とこしえの夏の調べ 

August 28 [Mon], 2017, 20:34
気づいてみれば、なんと2ヶ月間もここからご無沙汰していました…忝い。前回更新の翌日、無事発売記念イベントをやり遂げた「コロムビア・ガールズ伝説」も、無事10月25日に第2弾2枚発売が決定し、現在その準備に大わらわな一方、来月FVco(=ルル網)始動及びRacco-1000誕生20周年記念月間として、計3回イベント開催を決め、それに向けてときめきと不安が交錯した日々を送っています。とはいえ、全ては激務の合間ということで、何とか身体を大きく壊さずに済んでるのがせめてもの救いというところ。
Racco-1000の誕生を1997年9月とはっきり定義したことはなかったけれど(命名のきっかけとなったテレビ番組は確かその年の5月頃放映されたはず)、歴史を紐解いてみればその9月に決定的な出来事が起こっていることが判明したので、その説明やら、イベント開催の動機なども交えつつ、来月はこちらの方も隙を見て更新の機会を増やしたいと思います。とにかく告知しないとお客さんが集められないからね。各イベント、それぞれにスペシャルな奇跡が起こる予感。と言いつつ、最大のときめきはクローズドな機会に訪れるのが確実…生きててよかった…

さて、こんな激動の8月の終わりに、一足先に「生きててよかった…」と思わされたイベントに関わることができたので、忘れずに記しておこうと思います。
土曜日に参加した、相模原市藤野町にて行われた「そらにわ2017〜秘密基地〜」。
元はというと、隣町の山梨県上野原に住居を移したTakkidudaのお二人に誘われ、かつてnikine時代いくつかのイベントで培った「自然発生音楽」魂を供給してほしいとの依頼があり、これを断ってどうするんだという気持ちが即芽生えました。何せ「フエフケール」での開眼が記憶に新しかったし。当日の天気に不安がまだ残っていたものの、ありったけの笛と共に、普段アウトドアに持ち出すことを自粛気味の手軽じゃない楽器を「音楽とともに心中する」覚悟で持参を決めました。引越しの際発見し、こちらも頑なに使わなかったナイアガラ・レーベルのタオルまで持っていくことにしたし。

いざ会場に着くと、想定外の好天と共に広がる自由な空気。即、これはウッドストックになり得るという予感がした。それを実感したのは、開演間もなく、ちょっと離れたステージでアコギの弾き語り娘が歌い始めた時。PAの向きと逆側だった関係で、何を歌っているかははっきり聞こえてこないけど、アコギが何のコードを弾いているかは何とか追える。よって、それに合わせて自然発生的に合奏が始まった。思ってみれば、ロック革命期のフリーコンサートに於いて、あまりの距離感にステージで何が起こっているかを体感できない観客の間で、同じような現象が起こるのは常だった。そんなケースに備えて皆アコギや笛を持ってたんだろうなと。そんなことが、現在の夏フェスで起こり得るか。少なくとも、享受と献身だけがライヴ参加の目的と化している今の東京に、そんな哲学を持ち込むのはとても無理だろう。一昨年、初年度の「渋谷ズンチャカ」に参加した時、ちょっと方法論を弄ればウッドストックになり得るフェスという感想を抱いたけれど、その後の流れを観察する限り、そこに至る答えを見つけるのは難しい(音楽を取り巻くビジネス的環境まで含めて)。その一方で、群馬の廃校で行われた「FAUVISME」でも感じたけれど、都心から離れた場所の大らかな空気に育まれた民たちは、自然に音に溶け込み、その創造へと参加する精神を生まれつき習得してる気がする。そういう場所にRacco-1000はいくらでも出向いて行きたいし、みんなの心を覚醒したくてしょうがない。参加者の中には、東京地区に別の用事があったので、空き時間を利用して参加したという京都のお嬢さんもいらっしゃったけれど、彼女の奏でた純真な音も、幼いお子さんを連れて参加したお母さんの奏でた素直な音も、生まれたままの新鮮な感触で場に溶け込んだ。ただ上手く曲を奏でることに固執しつつ、プロらしさを顔に出そうなんて思わない生き方がいかにかっこ悪いか、改めて思い知らされた。音楽ってこうも自由じゃなきゃ、だめなんだ。

