ことの始まり。3 

2004年10月24日(日) 23時26分
私は、何日か前にテレビでみたオレオレ詐欺撃退法を思い出して、

警察署だと名乗る方から電話番号を聞き、かけなおした。

でもやっぱり、『○○警察署でーす』

・・・・・・。若い女性の声で、またまた胡散臭くて、信用できなかった。

今考えたら、動揺していたからかもしれない。

半信半疑のまま、内線でつないでもらい、話のつづきを聞いた。

話の内容はこうだった。

『お母さんと思われる方が、駅のトイレで手首を切り、ハイターを飲んで自殺を図った。』

『気分が悪くなり、吐いて、フラフラしているところを警察が保護した』

『救急病院へ運ばれて、今処置中。番号を教えるから連絡してください』

福岡?!自殺未遂?!

まだ信じてはいなかったけれど、受話器を持つ、手が震え、頭が真っ白になった。

冷静な自分が、動揺する自分を見下ろしていた。

ことの始まり。2 

2004年10月24日(日) 23時06分
そのときは、家に、パパと、私と、弟がいた。

ママが居ないだけで、なにも変わらないいつもの風景だった。

あの電話が鳴るまでは。

『☆☆ですが〜、お父さんは居ますか?』

知らない人からの電話。

電話の向こうの声は、方言訛りがあるせいか、ひどく感じが悪く聞こえた。

最初はパパにかわろうと思ったけれど、

仕事の電話ではなさそうだし、パパは耳が悪いので、私が出ることにした。

「父は今外出していて、いません。」

『では、お母さんはいますか?』

「外出していて、まだ帰ってません」

『お母さんは、○○○○さんですか?』

「!?・・・そうですが・・」

『お嬢さんですか?お名前は?年齢は?』

「22です。」

『じゃぁ大丈夫だ。

○○警察署ですが、今、福岡にいるのかね?旅行中かね?

お母さんと思われる方が、福岡に来ているんですよ。

保険証を持っていたんでね、連絡したんですよ。

○○○○さん、生年月日は○○?痩せ型?』

色々質問された。頭がこんがらがった。

ママは、福岡に知り合いもいなければ、なにもないはず。

すごく遠いところにどうして?!信じられない!

たしかにママは帰っていなかったから不安はあったけれど、

電話口のおじさんの声は、感じが悪かったし、

最初に『お母さんはいますか?』って聞いて、居ないのを確認してから話し出したし、

あぁこれは・・・オレオレ詐欺だ!!!ってそう思った。

ことの始まり。 

2004年10月24日(日) 22時41分
パパが救急車で運ばれる前の日の夜。

まず、ママが入院したの。

その話を。

*  *  *  *  *

前日夜更かししちゃって、お昼くらいに起きたら、ママがいなかった。

「今日は一緒にモデルルームに行く約束していたのに、おかしいなぁ」

電話しても繋がらなくって。

何度もかけたけれど、留守番電話サービスセンター。

おばぁちゃんの家に居ってるのかな?おばさんと一緒かな?

でも、夕方7時を過ぎても連絡が取れず、心配になって、

おばぁちゃんの家に連絡。ママは来てないって。

ずっと家にいたパパに聞いても『知らない』との答え。

最近元気がなかったママ。遊びにいくはずなんてない。

仕事にも連絡して休みをもらい、帰りを待つことにした。

不安はどんどん大きくなって、なんだかいやな予感はしていた。

そう、昨日の夜。なぜか心配で胸騒ぎがしたの。

ドアの向こうから、なにかやってくるようなそんな感覚に襲われた。

私ね、いやな予感ってあたるの。

そんなの、全然うれしくない。

時間が過ぎるのが、とても遅く感じられた。

友だち 

2004年10月24日(日) 22時27分
泣いてばかりの私。

仲良しの友だちには、全然連絡が出来ない。

頼れない・相談できないのは、昔から。

遠慮したり、弱いところをみせたくないわけじゃないの。

泣くのはいやだし、頼っちゃいそうで怖いってゆう思いと、

なんてゆうのかな、めんどくさいっていうのもある。

へんなの。

ママが入院したってきいて動揺して電話して、

ママの病院(福岡)に行く時に、

がんばれってメールが来た、親友とはそれっきり。

遠慮してるのかな。

自分を慰める。

めんどくさいとか思うくせに、

連絡が来ないのは、すごく、さみしくて。

すごく、孤独を感じるの。

どうでもいい人(ごめんなさい)からは、頻繁に心配してるってメールが来る。

どうでもいい人なのに、嬉しかったり。

私、わがままだね。

こうやってさみしいと、

パパは、家族がいるのに、ずっと孤立してたから、

きっと、もっともっと、さみしかっただろうなぁ。

なんでもっと早く、気がつかなかったんだろう。

かっこいいパパ 

2004年10月24日(日) 21時31分
ずっとずっと、病気になってからのパパを、

かっこいいって思ったことがなかったけれど、

今、病院でがんばってるパパは、とても、とてもかっこいい。

普通のお父さんとはちょっと違うかもしれないけれど、

これが、パパの勇姿なの。

パパがかっこよくって、がんばっているから、

私はね、パパはまだ、元気になれるんじゃないかって、思ってしまうの。

パパはまだまだがんばりたいんだって。

だって、まだ57歳だよ。

こんなことで、パパは負けないんだって。

救急車で運ばれる前は、話をしてたって聞いたけれど、

それは奇跡だったのかな。

気力で踏ん張っていたのかな。

パパ、かっこいいよ。

いま、みんなに、考えたり、後悔が無いようにする時間をくれている事だって、

パパががんばっているからで。

パパはやっぱり、私の、だいすきな、かっこいいパパだって、

やっと、気付くことが出来たの。


パパの気持ち。 

2004年10月24日(日) 21時22分
パパは、パパは、どうしたい?

