ガラス工事について説明&紹介

January 03 [Thu], 2013, 0:28
次いで、宣伝部長の辻が掌の膏をズボンの尻で拭きながらはひつて来た。
「さつき話した斎木素子さんだ。社長が三顧の礼をもつて迎へた方だからね、万事特別にな。指導は指導、命令は命令だが、一方よくまた、このひとの希望もいれてね、大いに独創力を発揮してもらはんといかんな。宣伝部に籍があるのは勿論だが、同時に、社の高等政策だな、つまり、宣伝ならざる宣伝の部門で、自由に活躍できるやうにな、君ひとつ、そこは含んでおいてくれたまへ。他の部員にも、君からよく誤解のないやうに説明しておく必要があるぞ」
 宣伝部長は、社長に一礼し、
「それぢや、こちらへ……」
 と、彼女を促した。



 最初のうちこそ、このオフイスの空気は彼女にはおよそそぐはぬものであつたけれども、一週間二週間と通つてゐるうちに、自分でもだいぶん板について来たやうに思へた。
 同僚たち、特に同性の事務員との接触が一番苦手だつた。なぜかと云へば、向うでこつちをお客さん扱ひにするばかりでなく、中にははつきり不信の眼をもつてみてゐるものがあつたからである。
 彼女はしかし、周囲との調和をはかるために、みんなとおなじことをしようとは心掛けなかつた。
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