米澤穂信『ふたりの距離の概算』(角川書店、2010年)を読む

April 25 [Wed], 2012, 15:45
私が通っていた高校には、文化祭も修学旅行もなかったけれど、何のためかよく分からないけれど、75kmを夜通し歩くイベントが五月の連休中に、10kmを走るイベントが二月くらいの寒い時期にあった。
県境を越えたところでバスから降ろされ、山道を歩き、峠を越えて学校にたどり着く。
連休のはじめにこれをやるものだから、残りの休みも筋肉痛でまともに動けず、潰れることになる。
しかも、私が三年間これをやったあとは、距離を大幅に縮小したらしい。
薔薇色の高校生活もあったものではない。
10kmを走るのも、寒い北風が吹きつける河川敷を走らされるわけで、楽しいものではない。
どちらのイベントも早く終わらせたい一心で、とにかく突っ走った。
いまから思うと、10kmのジョギングや、郊外まで歩くことくらいは大したことでもないのだけれど、自発的に行うものと強制的に青葉賞やらされるのとでは大きく異なる。
何のバツゲームだと思いながらこれらのイベントに臨んでいたのが懐かしい。
古典部シリーズの舞台となる学校でも、五月に20kmを走るイベントがあるらしい。
いまのところ最新刊となる第五作では、その模様が描かれている。
彼らも進級して、晴れて二年生。
そして仮入部というかたちで一年生も一人入ってくる。
ところが、作品のヒロインと、この一年生の女子とが、ひょんなところから行き違いを生じて、一年生は入部を辞めるという。
その行き違いは何だったのかということを推理していくというのがあらすじとなる。
マラソン大会で走る距離と、先輩後輩の心の距離。
これを計りながら物語は進む。
一方で、一年間を同じ部活で過ごした主人公とヒロインとの距離は、恋愛感情的なものはともかく、こいつはこんなことはしないという確かな信頼を抱くところまでには至っている。
米澤穂信ふたりの距離の概算角川書店、2010年は、いまのところハードカバーのみで、文庫化はされていない。
刊行時期から考えると、そろそろ文庫にもなる頃かもしれない。
加えて、新作も楽しみなのだけれど、それはまだ先のことなのだろうか。
結局、第一作の氷菓から最新刊まで、一気に読んでしまった。
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