パパは、パパは、どう思っているの?

苦しいよね、痛いよね、辛いよね。

ごめんね、何も出来なくて、弱虫で。

今日は一日、薬で眠っていたって。

もう、おきることはないのかな?

薬をきったら、おきる?

でも、意識があると、パパ、痛くてつらい?

おきても、チューブがあるし、それがないと呼吸できないし、

パパとはどっちみち、お話できない。

それを受け止められない。話がしたい!話がしたい!話がしたい!

私ね、今、すごく、パパと話がしたいの。

パパが、どう思っているか、話が聞きたいの。

お医者さんや、家族の言うことなんて、関係ない。

パパの、気持ちが知りたいの。

ねぇ、パパ。

ごめんね、パパ。

お医者さまの話。 

2004年10月24日(日) 21時06分
今日、お兄ちゃんとママが聞いてきた話は、

昨日、私が聞いた話より、もっと悪くなっていた。

もう、楽にしてあげたほうがいいかもしれないです。

先生が、そう言ったって。

もう、良くなる可能性は、ほとんど無い。

そう言ったって。

なんで?どうして?そんな、急に。

このままずっとは、苦しいから、楽にしてあげたほうがいいって。

もし、そうする場合は、透析をやめるんだって。

でも、呼吸のチューブは取れないんだって。

じゃぁ、意味ないじゃない。

呼吸のチューブって苦しいんでしょう?

呼吸のチューブがあったら、家族とも話せないんでしょう?

苦しいまま、話せないまま、透析をやめるだけで、

なにが楽なの?

お願い、先生。

お願い、神様。

誰か、誰か、パパを助けて!

入院5日目。 

2004年10月24日(日) 20時59分
今日は パパの病院へ行けなかった。

こわかったの。

昨日見たパパの姿。

痛々しくて、見ていられないの。

また、おんなじ姿を見ると思うと、こわいの。

泣いちゃいそうで。

昨日よりも良くなっているはず!って、

必死に自分を奮い立たせているから、

本当のことを、確かめるのが怖かったの。

ママとおにいちゃんは、車でパパのところへ向かっている間、

私はずっと、パパへのお手紙を書いていた。

病院のベッドの横の柵に、

パパから見えるように、貼るの。

パパ、がんばれ!!

いつもおうえんしているよ!

パパが見えるように、大きな字で。ピンクのペンで。

不安の涙に溺れて 

2004年10月24日(日) 20時50分
昨日は一晩中、涙が止まらなかった。

眼が腫れて、すごい顔。

パパは絶対良くなるの!

今回だって必ず元気になる!

またおうちに帰ってこれる!

悪い方向には考えたくない。

信じているの。

でも、不安で怖くて仕方が無いの。

パパは今、がんばっているのに。

神様、私には、何が出来るの??

祈ることしか、出来ないの?

今日は一日、おうちで過ごした。

外に行くのが怖い。

出かけしまったら、何かあった時に、

すぐかけつけられないのは、こわいから。

ホラね、私。

また悪い方向に考えているの。

パパと私 

2004年10月24日(日) 1時18分
パパ、ごめんね。

ずっと、パパにやさしく出来なかった。

パパの苦しみを一緒に支えてあげることが出来なかった。

やさしい言葉をかけるどころか、パパにきつくあたっていた。

私はいつも、トゲトゲしていた。

朝起きて、パパが起きてくると、いらいらした。

パパを見ていると、声を聞くと、いらいらした。

パパに何か話しかけられても、(ここが痛い、とか、そんなことしかいわないんだもん。)

聞こえないフリをした。

いつも病人のオーラが漂っていて、わがままで、怒りっぽくて、何も出来なくて、

こんなのがお父さんだなんて思いたくなかった。

パパが入院したとき、正直、死んじゃってもいいって思ったりもした。

8月に危篤状態で死ななかったときなんて、がっかりしたくらいだったから・・。

ママの時はしんじゃやだ!って心から思ったのに。

パパのこと、キライじゃないけれど、すきでもないのかもしれない。

今も、なんだかよくわからないの。

パパが死んだら楽になるって思っちゃう私がいる。

パパが元気になってほしいって思う私もいる。

元気じゃない病気のパパは嫌い、だなんておかしいよね。

ひどいよね。

本当は私、病気のパパがキライなんじゃなくて、病気がキライなだけだって思いたい。

後悔はしたくない。

たまに(私の気分が良いとき)パパに話しかけたり、手を振ると、

パパね、すごく嬉しそうだったの。忘れられない。

私の心もあったかくなった。

そんなときは、これからはいつもこうしよう!って思うんだけど、

やっぱり、出来なくって。

今からでも遅くないよね。

後悔はしたくない。

2004年10月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
最新コメント
アイコン画像ぴよぴよ
» ことの始まり。3 (2004年11月05日)
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:forgetxxnot
読者になる
Yapme!一覧
読者になる