HE AND SHE C 

September 26 [Tue], 2006, 23:30
「ねぇ・・・昨日一緒に歩いてた男ってダレ?」

それは裕太に送ってもらった次の日の事だった

誠哉がいつもとは違う目で私を見つめていた

「?何の事?」

私は誠哉が何を言っているのかが良く理解できず

そう問い返した

「昨日・・・夕方男と歩いてる所見たんだって、俺の友達が」

苛立ちをなんとかかくそうとしている誠哉に

私は戸惑った

「あぁ・・裕太のこと?たまたま放課後一緒になって送ってもらったんだ」

「・・・それだけ?」

「・・・それだけだけど?なんで?」

「・・・・・」

裕太を男として意識した事なんて一度もない

好きだけど

友達として

昨日だってただ送ってもらっただけで

私にはやましい事なんてひとつだってない

・・・ないはずなのに

誠哉のいつもと違う視線

苛立ってる姿を見て

私は突然罪の意識が湧いてきた

「ごめん。。心配かけて」

そう謝る他にどうしていいか分からない

「奈々ちゃんってさ・・俺の事好きじゃないでしょ?」

突然の誠哉の言葉に

私は言葉を失った

「・・・・・・」

「・・・はは・・・そんなことないとか言ってほしかったんだけどな・・・」

「ごめんっ!・・私」

誠哉は私の言葉をさえぎって

「もういい。。じゃあね」

ってそう言って

背を向けて歩き出した

どうしたらいい?

そんなことない!好きだよって言えば良かった?

けどそんなセリフ浮かんでも来なかった・・・

私・・・

どうしたら良かったの?




- * - * - * - * - * - * -


「奈々〜!!」

卒業式一週間前

最後のリハーサルの日

私は図書館にいた

借りていた本を最後まで読んで返して帰ろうと思い

黙々と本を読んでいた時に、誰かに呼ばれ

私は声の方を向いた


裕太だった

「・・なに?」

誠哉と別れたあの日から

私は裕太を避けていた

裕太と私の間にやましい事なんてないのに

誠哉への罪滅ぼしなのか

罪の意識が芽生えてしまった自分が

ただ逃げたいだけなのか

奈々にはもうそんな事はどちらでも良かった

「いやぁ奈々ここにいるだろうなぁって思ってさぁ」

いつもの太陽みたいなかわいい笑顔で話しかけてくる

裕太

いままで避けていたことがとてつもなく

申し訳なく感じた

裕太は何も悪くなかったのに


「。。ふぅ〜ん。どうしたの?」

裕太はは私の隣の椅子に腰掛け

私のほうを向いて話し始めた

「奈々さぁ 別れたらしいじゃん?」

「!!」

裕太からその話題が出て来た事に

驚いた

「・・・まぁね・・」

「噂では・・・俺が原因って聞いたんだけど・・」

「そうよ〜!!裕太と一緒に帰ってる所見られててね。もういいってさ」

「・・・・」

裕太は黙って私の話を聞いていた

「・・ホント裕太なんてただの友達で男として意識したことなかったのに。。やっぱ私恋愛とか良くわかんないや」

「・・・・・ホントさ、人の気持ちとかもうちょっと考えたほうがいいよ奈々は」

突然 裕太が声を荒げた

「え・・・」

私は裕太の言った言葉の意味を理解しようと必死だった

「・・・彼氏はさ、俺と帰った事で怒ったんじゃないんじゃねー??」

「・・・でも・・」

「お前はいいよな!鈍感で!恋愛分かんないとか言いながら平気で他人を傷つけてることも気づかないんだから」

私は裕太の発する言葉を耳に入れるのが精一杯で

でも裕太はとても傷ついた顔をしていた

「・・・ごめん」

どうしていいか分からず

謝る事しかできない自分

うつむく事しか出来ない自分

「・・・そうやってうつむいてたってダメ・・」

「え・・・・!!」

突然の事だった

何がなんだか分からず

ただ呆然と目を見開いている私

裕太の唇と自分の唇が重なっているんだと

気づいたときにはもう私の唇を割って

裕太の暖かい舌が滑り込んできていた

「!!んぅ!!」

クチュ・・・クチュ

裕太は何度も角度を変えながら

私の唇を味わっている

こんなキス

「ンッ・・」

甘い声が漏れる

抵抗したいのに出来ない

どうしてなの?

「・・・ハァ・・ん・・・奈々」

「ンゥ」

いつも呼ばれている自分の名前が

急にいやらしい物に感じた

いつもと違う裕太に戸惑っていた

「奈々・・好き」

「ンッ!!」

キスの合間に裕太は切なそうに私を見つめ

苦しそうにそう言って私の口を裕太の唇で塞いだ

クチュ・・チュ・・ンチュ・・

誰もいない

二人だけの図書館に

二人の音だけが響く

私はどうすることもできず

ただ裕太の腕を力いっぱい握り締めていた

HE AND SHE B 

September 26 [Tue], 2006, 0:14
奈々はいつもの通り

10時を過ぎるころには夕食もお風呂も済ませ

一人ゆっくりとした時間を過ごしていた

お風呂上りに缶ビールを開ける

これもいつものこと。。

ビールで喉を潤しながら

毎週欠かさず見ているドラマに見入っていた


恋愛はあまり好きではない

けど、恋愛ドラマには見入ってしまう

他人事だからだろうか?

