歩いていく。 

June 28 [Thu], 2007, 1:46
足を左右に出すことなら誰だって出来る。それが出来ないと思うのだから、自分は普通ではないのだと思う。なんて思って涙ぐんだら改札で駅員に肩を叩かれて励まされた。なんて世界は腐りきれないんだ。

歩いていく2 

June 28 [Thu], 2007, 1:49
明滅する携帯電話のスヌーズ音には、とっくの昔に気付いていた。ただ、その表示を見る勇気すら俺にはない。心配そうにこちらを見る誰かの顔が浮かび、天邪鬼な口はか細い声で悪態をつく。

歩いていく。3 

June 28 [Thu], 2007, 1:51
畜生、なんて哀れなんだ。といってみてはたと我に返ったり、そんな情けない事を繰り返した。分かってるよ、残念ながら自分は今不幸なんだ。誰でもない、自分のおかげさまで。そんな状態で彼女を理想化できるか? 彼女の髪が翻った匂いを思い出せるか? 大抵の人間はノーと答えるだろう。ご他聞にもれず自分もノーと答える。くだらない。そんなものがなくたって生きていけるんだ。別に自分の人生がそれすべてで出来てるでもない。だから、歩いていけるんだ。

歩いていく。4 

June 28 [Thu], 2007, 1:52
では、今なぜ自分は立ち止まっているんだろう。その自問を僕は黙殺した。改札の向こう側で地下鉄の発車するベルが聞こえる。歩き出せない足をぼんやりと眺めて、次第にぼやけていく視界を見ないように意識し、そして失敗した。

歩いていく。5 

June 28 [Thu], 2007, 1:52
最低だ。気がつけば今年で24歳の男が駅のホームで号泣。それを当たり前のように受け入れる周りに呆れながらも、安堵していた。大丈夫だ、自分は歩いていける。少なくとも、自分の世界は腐ってない。

歩いていく。6 

June 28 [Thu], 2007, 1:57
打ちひしがれている自分を肯定する。年甲斐もなく、鼻水まで流しながら、涙を流す自分を肯定する。一度、泣いてしまったことで、不思議と何かが晴れた気がした。後は、この足を動かすだけだ。ここでまた思考が止まる。僕はどっちに向かって歩こうというのだろうか。

歩いていく。7 

June 28 [Thu], 2007, 1:58
なんて、ちょっと小説の主人公みたいなことを考えて、苦笑した。まずは、あと2分で来るであろう電車に乗ろう。それから、好きな本をベッドに放って、シャワーを浴びて、やさしい音楽を流して、お笑い番組でも見て、そして思いっきり痛みを振り返ろう。始まりは、たぶんこの一歩からだ。この一歩で、歩いていける。

歩いていく。8 

June 28 [Thu], 2007, 2:01
ぐちゃぐちゃな顔をそのままに、前を向いた。そのまま右足を改札へと踏み出す。へにゃりと力を抜いていく足を辛うじて踏ん張り、定期を通した。あとは惰性で通り抜ける。後ろを見ないように、今降りてきた階段を見ないように、僕はホームに向かっていく。

歩いていく。fin 

June 28 [Thu], 2007, 2:02
そこから先は、簡単だ。ただ、歩いていく。くだらないことは明日に投げて、歩いていく。その先にある、何かを信じるために。

ケータイ 

October 09 [Thu], 2008, 23:39
いい加減に彼の近況を更新しやすいように携帯から更新に切り替えました。

画像が見にくくなるかもしれませんがご容赦ください。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:first_cry
読者になる
2007年06月
« 前の月  |  次の月 »
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新コメント
アイコン画像KAMI
» てすと (2008年10月22日)
アイコン画像ヨシオ
» てすと (2008年10月18日)
Yapme!一覧
読者になる