滅びる覚悟はできてるのさ 

August 21 [Thu], 2014, 21:48


恐いモノ知らずで 時代ははしゃぎまわり
僕と君のすごした ページは破り去られ
歴史には価値のない 化石の一つになるのさ
ああ 君と出会えてよかったな



と歌われるその時代にたしかに記憶はあるのに、それがいつのことか分からなくて変な感じだ。
一緒に絶滅したい、と思ったことが、きっとあったかな。
呼応の副詞が呼応しないのは解体。
それはいつのことだったかな。
それは本当にいた人なのかな。
その人はいついなくなったのかな。

君、というのがあなたのことだったか彼のことだったかあるいは彼女のことだったか。
あるいは君、と呼ばれたのは私だったのか。
それとも全く縁のない誰かの青春の一頁であったのか。
今年の夏は、何かが終わったような、何も終わっていないような、変な感じがする。
これまでの終わりがすべて折り重なったようでもあり、これまで何も終わらせてきていないようでもあり。
去年の夏も、変な感じだった。
汚れた川をたしかに泳いでいたけれど、ひとりで泳いでいたのか、「君」と泳いでいたのか、あるいは私が誰かの「君」であったのか、もう思い出せない。君はとっても綺麗だった。













少女 

August 21 [Thu], 2014, 0:07

詩から散文になってしまうことを私は知っていて、それはつまらないことで、それは去勢されるような感じだった。
でも今回は最初から散文で、でもつまらなくならない。
散文にも散文の、かっちりと意味を伝えることの、良さがあると知ったということかな。
でもそういうふうに、大人みたいな、ことを考えるように、なったこと自体がつまらない。

他人の喪の過程は綺麗に見える。
あの泥流の恩讐の終焉はいつだったのかないつだったのかな。
私はいつも外的に終わらせるばかりで、内的に終わらせたことがない。

ラスコーリニコフ 

October 28 [Mon], 2013, 22:48

自宅の浴室で男を殺して、血をすべて流しきり、自分の手足に付着した血を洗い流して、毎週の生ゴミの日に少しずつ切り取って棄てる。その間は、銭湯に通わなければならないけれども。数キログラムずつ、毎週棄ててゆけば、数ヶ月後には隠滅できるだろう。生ゴミの日の度に、あと何キロだ、あと何キロですべて無かったことになる、と指折り計算するだろう。

なんでだか、何も悪いことはしていないはずだのに、誰にも気づかれずそんなことをしているような気分がしている。


一号線 

October 28 [Mon], 2013, 0:36

一号線の標識のかたちのギターのピックをもってる。
ギター弾けないけど。F も押さえられないけど。


南北を隔てて横たわる一号線を、天の川だか三途の川だかに見立てて、北から南へ渡る渡らないの末何個も青信号を見送ったのは何年前だった。
真夜中過ぎの一号線はヘッドライトが灯籠流しの如し。


いまは南から北へ渡りそびれて信号を3度見送った。
いくらか若かったかつて意を決し飛び込んだのはそんな顔をさせるためではなかった。
ふがいないことです。ふがいないことです。

笑う作業 

October 27 [Sun], 2013, 7:02

ふつう心が最後に残るとおもう、
でも最後に残るのはかたちだった。


「明日は笑って会おうと思う、
私が泣いてばかりいたら、いつまでも先に進めないものね」

と彼女は言った。
でも先ってどこか。

乳房、糞便、まなざし、声。
人の声は、やわやわとしている。
ある声を好きだというとき、その人が好きだからその声が好きなのか、あるいは、声そのものが好きだということがあるのか。

「おじいちゃんが死んだ後、何かあるたびに、おじいちゃんなら何て言うかな、って考えるようになったの。
(生前はそんなこと考えなかったのに。)
すると、こうすればいいよ、とか、おまえの好きにしたらいいよ、とかおじいちゃんの言う声が聞こえるのだけれど、それはおじいちゃんが本当に言いそうなことでもあるし、私が私に都合良いことを言わせているようでもあるの。

 もう既に、そんなふうに、過去からの声としてあの人の声を聞いてることに気づいた」

と彼女は言った。


ジェラート 

October 25 [Fri], 2013, 23:51
一年前の夏に、S区の橋の上から川を見ながら、――その川は学生時代から毎日のように傍を通り過ぎる川で――、今起こってることをビー玉に詰めるように思い出として眺めたい、という気もちが生じた。
あの気もちはなんだったのか。
一緒に歩きながら、思い出を生きてるような気がした。30年も経った後に、年をとってベンチに座ってるような気がした。
それだけじゃお腹がすくわ、という歌が、昔流行った。


こんなこと、これまでの人生でもっともつらい、とおもった。
ここ10年で、もしかしたらこれまでで、いちばん泣いたくらい泣いた。
でももう、今日はあまり泣かなかった。
そのうえジェラートも食べた。
なんて冷たい、とおどろいた。


