寄り添うようにして作兵衛の唇を奪い、そして笑った彼女の幸せに満ちた笑顔を。それを見た瞬間、どうしようもない感覚に襲われて自分は駆け出した。普段ならば二人の間に割り行って雫先輩の手を引いていただろう。でも今はそうすることが出来なかった。
 ひどく心がひび割れていた気がした。
 あんな笑顔はきっと、雫先輩と仲の良い彼女たちですら見たことがないに違いないと思う。どこまでもあったかい日向で幸せだと笑って見せるような表情は特別な人間にだけ向けられるものだからだ。そして自分はどうしようもなく自覚してしまう。雫先輩は絶対的に作兵衛のものだ。彼女は今ある精一杯の心で作兵衛を想っているし、作兵衛はそれに応えるだろう。
 わかっていたはずだった。諦めていたはずだった。
 それなのに手に入らないと思うと渇きがひどくなったのはなぜなのだろう。
P R