一時中断 

February 05 [Sun], 2006, 22:22
「たーつーみーィ!書け!書くんだァ!おまえが書かないと俺が高耶さんを追えないじゃないか!」
く、苦し……。
「さあ、書くんだァッ!」
「そのへんにしておけよ(溜息)」
「そうだぞ。直江」
「離せ!千秋!色部さん!」
「言われて離せるわけねーだろ。たくッ」
「晴家、持ってきたか」
「もちろんよv私に任せて」
「晴家ッ……!」
「あんただけが書いてもらえないわけじゃないんだからねッ!たまにはおとなしくしなさい!」
「フガ……!」
「いつまで保つかね」
「いつまで保つかしらね」
「最低でも五月までは保ってもらわねばならんのだが」
「保つかね……」
「微妙なところね」
巣巻きにされた直江を見下げて三人は同時に嘆息した。
「ま、付き合ってやっからたつみ早く終わらせんだぜ」
が、がんばる……。




はーい、ということで。色部さんで詰まってたら、勉強とあるモノに参加するブツの制作に取り掛かねば間に合わなくなりました!ので、またも「天使」シリーズは休止です(>_<)
あしからず。

色の仕事 

February 05 [Sun], 2006, 22:21
「報告します。現在、下界での魔族の勢力図は――」
そう言って手元の紙に目を落とす部下は会議の前に事前に配布されていた報告書以上の内容を詳しく告げはじめた。
しかし、報告内容など聞かずとも……。
色部は本来、景虎が座るべき席に座り、会議に参加する面々を眺めみた。
皆、一様に複雑な表情をしている。いつものような快活雰囲気は皆無だ。
それも仕方のないことだろう。
景虎が指揮をとり約四百年、三十年前の大戦で彼を失い、数年前やっと彼が発見つかったというのに……。
事態の深刻さは三十年前の比では、ない。
色部は静かに瞼を降ろした。

高の条件反射 

January 12 [Thu], 2006, 9:20
「誰か助けて!」
悲痛な叫びが耳に飛び込んできて高耶は立ち止まった。
振り返る。見渡す。
が、
「…………」
気のせいだったのだろうか――。
周囲の人たちに何ら変化は、ない。
各々が他人を気を配るふうもなく、無関心に行き交う人々の光景が広がる。
都会の雑踏、どうやら立ち止まったのは高耶だけだったようだ。
(気のせいなら、――それで……いい)
肩の力を抜き、歩きだそうとして高耶は見た。行き交う人々の間を縫って出来た視界の先。ビルとビルの間の世界の影の闇のような空間で。
――くず折れいく少女を。高耶は――、見た。

ちーの始動 

January 08 [Sun], 2006, 10:54
ゆっくりと力を込めてみれば――。
千秋は口端を吊り上げた。
「案外普通じゃねーか」
「あなた用に特別に用意したものですからね」
千秋はその明るい栗茶色の髪の青年の台詞を鼻で笑った。
よく言う。
「ふん。こんな代物……現代じゃ手に入んないさ」
途端、千秋より青年の顔は無垢ならではの、残忍な笑みを浮かべて、
「何か不満でも?」
「んなの、あるわけねーだろ? 魔王様の趣味にケチなんてつけっかよ?」
千秋はにっと笑い、肩を竦めてみせ、無造作にシガレットをくわえた。が、
「敢えて言うなら――」
不敵なまでの彼らしさで、
「この泣き黒子かねえ」
と、千秋は隣の青年の肩に馴々しく手を置き、宣った。

あとがき 

December 31 [Sat], 2005, 13:23
はーい、第二話終わりました〜。
全20話?
制限文字数が増えて!
なんとか20話(汗)今までの制限では60話以上確実でしょう(;^_^A
良かった〜今日という日に間に合って!
ははは……ここから先はネタバレになるので反転してお読みくださーい


ということで!第二話!
クリスマスには間に合わなかったけど大晦日には間に合いました!
まじ良かった……。
間に合わないかと思いましたよ……まじで。
しかし、この話の辿り着く先はどこなんでしょうねえ。
もう千秋ファンも敵に回すようなシロモノ書いてるとしか思えない……(滝汗)
千秋のトレードマークの尻尾も切らせちゃったし……。つーか、失恋で髪切る(←違うから!)千秋ってどうなのよ!?
それに南都ちゃんの存在もヒンシュクもんかも……。
ああ、言い訳だけどね!
和田南都はまー作品にも書きましたが、高野で高耶さん側に付いたはずの和田という修業僧の、私が創作した娘です。
南都という名前は南都七大寺からとっただけで!千秋の姉の名の響きに字を宛てたわけではないんですよ!←ここ強調〜。
うう。第二話目はドリーム小説だとでも思って読んでくだせい……。
さて、ちょっと話は飛びますが、第三話目は先に宣言しますが、佐々木まだ出ません(爆)
次回出演予定は……Tさんです。
ええ。千秋さん疾走で皆慌てふためいてる話です。はい。