SAO嬢の提案で、主催者の一人であるAnnaさんのステージをみんなで楽器を持って冷やかすという作戦が大成功に終わった後、予報通り突然の雨。時に激しく音遊びブースのテントを揺さぶり、デリケートな楽器や電気機器の行方が思わず心配になってしまう。今年のサマソニの日を襲った激しい雷雨のことを想起しながら、グランド・ファンクの「ハートブレイカー」を歌おうなんて気楽な冗談まで飛び出す心の余裕。幸い、ダメージはそれほど酷いものにならずに済んだ。むしろナイアガラのタオルに救われた(汗)。
そして日も暮れた頃、盛大にキャンプファイアーが焚かれ、その周りをみんなでぐるぐる回りながら、自由に音を奏でまくる至上の瞬間。この連帯感は、実にサマー・オブ・ラブだった。愛の調べには、決まったメロディーなんかない。ほんと楽しかった。Takkidudaのお二人、運営の皆様、Raccoの楽器を持って絡んでくださった皆様には、感謝の気持ちが絶えません。

というわけで、無意識のうちに夏が終わろうとしているけど、むしろFVcoの熱い季節はこれからです。いよいよ20周年月間が始まります。その第一弾イベントは、9月9日19時より、おなじみCafe FLYING TEAPOTにて「Party 'cause it's 2999」。開放的雰囲気とまでは言わないけれど、今まで築いた人脈が気ままに交われるよう、音楽と憩いのある時間を楽しく過ごそうというパーリーです。楽器とおやつを持って、ぜひ気楽に遊びに来てください。参加費500円とドリンク代はかかりますが、来ていただいた方には、15日阿佐ヶ谷ネクストサンデーで開催するライヴイベントにディスカウント価格で参加できる特典を用意していますのでぜひぜひ!

ミュージックは魔法の調べ 

June 27 [Tue], 2017, 22:15
昨日は、昨年9月京都と新宿での開催に立て続けに参加して以来となる、向井千恵さん主催の即興表現ワークショップPerspective Emotionにて久々に自我を放射。「フエフケール」ワークショップで、演奏との付き合い方に於ける新しい方向性を見つけたとはいえ、表現する側としては昨年6月以来行き詰まり状態から依然脱皮できない状態が続いているし、同調できそうな新しい仲間を見つけても「こっち側」になかなか招き入れられないもどかしさがそれにさらに拍車をかけていて、Racco-1000の今後に関して真剣に憂いていたりしたのだけど、ここに来るとそんな虚しさから解放されるというか、ここに集う仲間こそ本当の刺激をもたらしてくれるものだと再び思い知った。何せ、特定のジャンルや演奏スタイルに縛られる音楽の集いに行くと、たとえポテンシャルの高そうな人にめぐり逢おうが、居心地の悪さを感じてアタックできずに終わるとのがオチだって、震災直後に出かけた某所で思い知らされてるわけだから、こうやって自分が溶け込める空間にいると幸せを感じる。この快感を、いかにして後続へと継承していくか。それもRacco-1000の新しい課題の一つなのです。昨日は新生Raccoに於ける第3の重要メンバーの椅子が埋まりました。秋以降、この3人を軸に、どしどし攻めていこうと思います。

しかし、昨日のパフォーマンス全体に込められた只者ではないオーラは何ゆえだったんだろう。考えてみれば、向井さんが今回東京に来た主な目的は、前日行われた生悦住英夫氏の追悼ライヴに出ることだ。
去る2月27日、その生命を全うした生悦住さんは、明大前にあった特殊レコードショップ「モダーン・ミュージック」のオーナーでありPSFレーベルの代表として、世界のアヴァンギャルド・シーンにその名を轟かせた存在だった。自分も特に80年代前半、「モダーン・ミュージック」にはお世話になりまくった。滋賀在住末期に読みふけった「ロックマガジン」に、当時池袋の他下北沢にも店舗を構えていた「五番街」と共に広告を出していた東京のレコード屋さんの代表的存在ということで、上京した途端行かねばと思った。さすがに当時は見ず知らずの前衛ニューウェイヴを買うのは怖かったから、もっぱらレジデンツ周辺の7インチとかを買ってた覚えがある。やがて、82年の秋にここで「アンクル・ミート」を買ったことで、ザッパに深入りすることになったし、84年以降サイケにはまりまくった頃はより深くお世話になった。王道サイケほど高い値段を付けられなかったおかげで気軽に買えた作品のいくつかが、のちにソフトロックブームが訪れた頃、その手の名盤として騒がれることになるなんて、予期できるわけもない。90年代の初めには、「まさかここでこんなに沢山見つけるなんて!」と驚愕させたジャンデックのアルバムを、恐る恐る2枚だけ買ってみたり。そんなわけで、自分の血になり肉となるものを与えてくれたレコード店10傑には、ここは確実に入っていると思う。

