grace #1 

November 22 [Mon], 2010, 21:11






一筋の煙が漂う。


苦い香りがする……煙草の煙。


懐かしい、その光景。

普段のお前を知ってる人は、きっと幻滅する。


仮にも、お前はザフトのエースのパイロットなんだから、知れ渡ればもう…お前は終わりだぞ。


「俺の顔に……何かついてる?」



じっとアスランの方を見てたカガリは、ふと我に返る。


「別に?」



そうして、頬杖しながらまた……彼を見てた。


煙草の煙は、私にもしっかりと浸透してる。


もう慣れていた。

というか……私はこの煙が好きだったから。


煙が部屋全体に広がって、私は…まるで、その煙に包まれているような…そんな感じがする。



だから、嫌いじゃない。





「吸うかい?」



「……やめとく。お前の煙だけで充分」




……なんてな。

本当は、煙草なんて吸えない。


いつもそう言って…ごまかしてきた。




男の人は…意外な一面を持ちすぎだ。

多少の違う一面を見ても…ドキドキしてしまう。



「カガリ」




煙草を吸い終えたアスランが、ゆっくりとカガリへ近づく。



「な、なに…………?」



じりじりと……くる。



エトランゼ 

June 16 [Wed], 2010, 15:02


恋愛関係には、始まりはあり、終わりがくる時は、終わりがくる。

ずっと一緒にいるというのも、それは一時の言葉。


時には、離れた方がいい場合だって、あるのだ。


一緒にいることだけが、すべてじゃない。


近くにいないと、体温を感じないと、不安でたまらないという感情だってあるだろう。

ただそれも、人それぞれ。


私もそうだ。


アスランがいなくては、生きていけないなんて、そんな弱々しい女じゃない。

アスランに嫌われたらどうしようとか、考えたこともない。



嫌われたなら、必要とされなくなったなら、それでいいと思った。


気持ちがなくなってしまったのなら、求めても、自分が虚しくなるだけだから。


カガリの恋愛感は、そんな感じであった。



「私が離れていったらどうなるんだとか、お前、考えたこと、あるのか?」



彼はいつも、自分を求めてくれる。

どんなに離れていても、長い時間、一緒にいなくても、ずっと自分だけを見ていてくれる。

その真っ直ぐさを、自分が勿論、知るよしもなくて、困らせたかもしれないが、カガリはアスランに問い掛ける。





「カガリは、俺から離れていかないよ」



柔らかな微笑みを見せると、アスランはカガリの腰に両手を回す。



「な……そ、そんなの、わからないじゃないか?!」


「俺がカガリを離さないから、カガリは俺から離れられない」


そしてカガリを力強く抱きしめる。



「わ、私の気持ちは無視かよ…………///」




嘘。


知ってる。


表面で繕っても、私はアスランを離すつもりは、まったくないっていうことに。







赤い実 

May 29 [Sat], 2010, 20:33




「ごめん………」



その言葉に、私は、逃げることができなかった。


私には、昔から、抱き着く癖があった。

男女関係なく。

恋愛感情を意識した時は、あまりなくて、恥ずかしいと思ったことはなかった。


何故だろう。母性本能というものなのだろうか。


ほっとけなかったし、なんとかしてあげたいと思った。


温もりを感じれば、落ち着くっていうこと、あるだろう?


誰かが傍にいてくれれば、ただ、それだけでも、十分違うのだから。



でも、あの時。




初めて、彼に、アスランに抱きしめられた時。



初めて、恥ずかしいという感情を覚えた。


いつもなら、ぎゅっと、抱きしめ返すことができるのに……


どうして、そうすることができなかったんだろう。




愛情表現 

May 23 [Sun], 2010, 18:38


いつぞやか。


カガリとたくさん、キスをした。

これでもかというくらい、たくさん、たくさん、たくさんキスをした。


カガリは、たまに、苦しそうな表情をしていたように見えたけれど。

一度味わった、彼女の唇の感触が、自分の雄をくすぐらせてしまった。


唇を何度も、


何度も、



ゆっくりと密着させて。



そしてたまに、カガリと目を合わせて。




君は、半分、ぼやっとしている目で、自分を見ていて。



まるで、まだ、やめないでと言っているみたいで。


それがまた、そそられて。



深いキスをまた、落としていく。




(もう……これはやばいな)