一時間だけ

まるで自分の身に起こったことかの様に

感情移入している自分がいた

けど、一時間を過ぎてしまえば

忘れてしまう

その一時間がどんなに悲しい展開で終わろうが

どんなに幸せな展開で終わろうが

一時間が過ぎてしまえば

忘れてしまえる

簡単な感情

奈々にはそれが気楽だった

リアルな恋愛は疲れるだけだと

奈々は避けて通っている



高校卒業をしたあの日から・・・・







高校1年生の時


同じクラスになった祐太

背が高くて、少し日焼けしていて

笑ったら童顔になる笑顔

奈々は祐太が好きだった

友達として

そして祐太も


祐太はサッカー部に所属していて

それなりに活躍していた。

祐太は女の子に人気があった

恋愛ごとに疎かった奈々は純粋に祐太を友達として見ていて

友達として接していた

それは祐太以外の男に対しても同じだった

そんな奈々に好意を寄せる男は少なくなかった

そんな奈々を疎ましく思う女も



高校三年生

奈々に初めての彼氏ができた

他校の同じ歳の男だった

その男を好きか嫌いか奈々にも分からなかった

だが、奈々に対していつもまっすぐに気持ちを伝えてくる

この男を拒否することが出来なかった



「奈々ちゃん、進路ってどうなってる??」

1ヶ月前付き合いだした始めての彼氏

毎日私の学校まで迎えに来てくれる

誠哉(トモヤ)は優しい

「推薦でもう受験終わってるの」

「早いなぁ!さすがだね。。いいなぁ。どこ受けたんだっけ?」

「M大の国際文学」

「M大?!スゲっ!!てかじゃあこの町出るんだ?」

私の受けた大学は県隣の大学で

高校を卒業すると私は必然的に私はこの町を離れる

「うん。隣だけどね」

「そっかぁ・・おれ地元のG大受ける予定なんだ」

「そうなんだ?じゃあこれから頑張らないと!G大って結構競争率高いらしいよ??」

「マジでかー??やべぇ;俺かなり不安になってきた」

「手伝える事あったら手伝うから」

「ありがと。。奈々ちゃん・・・」



卒業までのタイムリミットが

少しづつ近づくこの頃に付き合いだした私たちは

意外とうまく行ってて

でもそれは全部誠哉のおかげだとゆうことも分かっていた



卒業式のちょうど1ヶ月前だったあの日

奈々は図書館に寄っていていつもより帰りが遅くなった

誠哉は今日は体調を崩し寝込んでいた

2月の夕方はあまりに短く

奈々が学校を出ようとした6時過ぎ

空はもう暗くて

吐く息が白くハッキリと見えた


「あれぇ??奈々ジャン」

昇降口を出て行こうとしたとき

誰かの声に呼び止められ声のするほうを向いた

「祐太じゃん、何してんの?」

「今から帰るとこ〜」

「ふぅ〜ん、サッカー?」

「そそ!後輩たちを指導してたのよ!残り少なくなってきたからね〜」

「ホント、好きだねぇ〜サッカー」

「取り柄がそれだけだからね〜」

「そうだねぇ〜」

「・・・そんなことないとかゆえよ」

「あはは」

私たちは一緒に昇降口を出て

帰路についた

祐太と私の家は反対方向で

でも「暗いから送ってやるよ、俺って優しいぃ〜!」

って祐太が言ってくれたから素直に送ってもらった

「さみぃー!!」

祐太は嬉しそうにそう言った

鼻を真っ赤にして笑いながら

そんな祐太をかわいい奴

と、奈々は思った

「そういえば祐太って大学地元だっけ??」

「・・・え〜なんでよ?そうゆう奈々はどこだっけ??」

「もうっ!教えたじゃん!M大!」

「あ!そっか!そうそう!!さすが奈々は頭いいもんなぁ」

「まぁねぇ〜。誰かさんと違って勉強ちゃんとしてたし」

「誰かさんって・・ダレ?」

「さぁ、ダレだろうなぁ〜??」

「俺じゃないことは確かなんだけどな〜ダレかな??」

「お前だっつの!!G大でもサッカーすんの?結構G大って強かったよね??」

「う〜ん。。たぶんなぁ〜」

「たまには帰ってきて応援行くからね!」

「・・・・あぁ。頼んだよ!」


そんな馬鹿みたいな他愛もない話をしながら

祐太は家の前まで送ってくれて

いい奴だなってまた改めて感じた

祐太は太陽みたいに明るくて

優しくて

いい友達だ



HE AND SHEA 

September 25 [Mon], 2006, 0:02
6時になると終業のチャイムが鳴り、

みんなそれぞれ岐路に着く

私もチャイムと同時に席にあるパソコンの電源を落とし、

ロッカールームに向かった。


いつもと同じ。

毎日同じ。

日本人口のほとんどがそうに違いない。

それなのに自分だけ

取り残されたような感覚になるのはどうしてか?

