オリバーツイスト

November 06 [Tue], 2012, 20:40
こんにちは。ご来訪ありがとうございます。

私のいる地域はもう寒いです。この国は秋をすっとばして冬になってしまうよう…
まだ雪が降らないのが救いでしょうか…。

さて先日コースワークでオリバーツイストを読みました。どうも堅苦しいイメージがあって食わず嫌いだった作品なのですが、先に映画を見てから読んだらイメージもしやすくなかなか面白かったです。

映画はもうオリバーがかわいくて。そしてドジャーがイケメンすぎるという…。
本では立派な悪党だったフェイガンですが、映画の方ではもう少し慈悲のある姿を見ることができます。


肝心の内容についてですが。
私の友達はあまり好きではないと言っていましたね〜。授業でも少し議論になったのですが、オリバーが変わっていくのはなく、回りの人間が変わるのに流されていくだけ、と彼女は取っているようです。確かにオリバーのキャラクターというのは、主人公らしく自分を持ってわが道をゆく、という感じではありません。いつも悲しげな表情をして、世間の波に乗ってゆく感じを受けます。

しかし一方で私個人としてはオリバーがただ流されているようには思えません。ドジャーに誘われて、悪の道に染まりかけますが、彼自身がそれを悪だと自覚しているんですね。ドジャーの場合は、悪だと知りながらも、時代に対するあきらめというか、ある意味で割り切った大人の考え方をしているわけなんですが。

貧富の差が激しく、ドジャーのような子供がたくさんいた時代だと聞きます。ということは、ある意味でスリなんて日常茶飯事で、むしろ食べてゆくために当然、と思いそれを悪いことだとすら自覚しない子供も多かったのではないかと思うんです。そんな中たった10歳のオリバーがそれをきちんと自覚し、拒否しようとするのは彼の根底に善の心を見る気がします。

ですが、たしかに全編を通して、先ほども述べたようにオリバーの性格としてはおとなしく流されやすいというのはあげられると思います。
そしてこの性格を考えたとき、私は中勘助の「銀の匙」という小説を思い出します。

前篇と後編に分かれているこの小説、夏目漱石が前篇を絶賛したことで有名です。いわく「回りの人間たちから(外的な)の影響によって形成される柔らかな自我(数年前の記憶なので、正しくこういっていたかは覚えていませんが、このような内容)」
この主人公たしかにオリバーに似ています。幼馴染の女の子やらいろいろ出てくるのですが、あまり主張をする感じではなく、周りからの主張を自分の内側に吸収していくような感じでしょうか。


実は私も大学の課題で読むまで知らなかった「銀の匙」山あり谷あり、という感じではないので好き嫌いが分かれてしまうかもしれませんが、まさに主人公の柔軟な自我が見られると思いますので、お手に取ってみてください。あまりこのような主人公見かけないなーと思いますので、そういった視点で見ても楽しめるかと思います。


それでは失礼します。
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現在イギリスで大学院生をやっております。しかし何を隠そう当方腐っておりますので、そっちも吐き出しつつ、授業で感じたことやら何やら書いて行こうと思います。
英文科に現在は在籍なのですが、もともと日文出身なのでそれらの領域で文学や本についてちょこっと書きます。大学院の情報なども興味のある方いらっしゃったら…

さっきも言いましたが当方腐っておりまして、今はヘ/タ/リ/ア(べ/い/え/い)推しです。当然回りに話せる人がいないのでwwここでそれも吐き出します。カテゴリは分けますがご注意ください。

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