資産問題

July 01 [Mon], 2013, 21:35
オーストリアヘの影響力を弱められたソ連は、赤軍への
反対運動を理由に、オーストリア人を逮捕したり、拉致し
たりして不安をかきたて、テロや暴力の恐怖で牽制しよう
とした。
ペツネックにはこのころから、尾行がつくようになった。
帰宅はいつも夜おそく、最寄りの駅から自宅に歩いて帰る
途中、暗い夜道には必ず後ろに黒い影が、靴音だけはいや
に高く石畳に響くようについてきた。立ち止まると黒い影
も立ち止まる。 一人の時もあれば二人の時もあって、身の
危険を感じたペツネックは、警察に届け出た。要人の多く
にほとんど尾行がついているとのことであったが、エリザ
ベートには何も話さなかった。
彼女がそれを知ったのはかなり後になってからだが、そ
のころには、ベツネックは米軍の車が送り迎えしてくれる
ようになる。彼女は帰宅の車の音がすると、どんなにおそ
くても自分でペツネックを迎えに出た。米占領軍以外に自
動車を持っている人は少なく、自動車で送迎されるのは、
重要職務をになう一部の閣僚クラスの人たちだけである。
ドイツ資産問題は、連合国の理事会でも、ソ連の主張が
エスカレートするばかりで解決にはほど遠く、ペツネック
の仕事はむずかしくなる一方であった。
「ソ連の接収計画がそのまま実施されたら、オーストリア
企業の約半分が永久にソ連の手に渡り、オーストリアは自
立できなくなる。これ以上は譲るわけにはいかない」   
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