そんな毎日が幸せなんだとゆうことも分かっているくせに。

そう、

私は幸せなんだ。

そう言い聞かせて会社を出た。

家に帰っても一人。

それを望んだのは自分自身。

誰のせいでもない。



* - * - * - * * - * - * - * - * - * - * - * - *



「1857円のお買い上げになります」

いつも会社帰りに寄るコンビニ

明日の朝食と雑誌

これも毎日のコト


家に帰り夕飯を作る

割と自炊は好きでよくやる。


ガタンッ!!

と外からドアを閉める音が聞こえてきた

"お隣って空き部屋だったの誰かはいったんだぁ〜"

そう思いながら気にも留めずに夕食を口に運ぶ

さっきのドアを閉める音から数分後に

またドアの音がした

 バタンッ!!

"ウルサイナァ もうちょっと丁寧に閉めたらいいのに、、"

そう考えていると急にチャイムが鳴った

"え?うち??"

急なチャイムの電子音にびっくりしつつも

インタフォンを取り、ドアの外の相手に話しかけた

「はい?」

「あの夜分遅くにすみません、今日隣に越してきた向口です。」

若い男の声

"隣のひとか"

「あ、はい今開けます」

そう告げてインターフォンの受話器を置き

玄関に向かった

カチャ・・

ゆっくりとドアを開けるとそこには若い男が立っていた

ブルーと白のストライプのシャツの裾をGパンの中にいれ

15センチ上から私を見下ろしている男

「すいません、夕食中でしたか?」

男はそのシャツと同じくらいさわやかな笑顔で私に問いかけてきた

「いえ、大丈夫です」

「今日705に越してきた向口勇(コウグチイサム)といいます。」

「あ、704の相田七奈です」

「ご面倒かけることもあるかもしれませんが、宜しくお願いします。これ、ほんとつまらないものなんんですがどうぞ」

丁寧な挨拶をして男はオレンジ色の箱を差し出した

「お気遣いありがとうございます。こちらこそ宜しくお願いします。」

と、私はオレンジの箱を受け取った。

挨拶の定番と言えば洗剤・タオル・コーヒー

・・・・これだとコーヒーかな?と箱の中身を想像しつつ

男と挨拶を済ませリビングに戻った。

"何歳だろ?若かったけど年下かな?"

オレンジの箱を見つめながらあっきの男を思い出していた

"向口かぁ・・"

隣に人が入ってきたのは初めてだ

けど、人生においてそんな重大な出来事でもない

七奈は気に留めず中断していた夕食を

口に運んだ


"頂物は明日の朝開けよう"

コーヒーだと決め付けた箱の中身

隣の男の事も10分後には忘れていた。

HE AND SHE 

September 21 [Thu], 2006, 23:17
卒業。

それは自由な響き

それは責任の始まり


3年間着ていたこの制服をも日この日で

二度と着る事もない

毎日通ったこの道も

毎日過ごしたこの部屋も

グランドも、食堂も、この

学校と言う全ての空間

全てにさよなら

私の気持ちはココに置いてゆく

さようなら



もう二度と思い出してなんかやるものか





* - *  * - * - * - * - * - * - * - * - * - *


「そういえば!!!聞いた?」

日差しも和らいできた9月の半ば

14時53分

この時間はいつもココいる

缶コーヒー片手にタバコを吸いながら

休憩室から見る外の景色はとても素晴らしい世界のように見える

「何を?」

まったりと、ゆっくりと流れるこの時間を

毎日共有している同期入社の友香に

問いかけられた質問の返事を返した。

「国内事業部の永田さん!!結婚するらしいよ!!」

「へぇ〜。。相手はダレなの?」

「同期の正田さん」

「ほぉ。付き合ってたんだっけ?あの二人」

「ね〜知らなかったよ〜」

26にもなると周りの話題は結婚だの出産だの

そんなのばっかり。

先月も大学時代の友人が結婚した

結婚なんてイマイチ ピンと来ない

私はまだ子供だ

「あ〜〜〜!!羨ましいよぅ」

友香はそう言って、2本目のタバコに火をつけた

「あんたそればっか」

「だってさぁ。。もう26だし。。ラッシュの波に乗り遅れたくないだもん。。」

今度は友香が窓の外を見つめながらそう言った。

友香にも窓の外の世界は素晴らしい世界のように見えるのだろうか?


そんなコトを考えながら友香と同じ目線の先を

見つめた





おんなのこ 

September 21 [Thu], 2006, 0:59


今日からはじめます。


女の子の恋のお話。


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