今度、サイトに上げる時は、クリスマスイブ南都視点バージョンを追加しますので、よろしければまた読んでやってください。

それでは良いお年を!
ばいばいびーん

世界は俺色に染まる40〜42 

December 31 [Sat], 2005, 12:40
「あああ!」
 なんで俺がッと吠えれば、すかさず、すぱこーんと軽い打撃を後頭部に受けて俺は恨めしげに振り返った。
「つべこべ言わず、さっさと着替える!」
 背後から俺の頭をはっ叩いたのは、この寺の住職の一人娘??和田南都だ。
「新年まで一時間切ってんだから!」
「…………」
 と言いつつ、叩くのに使ったであろうカイロを俺の背へとべたべたと貼り、
「今日は寝れないからね! しっかり頼むわよ! 代理住職!」
 ドンと俺の背を押した。
 馬鹿力め……! と恨めしく振り返ようにも、今度は降ってきた袈裟によって視界を奪れて……。
 仕方なく! 俺は、渋々! 袈裟を手に取り、ひっ被った。
「………」
 あの日。クリスマス・イヴのあの夜??。
 家に帰りついてみれば……。
 玄関のシルエットに仁王立ちした人形(ひとがた)があった。
 玄関をガラガラと開けてみれば??案の定だ。
 ……青筋立てた南都の父、この寺の住職こと栄明が立っていた。
 いや、まあ、やましいことなど俺に何一つない。当然だ。
 南都とは買い物に出て夕食をとり、少し長引いたがクリスマス・イルミネーションを見てきただけなのだから。
 だからといって、朝帰りとまではいかなくとも、深夜零時を過ぎて帰れば??……。
 俺と南都は居間に促されて、栄明の前に二人並んで正座させられた。
 お前達分かってんだろうな、という視線に俺も南都も明後日の方向を向いている。言い訳するつもりはないが、反省するつもりもない俺たちに先に折れたのはやはり、栄明のほうであった。
「千秋くん、南都。よく聞きなさい」
「…………」
「??実は、……明日から高野に行くことになった」
 俺も南都もふーんぐらいな感想だった。
「で、節分まで帰れない」 俺はへーと思った程度だが、
「…………」
 ガタッと膝立ちのうえ、机が揺れた。
「??!?!!」
 聞き流せなかったのは、
「正月どーすんのよ!?」 南都だった。
 俺はというと、まだこの時点で危機感はなかった。
「大晦日は!? 除夜の鐘突きは!? 初祈願は!? 檀家の接待は!? 修正会は!?」
 よくも口が回るものだとまくしたてる南都を横目に俺は欠伸を噛み殺した。
「……。千秋くんに、任せる」
 …………。
 ...

世界は俺色に染まる42 

December 31 [Sat], 2005, 12:40
 し、死ぬと思うほど、俺は揺さ振られ。
 ……てんやわんやで大晦日、……で、ある。
 勿論、現在、栄明は高野山。ここに残るのは俺と南都だけ。
(……高野の高僧だなんて、聞いてねーぞ……!)
 だから、こうして除夜の鐘突きのため俺は準備している。
 ??読経は大丈夫。合格点だ。
 なーにが合格点だ。なーにがッ。
 ??あとは護摩さえ焚ければ……。
 俺は景虎や直江とは違うっつーの!!
 本当! 無理を押しつけやがる……と悪態をついてみても。
 結局俺はこうして??ここに。
「何? 南都」
 着物を整え、息を抜くとちょうど下から覗く目線とかち合った。
「いやー、似合わないなぁと思って……」
「………ッ」
 まじまじ眺めて言うな! 俺だって着たくて着てんじゃねえ!
 その人の悪い笑みがッ非ッ常ーに腹が立つ!
「あわわわ。待った! 待った! 脱がない。脱がない!」
「髪まで切ったんだぞ……!」
「うん。益々良い男になった!」
 笑いながら言われても、
「説得力ねーよ!」
「まあ、そう言わず。あんただけが頼りなんだから!」
「だったら、もっと丁重に扱え」
「なっあーに偉そうに! 居候のくせに!!」
 こんな会話は日常茶飯事だ。
「働かざるもの食うべからず!」
 さ、行くよと言って彼女は携帯ラジオを片手に俺を誘う。
「おまえこそ、数かぞえ間違えんなよ!」
「誰に言ってんのよ」
 あと少しで年が変わる。「あんたこそ、心して百八つ突きなさいよ! 煩悩だらけなんなだから」
「どういう意味だよ……」
「そのまんまに決まってんじゃない」
 彼女はくるりと振り返った。
「ま、いい人生のリハビリには、もってこいじゃない?」
 ああ、的を射ているようでそうでないようで。
 俺は南都の頭を掴み、前を向かせた。
「バカ。大きなお世話だ」
 俺の口元には静かな笑みが分からない程度に。
 外に出れば、澄んだ空気に雲一つない空。
 俺はこうしてここに存在る。
 今はそれで??……十分、だ。
「南都。しっかり伝えろよ」
 新年になる瞬間を。
 新たな始まりに、
 今度は俺自身の幸福せを、