昨日セシオン杉並に集まった19人が奏でたパフォーマンスには、天上へと訴えかけるようなパワーが確かにあった。普段そこまでノイズやアヴァンギャルドに親しんでいない者にさえ、導きへのヒントは確実に降りていたような気がする。すごい連帯感を感じた。自分も改めて、ああそうだったのかと思い知らされ涙に襲われた。合掌。

さて、そんなポップの対極から一気に通俗的世界へと駆け下りていく自分でありますが、いよいよ明日新宿duesにて「コロムビア・ガールズ伝説」発売記念イベントをやります。ここでしか聞けないヤバい曲満載の「ガールズ外伝」、そしてスペシャルゲスト三東ルシアさん登場と、短い間ですがめちゃ濃いですよ! この瞬間を目撃したい方、明日夕方までにお近くのディスクユニオンに走って1枚でもゲットしてから新宿へ急いで下さい!

汚れなき悪戯 

June 11 [Sun], 2017, 23:48
東陽町にあるダウンタウンレコードにて、18日まで開催される「あなたの知らない『汚レコードの世界展』」。とある作戦を敢行するため、昨日現場を訪ねたのですが、まさに個人の自我がこんな形で流出を見るとはと、いろいろと感慨深くなることに。

実はこっそり明かすけど、自分もある時期までは所有レコードのパーソナライズに関して全く無頓着な人でした。そういう傾向が形作られ始めたのが小学生時代だから、仕方ないです。小学生からマニア体質を持ってしまえば、大人になって社会不適合になるのは見え見えだしね。とにかく、少なくとも小学5年生あたりまでに手にしたレコードの中には、ジャケット・盤とも綺麗な状態で残っているものは殆どありません。無頓着なものについつい彩色したいという欲を募らせる代表作、ニール・ヤングの「ZUMA」を、不幸にも自分は小学5年の時に手にしてるのですが(確か当時デパートで頻繁に行われていた輸入盤セールで買ったような。家族が服とか日用品を見てる間、大抵自分はレコード店か本屋に放置され、じっくり勉強の場を与えられていました。で、波長がいいとなんか手に入れられたりして)、その内袋にはしっかり、当時の学友をディスる文句が書かれていました(汗)。
それ以後のものに関しても、例えばオールディーズのコンピレーション盤なんかだと、ビルボードの最高順位やオリジナルレコード番号を曲目の横に記していたり、「貸レ対策」としてタイミング記載がなくなった84年あたりのレコードの歌詞カードに自分で計測したタイムを記していたり、中袋にぎっしり曲目解説を記した盤もいっぱい。
まぁ要するに、自分の編集者欲を満足させる手段としてそういうことをやってたんじゃないかと思います。勝手に番組を作ったり、友達のためにテープを作ったり。インターネットがなかった頃は、そうやって欲求不満を解消するしかなかったのは確か。当時はマトリックスとかE式なんて言葉に好き者精神を揺さぶられるとか、そんな概念は全くなかったですから。

その後94年に例の「みかん箱事件」で、某有線局から捨てられる運命にあったレコードを大量に譲られることになるのですが、そこはまたコレクターのデリケートな世界と全く別惑星でした。局にキャンペーンで訪れる歌手のサイン入りとか、放送に関する指示などが記されたベーシックなものに加え、担当者の心の余裕が炸裂したような、白レーベルプロモをアートレーベル仕様にしてしまったやつとか、盤そのものにまで意図的に細工が施されてしまったものまで。もうこうなったら、レコードは嗜好品なんかじゃなくなります。早速これらのレコードのスリーヴにまで、自分の手で感想を記入してしまったものがいくつか生まれました。いいじゃないですか、自分の金で買ったわけじゃないんだから。