かたちの記憶は重大で、それがあるうちはずっとつらくて、ともするときみのほうがつらいのだと忘れそうになり、それが見えなくなって、ここから見えない星になったら、対象アーのごとき遠い声になる。だけどそれに抵抗している。コミットし続けたくている。気ばかり遣わせてしまった。


外傷 

September 30 [Mon], 2013, 0:49

「私の何処が好きなの?」
「手首の傷」

みたいな愛し方はいかがなものであろうか。
アレ風にいうなら、
「あなたの去勢の跡地です」



*****


あまつさえ保護をかけていて、そのメールに、見る度最初に届いたときの、まっすぐに心臓のちょっと下に刺さってえぐられたような痛みが甦るのであった。もう二度と見たくもないはずだのに、毎晩寝る前儀式のように読む。精神的自傷だったのだろう。
そうして弄くり回して何度もそこに立ち戻る外傷で満たされて、満たされるor虚無、それが癒えたときにからっぽ、ということがあるなんて。
煮凝った想いが蛹を形成したなら、その想いが溶解したとき、何が羽化するんだろうか、何か羽化するんだろうか。

もう思い出すのはこれで最後だ、と隣の人。思い出すものがなくなった、と私。


腸詰機械'09 

February 25 [Thu], 2010, 10:55
メタリックなメタフィジカルで鉄錆と思うたら血液だった。
無機質な超合金で切り裂いたら血が出た。
あれ、それ、肉だったの。
生身の肉だったか。
ロックンロールは独身機械か、みたいな話か。すなわち女性性の問題。
なのにそれは経血じゃない。

ごりごりと轟音立てて作動する腸詰機械は、工場の、サーカスの、きみの身体の比喩で、ぴゅっと引き裂いたら内臓が内蔵されてた。
てろてろした胃腸の表面を指でなぞると弾力で撥ね返された。
工員は次々腸詰原料をぶち込んでゆくのみ。
メタリックと思った腹筋に沿って開いていったら内臓。でもその内蔵もメタリック。脳の中に詰まり気味で器質的にメチャメチャに切り刻んだら形而に上下も無くなるか。
その後、タマゴ型棺桶に収納されたは何か。
首つった一室で精液と唾液が垂れ流れた。垂れ流れる流れが機械の板からこの足下へ。ゆるやかな勾配がメカニック。チューブのハイウェイからミルキーウェイ。ミルキーウェイが乳腺。


経血はなにも特別な血じゃない。同じ血液だ。同じ液状だ。そこに意味を付与するは自由だった。
パタフィジックな血痕。たぶんただの夢だった。

生殖年齢も半ばを過ぎて 

December 07 [Mon], 2009, 1:34
あれからしゅらばをのりこえた、というほどでもないが、
ひとの死ぬのを待つような生き方をしたくないという指針だけは守れてよかった
でもそれはそれだけめぐまれた状況にあったから、などと殊勝なことを言うと思うか
こんな(メンヘル)ブログのあったことなど忘るるともなく忘れておって3年4年。
すっかり夜は寝られます。すっかり肉は食べれます。ら抜き言葉も平気です。


お父さんはそのうち死にます
(ぼくはそれを恐れつつ待ちます)
そうすればぼくがお父さんになれます
(お父さんのようなものになります)
そうすればきみを迎えにゆきます


きょうはくしんけいしょうのぼくが言ったのだ。



だがその頃彼女の生殖年齢は終わってる。
或いはモウ死んでいる。
もう再生産しないよ。もうどこにもいかないよ。遺産は一代で食い潰すよ。遺産を一代で食い潰したよ。遺産なんかどこにもないよ。どこにもないよ。


フランツ 

August 20 [Sun], 2006, 0:08
わたくしたちはどうやら、エクリチウルに頼りすぎたね



コミュニケイトするのもディスコミュニケイトするのもエクリチウルによってでしかない、と考えていたのだったね。
以前ね、仲間たちと話していたときに、みんなが、「えくりちゅーるノ愛」は無いけど「ぱろーるノ愛」はある、と言っていて吃驚したものだ。
わたくしたちはだッて、「ぱろーるノ愛」が存在するなんて考えたこともなかったものね。

書かれたものだけがほんとうだ。愛するのも憎むのも、書き言葉の中にしかない。
とわたくしたちは思い込みすぎたのですかね。

さいきん、パロウルというものももしかしたら捨てたものではないようだとやっとわかったわけ。

(神様であるかのように感じていたが、思えばずいぶんと若かったのだった。24や25など今や年下であるのだもの。)



カフカが恋人に宛てた手紙をあの頃読んだ。
書くことは愛である、しかし書くことによって何かが崩壊してゆく、書かなければよいのに、しかし書かずにいられない、と、誰か言った。
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