 ??考えよう。

世界は俺色に染まる41 

December 30 [Fri], 2005, 9:40
 俺も南都もふーんぐらいな感想だった。

世界は俺色に染まる40 

December 30 [Fri], 2005, 9:39
「あああ!」
 なんで俺がッと吠えれば、すかさず、すぱこーんと軽い打撃を後頭部に受けて俺は恨めしげに振り返った。
「つべこべ言わず、さっさと着替える!」
 背後から俺の頭をはっ叩いたのは、この寺の住職の一人娘??和田南都だ。
「新年まで一時間切ってんだから!」
「…………」
 と言いつつ、叩くのに使ったであろうカイロを俺の背へとべたべたと貼り、
「今日は寝れないからね! しっかり頼むわよ! 代理住職!」
 ドンと俺の背を押した。
 馬鹿力め……! と恨めしく振り返ようにも、今度は降ってきた袈裟によって視界を奪れて……。
 仕方なく! 俺は、渋々! 袈裟を手に取り、ひっ被った。
「………」
 あの日。クリスマス・イヴのあの夜??。
 家に帰りついてみれば……。
 玄関のシルエットに仁王立ちした人形(ひとがた)があった。
 玄関をガラガラと開けてみれば??案の定だ。
 ……青筋立てた南都の父、この寺の住職こと栄明が立っていた。
 いや、まあ、やましいことなど俺に何一つない。当然だ。
 南都とは買い物に出て夕食をとり、少し長引いたがクリスマス・イルミネーションを見てきただけなのだから。
 だからといって、朝帰りとまではいかなくとも、深夜零時を過ぎて帰れば??……。
 俺と南都は居間に促されて、栄明の前に二人並んで正座させられた。
 お前達分かってんだろうな、という視線に俺も南都も明後日の方向を向いている。言い訳するつもりはないが、反省するつもりもない俺たちに先に折れたのはやはり、栄明のほうであった。
「千秋くん、南都。よく聞きなさい」
「…………」
「??実は、……明日から高野に行くことになった」

世界は俺色に染まる34〜39 

December 29 [Thu], 2005, 9:44
 一言で言えば、居心地が良かったのである。
 だから、居座った。
「…………」
 ここに、留まることを決めたのは、気紛れにすぎなかった。けれど、そうなることは案外必然だったのかもしれないと今は思っている。
 俺は瞳を細めた。
 行く道を飾るイルミネーションがちらちらと点灯しだして、人々の目線が泳ぐ。歓声を上げる人、指を差す人、駆け寄る子供??。
 俺が欲していたものは何なのだろうか。
 あの時から俺は考え続けている。あの日からずっと??……。そうずっと……。
 考えなかった時は唯一、今では日課と化したお経を上げている時ぐらいだ。まーこんな日が来るとは思いもよらなかったが。その時ばかりは考えている余裕はない。いくら仏と契っていようと、日常使っていなけりゃ忘れるものだ。だから、何百年ぶりの読経は悪戦苦闘もいいところなのである。
 けれど、それ以外の時は、そう、酒に興じていようと何をしていようと寝るとき、……夢でさえも頭からそのことはそう簡単に離れてはくれなかった。
 俺が欲していたものは何なのだろうか。俺は何を欲したのか。俺は彼に……何を、

 ??何を、望んだのか。

「????……」
 俺が望むことなんて??。
 彼の、幸福(倖せ)には代えられない。
 けど、想いは??……!
 ??馬鹿ッ 千秋!
 前を行く少女。
 ??働かざるもの食うべからず!
 柱にもたれて座る俺の眼前で仁王立ちした少女。
 彼女がいなかったら??。
 俺は顎を引いた。
「なぁーつ。なーつ。南都ちゃん?」
 俺の呼び掛けを無視してずんずん行く彼女がいなかったら??。
「おーい、南都! 南都! 待てよ。南都ぅー!」
 俺は??。
「南都南都と……町中で大声で呼ばないでよ! 恥ず??」
 ここにいることは??……。
「??……ッ」
「??今日は」
 背を向けた彼女にふぁさりとマフラーを巻いた。
 肌ざわりの良い、白いマフラー。俺が買い物していた時、彼女が見ていたものだ。
「ありがとな」
 もしも彼女がいなかったら、俺は現実に係わることを今以上に拒絶して、きっと未だ内に籠もっていたに違いない。現実に疲れきった俺は少なくとも、町中に出てこようなんて考えもしなかっただろう。
 彼女がいなければ。
「どうした? 南都」
...