まぁそういう、音楽的な動機が絡んだパーソナライズとは全く無縁の細工を持ち主にさせてしまったのは一体何なのか、不思議な気分にさせるレコード群(カセットの場合は、市販ソフトの余った部分に自分で音を入れるケースさえあり得るから、余計油断できない)。それぞれの持ち主の脳内ドラマなんだろうなぁ。そして、そういう持ち主の元から、必然のように自ら生命を得て逃げていき、意味を見いださずにいられない人の手元に流れ込む。そこまでがドラマ。

今の自分は、かつて昭和の喫茶店の空気を嫌というほど吸ったと思しき「歌のない歌謡曲」のレコードを救済するのに夢中になっている。ピカピカのレア盤をありえない値段で買うよりは、然るべき時代の名残を伝えてくれる盤をなるべく沢山救済する方を当然選ぶ。
でもね、永遠に愛したい盤に出会ったら、なるべく綺麗に保つように。それだけは本音です。

さあようこそここへx2.5 

June 01 [Thu], 2017, 17:45
自分内での「コロムビア・ガールズ伝説」祭りをたった2日で鎮静させた「サージェント・ペパー祭り」。いつもなら朝仕事を終えて家に戻って、昼仕事に出かけるまでの間に早すぎる昼食(!)とか家事いろいろをせっせと片付けるわずかな時間の間、5月26日にはオンライン予約した店舗が10時半開店なのをいいことに、でかい箱を引き取りに行ってきました。お店のお姉さんがせっせとバックルームにブツを取りに行って、重そうに持ってきて、特典ポスターを巻き、雨の日だったので忘れずにビニールで包む(過去貴重なポスターを雨にやられたことは何度もある)作業にいちいちときめきまくり、そのお店にガールズ伝説が置いてない悲しみも何処へやら。それを抱えて昼現場に向かい、そこからはサージェント漬け。厳密には前の日に店舗周りをした際買ったトッドの新譜やフリートウッド・マックの再発、谷山浩子のベスト盤や無茶して買った大量のLPをも当然しっかりチェックしましたけどね。

というわけで、今日こそが英国で「サージェント」が発売された日から50年という記念すべき日。ゆえにこのタイトル(爆)。

2009年にリマスター盤が出た時、ビートルズのおさらいを一通り行ったので、自分の「サージェント観」についてはそこで触れたものを参考にしていただければ幸いですが、まっさらな気持ちで接したこのリミックス盤で、改めてこのアルバムの怪物性に打ちのめされています。「モノ・ヴァージョンの質感」をステレオで再現したことが話題の焦点となってますが、もうのっけから攻めまくってる。ビートルズが当時意図した、架空のコンサートというコンセプトの持つ「ライヴ感」の強調。当然、当時彼らが味わった絶望的ライヴ感を全否定し、あり得ない音作りを多用しながらも、それらがコンサートのプログラムとして機能していることを、すべての音が攻めに転じているこのリミックスで痛感させられます。と同時に、完成版に至るプロセスをドキュメントすることで、余計生々しい印象が高まっている。これは完全に自分の「サージェント観」が変わってしまいそう。サイケデリックシンドロームに彩られた非現実的作品というイメージが最早ない。先にリンクしたエントリで既に語ってたけど、「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」の中で彼らが何に「ターン・オンしてほしい」と歌ったかというと、「現実」に他ならないのだから。あまりにも現実にターン・オンしてない人が多すぎる今の日本に対しては、これは大いなるカウンターパンチですよ。

未発表音源の目玉としては、当初その曲のフィナーレのために意図されていた「ハムド・ラスト・コード」が遂に開帳されました。混沌のオーケストラセッションの最後に、そこに残っていた豪華ゲストメンバーと共に録音したもので、恐らくマイク・ネスミス、グレアム・ナッシュ、ドノヴァンらが参加していると思われる(女性の声が聞かれるが、マリアンヌ・フェイスフルやマリーケというよりヨーコの様な気がしてならない)。確かに重厚な出来ではあるけれど、フィナーレとしては物足りない。ただ、これと音高まで共有する同じ様なコーラスが、翌年発表されたザ・ナポレオンの「逢いたい逢いたい」の中で聴かれることは、興味深いシンクロニシティーではないですか。