自分の中の自分が、彼女をほしいと、限界を感じながら。



会いたい 

May 23 [Sun], 2010, 18:37




「会いたかった」



アスラン・ザラは、一ヶ月後、久しぶりに会ったカガリ・ユラ・アスハにそう告げた。


聞き慣れた言葉であるから、おいおい、とカガリは、優しく笑みを零す。


だが、今日は違った。



「会いたくて、会いたくて、会いたかった」



こんなに何回も連呼されたことに彼女は驚き、そして、自分の顔が急激に赤く染まっていくことがわかる。


アスランが自分に近づいてくる。
聞き慣れた足音。カガリは、後にも引けない。

どうしてだろう、愛しい。



「そんなに会いたかったのか?」



なんて、聞いてみる。




「ああ、そうだよ。毎日が長くて長くて、仕方がなかった」



「……バカだな、お前は」




カガリは再び、顔を赤らめ、その後、そんな彼に、優しくキスをして、愛しい彼をぎゅっと抱きしめた。

自分もだよ、と伝えるように。


好き。 

May 23 [Sun], 2010, 18:36




言ってよ。聞かせてよ。








ただ、純粋に好きだったんだ。

こんな気持ち知らなかった。


バカなことをしてしまっても。

冗談でもいいから、君が俺を好きだと言ってくれたことを。


でも、これはなんだろう。

夢を見ているのだろうか。



「私な、アスランのことが、大好きなんだぞ!」



今まで、ツンツンとしていた彼女が、ある日突然、笑顔を見せて、こんなことを言うようになった。


「カガ………」


「本当はずっとな、好きだったんだ!」




そしてぎゅっと、俺に抱き着いてくる彼女。


今までの彼女を見ているからなのだろうか。

一瞬でも、自分の理性が揺らいだりしたのだが、困惑を隠せないでいたのもまた、事実だった。


俺も、君も、素直じゃないから。


いや、素直になれないのだ。



自分が傍にいてと言えば、彼女は、傍にいてくれることはわかっていた。

自分が強要して、それを相手に押し付けるなんて、そんなことは以っての外だった。

そんなこと無理なくせに。

ひとりで立っているのは、疲れるのに。

だから、彼女を欲した。

必要と感じているのは、体が反応しているから、知っていたけれど、それを口に出すことは、簡単にはできなかった。


でも、彼女は。





「おかしいな……。こうすれば、アスランは笑ってくれるって、キラが言ってたのに」


「どういう………」


「お前、言わないから、わからないし、私もストレートに言えないから……それを不安にさせていたなら……悪かったなと思って」



ふと、わかる。


自分が、そういう風に見えていたということに。

そして、


自分も伝えなくてはということに。




「俺も、好きだよ」



好きだよ。


ずっと傍にいたい。


わかってるくせに 

May 23 [Sun], 2010, 18:35




「もう、寝ようか」


アスランはリビングを後にし、寝室のベットへと腰掛けた。

後を追うように、カガリが寝室へと足を運ばせる。

ベットはダブルサイズで、奥の方にアスラン、手前にカガリが眠っていた。



「……」

「カガリ?」




無言のまま、カガリが既に横になっている、アスランの隣へと横になった。


「何かしてほしいのか?」

「……お前なら、わかるだろう?」


「うーん………二つは思い浮かんだけど、ひとつは……」

「じゃあ、後者の方だ」


アスランが言葉を発する前に、カガリが言葉を遮った。




「あははは」


「う、うるさいぞ」


「はい、ほら」



アスランは右腕をカガリへ延ばし、カガリをそっと抱き寄せる。



「やっぱり……落ち着くな、お前」







『はじめて』 

May 23 [Sun], 2010, 18:33




周りから、優秀だとか、完璧だ、とか、そんなはずないのだが。








実際、自分では、そういうことを思ったことは、一度もない。

もちろん、何も努力をしてないわけではなく、自分なりに勉学に励み、射撃、MS、プログラミング、情報処理、機械等、勤しんできたつもりだ。

ただ、これだけは。こればかりは。



「いっ……た……痛い痛い!!!!」


「…っ…………」



彼女、カガリと『初めて』を迎えた時。
彼女がとても愛おしくて、欲しくて、触れたくて、どうしようもなくて。

ただ、どのように触れていいのかが、わからなくて。


彼女に痛い思いをさせてしまっている。



泣かせて、ごめん。

痛い思いをさせて、ごめん。

申し訳ない気持ちが、胸の奥から込み上げる。



「初めてだ」



涙を流す彼女から、その言葉。



「余裕がないお前を見たの」


「ああ、ないよ。余裕なんて」


「開き直るなよ」




もう少し。

もう少しで、君を気持ち良くしてあげるから





inoubliable 

May 23 [Sun], 2010, 18:32




夢にさえ、見なければよかった。

知らなければよかった。

そうすれば、こんな気持ちなど、味わうことなんて、なかったのに………








こんなこと、たまにあった。

怖いかった。アスランに近づくのが。

昔だったら、全然、そんなことなかったのに。

平気で抱き着いていたのに。

今は、彼が、自分を見つけないようにと、どこかで願っている。



(私が声さえかけなければ、あいつも、楽になるかもしれない)


少しずつ距離を置くようになれば、彼も自然と、自分のことを、あまり気にしなくなるだろう−−−−−−−


浅はかな考えだが、これが、カガリにできる、精一杯のことだった。



自分と会話すれば、アスランは嘘で返すから。





それがアスランが望んでいないと、知っていても。





君には私が必要でしょう?(拍手掲載) 

October 23 [Tue], 2007, 19:10
「身体だけでも、いいじゃない。そうでしょう?」



リベラルストイック・ASUNA


癒しが欲しいでしょう?

君は私を必要としているでしょう?


そんなに悩まないでさ、忘れちゃおうよ。


アスラン。


こっちに来て?


だって君は、私を好きだったんでしょう?


もう過去の話だ、なんて言わせないわ。






君のぬくもりを感じていることで、俺はそれだけで大丈夫だった。


彼女は俺を優しく包んでくれたんだ。抱きしめてくれた。


そして触れさせてくれた。

やわらかくて、温かい。


あいつを忘れたくて、君を使ったわけじゃない。

俺は本当に君のことが好きなんだ。


カガリ。


――――――カガリ。




「もう……抑えがきかないみたいだ……触ってもいい?」



カガリが頬を赤らめる。そして俺は華奢な身体を抱きしめる。

幸せだった。
これからのことに気づきもせずに。

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