「でもそうはならないと思う、兄貴は

September 26 [Thu], 2013, 15:46
の。一枚一枚紙に書いて交わすんじゃ
なく、巻物を往復してるの!」
「まあ、めずらしい」
「御経か何かじゃないの」
「ばかね、あんなうれしげに御経を見る人がいるわけないじゃない」
「奥様も、恋かしらね」www.wwc1.com

「旦那様がお知りになったら、どう思われることやら…」
「知ってるよ、俺がすすめたんだもの」
几帳の裏から顔を出されて、女房たちは思わず声をあげた。
「旦那様!」
「いつからおいでに?」
「最初から」
光は笑うと、うつ伏せに寝ながら足をぱたぱた動かした。
いつもとは違うかすかな香で、風下だから気づかなかったらしい。
「おすすめになったって、お相手はどなたなんです?」
「俺が最も愛し、尊敬している男さ」
「まあ、男の方」ポロシャツ メンズ

「旦那様より貴い方なんですの?」
「うん、未来の帝だよ」
その答えに皆驚いて、目を見合わせた。
「どうして春宮さまとの交際をおすすめに?」
「だって楽しそうでしょう」
「それはそうですけど…」
「最高の貴女には最高の貴人をあてて、毒消しをはかったのさ。結果
は思ったとおりだったよ」
光は頬杖をついて顔を起こすと、前をきゅっとにらんだ。
「俺では会ってすらくれないんだもの。浮気者とはいえ、あんまりだよ。
彼女は俺を、同じヒトとも思ってないんじゃないかな」
これには女房たちも皆黙ってしまった。
たしかに、葵の心の閉ざしようはひどい。
男に浮気させても仕方ないほどのうちとけなさを、葵は見せている。
「その永久凍土みたいな心を、すこしでも解かしたかったんだ。兄貴は
適任だったよ」
「でも、その、間違いはおこりませんの?あまり親しくなっては」
「まちがいって?」
すっと見る目が美しかった。
「恋にまちがいなどないさ。付き合うなら手引きするよ、なんなら俺が」
「まあ」フレッドペリー アウトレット

「でもそうはならないと思う、兄貴はクールだからね。奪ったり壊したり
するほど、やさしくはない」
「ずいぶんお信じになるのですね」
「だって兄弟だもの」
「愛しい方をお迎えしたので、奥様の気をおそらせになりたいんでしょう」
「ほう、よく知ってるね」
光は噂の伝わる速さにうんざりしつつ、それを気色にも見せなかった。
「美しく貴い人でね、心のきれいな者でなければ見ることはできない。
魂が消されるからね。もちろん君たちにも見せられないよ」
「まあ、ひどい」
「ふふふ」
光は笑って女房たちと戯れあった。
葵が会ってくれない日は、こうしてつれづれを慰めている。
P R
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