そしてやはり、噂の"Carnival Of Light"や他の気ままなジャムセッションの様な、サイケ時代らしい混沌の欠片は、一切排除されている。これらを入れてしまうと、このアルバムの生命観が削がれるのは必然だと思うし。ただ、未発表テイク集に入っているタイトル曲のベーシックトラックの最後、気ままな演奏が続いている間にポールが適当に歌っているフレーズが、のちに2000年の実験作「リヴァプール・サウンド・コラージュ」で何度もサンプリングされているアレだとわかって目からウロコ。あの作品で強調されたサイケ性の出自は、やはり「サージェント」時代の物だったんだなと。

さあ、50年目の夏は本気でサマー・オブ・ラブにしなければ。今のこの国を取り巻くいろいろな矛盾(それこそラブなきセックスの顛末が、国家レベルで取り沙汰されているのに!)に立ち向かうために。混沌とは無縁の、しっかりした愛と連帯が必要なのだ。と言いつつ、混沌の極み「サタニック・マジェスティーズ」50周年もしっかり祝いたいものです。

想像力少女〜ガールズ伝説アートの世界 (インクルーディング謝罪) 

May 28 [Sun], 2017, 15:41
「コロムビア・ガールズ伝説」、やっと発売を迎え今日で5日目です。発売翌日には来月のイベントに向けてのミーティングを挟んで渋谷と新宿の主要店を駆け回り、興味深そうに手に取るお客様の姿にはらはらしたり、イベント会場となるディスクユニオン昭和歌謡館さんの熱すぎる展開に我を忘れたり(企画の初期段階の頃はユニオンさんのおかげで命拾いしたり、いろいろありましたが、何とか恩返しできた気分)、勿論行く先々で最低1枚は商品を購入するなど、レコードビジネスの有難味を身をもって噛み締めていました。勿論次の日には朝仕事と昼仕事の間に予約していた「サージェント・ペパーズ」箱を取りに行きましたが、それで限度です…これに関しては、また別の機会にじっくりと。

さて、うきうき気分でと行きたいところですが、まずは一件謝罪から。じっくり推敲に推敲を重ねてきたはずの「ガールズ伝説」の解説ですが、やってはいけないイージーミスを犯してしまったことが判明しました。
「SECOND GENERATION」2枚目の16曲目、森恵に関してです。森恵という名前でレコード活動をした女性は、現在活躍中のギター弾き語りSSWも含め、正直のところ2名です。そこにどういうわけか「森泉」2名が混線して、トータル4名という数字を記載してしまいました(モデルの方の森泉のCDリリースに関しては、殆ど秘密裏同然)。テイチクからデビューした森泉の「何かが始まるのです」はかつて共同監修したコンピに選曲していて、今回の企画の初期段階でも何度か聴き返しているはずなのですが、何がどうしてどうなったのやら。やはり、精神的どん底が極限状態にある時には、こういう仕事ってやっちゃいけないんだなと弱音を吐きたい気持ちを抑えつつ、推敲作業にはマニア度が高い人材の方が適切かもと、過去のリイシュー盤で同じようなあり得ない言及ミスが何度か起こっていることを考え合わせ、改めて思わされました。すべての森恵、森泉、森雪(何でや)各氏及び関係者の皆様に改めて謝罪の意を表すと共に、今後はより丹念な作業を心がけてまいります。

まぁ色々なリイシュー盤に接してきた上で、政治・宗教・犯罪(当人が被害者の場合も。ネット上のトラブルのような些細なものまで含める)・人種問題・アダルトビジネス(楽曲の放送禁止程度なら有り)に関することは一切書かないというような節度は身につけつつ、それらを微妙にほのめかすテクニックをネタとして採り入れる位のユーモアセンスは持っておかないととは常々思っています(だから森雪です…汗)。ただ硬いこと言ってるだけじゃ、リアルで接する人に気難しい印象しか与えかねないですし。かと言って、「知っているのに知らんぷり〜」な解説を書くのは絶対避けたいし。マニアの人が絶対何か言ってきますから。色々と難しいですよね。とはいえ、基本好き者というスタンスは、ずっと変えないつもりです。歌謡研究家とか、そういう肩書きに首を絞められると、今後もっともっと苦しくなるし。それこそ、Racco-1000ができなくなるほど苦しみたくはないから。

さて、ラブリーサイドに戻りますか。「ガールズ伝説」、おかげさまでいろんなネットメディアに取り上げていただくことができましたが、ネットの力で拡散していく際、サムネイル的な画像としてCDジャケットの画が出るだけでほんとときめきます。このジャケットについて、前にも書きましたが、ありきたりなアイドルコンピ的デザインにするのは絶対避けたかった。最近のアイドルコンピ市場を見ると、iTunesのサムネイルならまだ納得できるけどという感じの、工夫のない大雑把なものが増えてきているし、かと言って当時のアイドルの写真をコラージュしたようなごちゃごちゃしたものも避けたかった。ぱっと見昭和色を強調したデザインを採用するより、昭和の中のファンシーなイメージを現代のタッチでろ過したような、ポップなイラストを使うのがベストだと判断しました。

となると、白羽の矢を立てるのはこの人しかいない。というわけで、キタサコクミコさんの登場となりました。

キタサコさんとは、2011年に初めて関わった「ぐるぐる回る」で、スタッフとして初めて顔を合わせ、その年の秋に開催したフリーセッションイベントに遊びに来てくれて、魅力的なフルート演奏を聴かせてくれ、即意気投合したのですが、翌年本格的にスタートした「ぐるぐるTOIRO」ではアート面のトータルプロデュース的役割を担い、公式ポスターやTシャツのデザイン、会場の飾り等を担当。その繊細なタッチはインディーズバンドのCDジャケットをも飾りましたが、寧ろソフトロックのような、繊細でラブリーな音楽こそが彼女の作風を必要としているのだと常々思っていました。
自分にはソフトロックのコンピを手がけるという話が巡ってきそうもないので、これは永遠の妄想になるなと思い続ける中、コロムビアでアイドルのコンピをやろうという話をいただき、ジャケットをどうするかと思い始めた途端、「アイドルこそラブリーじゃん! ならキタサコさんしかいない」とひらめき、トントン拍子で話が進みました。

今回のジャケット制作に関しては、アートディレクターの内山さんも交えて3人でじっくりコンセプトを練り、各年代に相応しいイメージを組み合わせながら、現代乙女ならではの直線的感覚でフロントカバーを作りあげました。タイトルロゴは、河合奈保子「エスカレーション」的な文字傾斜というリクエスト。各年代のジャケに登場する人物像に関しては、髪型にはこだわりたいと注文しただけで、あとは彼女の感性にお任せしました。ところどころに、当時を知る者だけがニヤリとするネタや、収録曲に関連するネタもちりばめ、ここでも決して茶目っ気は忘れません(「FIRST GENERATION」では窓の外に公衆電話が登場するのですが、何とそれをタイトルにした平田マキ子の曲が収録不可というオチがつきました。この「収録不可」に関する事情に触れるのは、ネット上ではこの程度にしておきます)。

こうして完成したジャケットが、ネットニュースを飾り、さらに「ジャケ買い推奨」とまで書かれてしまうと、ああよかったとしか思えないのです。例えばネットニュースのサムネイルが河合奈保子の写真だったとしたら、奈保子以外の収録アーティストに失礼な結果になってしまうし、ごちゃごちゃしたイメージや工夫のないデザインだったら何をか言わんやです。やはり、商品になる以上は、見た目にこだわらなきゃと思って当然ですね。

これを契機に、キタサコさんの世界がより広がりを見せますようにと祈っています。そして、これからのコンピ界に風穴を開けますように。
以上、このブログにおける「ガールズ伝説」の裏話はここで完結にしたいと思いますが、今日から来月28日の新宿duesでのイベント開催までの間、本家本元大人のMusic Calendarとコロムビアの公式サイトとの連携で、もっともっと煽ってまいりますので、皆様どうかよろしくお願い申し上げます。
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微小総合娯楽商社[Fine Vacation Company]代表の気ままブログ(5代目)です。
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