育児で大事なのは保育の質・・・三歳児神話 2

2007年09月19日(水) 15時46分
 3歳児神話を検証する2〜育児の現場から〜 恵泉女学園大学教授 大日向 雅美氏(日本赤ちゃん学会・・チャイルド・リサーチ・ネットより抜粋しました。

「3歳児神話とは‘3歳までは母親が子育てに専念すべきだ’という考え方だとのご紹介が既にありましたが、内容的には次の三つの要素から成り立っていると私は考えております。

 まず第1の要素は、子どもの成長にとって3歳までが非常に大切だという考え方。
 第2の要素は、その大切な時期だからこそ、生来的に育児の適性を持った母親が養育に専念しなければならないという考え方。
 そして第3の要素は、もし母親が働く等の理由で、子どもが3歳まで、あるいは就学前ぐらいまでの時期を育児に専念しないと、子どもはとても寂しい思いをして、将来にわたって成長にゆがみをもたらすという考え方、です。

 さて、心理学の観点から考えると、こうした要素から成る考え方は果たして神話か否かということですが、答えはイエスでもあり、ノーでもあると私は考えております。

 まず、第1点の幼少期の大切さですが、これは否定してはならないと思います。

 しかし、なぜ幼少期が大事かについても同時に考える必要があります。幼少期の課題は愛を知ることです。人から愛されて、他者を信頼する心を育みます。また他者から愛されて、自信を持つことができます。 
 そして、それほど大切な愛とはいったいどのようなものかを考えてみると、3歳児神話の第2の要素である‘育児の適性は女性が生来的に持っているのだから、母親が育児に専念しなければならない’という考え方には、必ずしも絶対的な根拠はないといえます。
 なぜなら幼少期に注がれるべき愛情は、適切かつ応答的な情報であり、それは母親だけが担えるものとは限らないからです。養育行動を想像していただければおわかりのように、子どもを抱き、笑顔であやし、食事を与えるという養育者の行動は、いずれも触覚、視覚、聴覚、味覚等の情報として子どもにキャッチされています。もっともいくら情報といっても一方的に与えればいいのではなく、子どもの状態に併せて応答的に与えられることが大切ですし、しかも、そこには子どもを愛おしく思い、子どもが育つ力を精一杯支援しようという責任感に裏付けられた温かな思いやりが込められている必要があることは言うまでもありません。

 こうした愛情を注げるように母親も努力することは無論、必要です。しかし、母親以外の人、父親や祖父母、保育者や地域の人々もこうした愛を子どもに注ぐことは可能ですし、現に多くの人々がそうした養育行動を発揮しています。逆に母親であっても、置かれている生活環境が厳しい等の原因があって、苛立ちやストレスを強めてしまう結果、子どもに適切な愛情を注げない事例は少なくありません。

育児で大事なのは保育の質・・・三歳児神話は過去の福祉費削減の為の策略だったかも?!

2006年10月15日(日) 22時18分
2006年10月15日(日) 22:18 育 児で大事なのは保育の質・・・
       三歳児神話は過去の福祉費削減の為の策略だったかも?!

 『三歳児神話』という言葉を聞いた事がありますよね。「子供が小さいうち、とりわけ3歳までは、母親が育児に専念すべきだ」という考え方です。
 
 この考え方は、恵泉女学園大学教授(心理学)大日向氏(助産婦雑誌2001年9月号)によると・・・

 「大正以降に資本主義が導入され、都市にサラリーマン家庭が出現した事がきっかけである。『男は仕事・女は家庭』という性的役割分業が、産業社会を維持発展させる為に合理的効率的な体制とされて、母親が育児に専念する必要性を普及させる理念として求められた。1950年以後は戦後の高度成長期に必要なより良い未来の労働力育成が求められ、女性の社会進出により保育所保育が増えた。しかし1970年代の低成長期に入ると、福祉予算の削減という目的から保育所保育よりも家庭内育児の重要性が強調され、母親が育児に専念する生活が一般化した。」

 その当時日本に伝わったイギリスの精神医学者ボウルビィの報告書(1951年)の紹介のされ方にも問題があったらしい。「乳児院や孤児院などで乳児に見られた発達の遅れや異常が、乳児に与えられる感覚刺激の乏しさなどの施設の生活環境に原因があったのだが、発達や異常の原因は『母親不在にある』との一面が強調されたのである。」

  「しかし、これまでに『三歳児神話』が果たした機能は、全面的に否定されるものでもない。むしろ乳幼児期に母親が育児に専念する必要性を指摘した子育て観は、前述した社会的背景とマッチしたと同時に、家庭内で育児にあたる女性の地位が保障された面もある。」
 「大正期においては、女性が育児に専念する生活は、必ずしも社会の大勢になっていなかった。むしろ日本の大半は農家であり、若い母親は嫁いだ家の労働力として田畑の労働や家事に追われる生活を送っていたのである。育児に専念する時間はむしろ無く、昼間の育児は祖父母や他の家族が担当したり、地域ぐるみで子供を見守るシステムを持っていた。」 (「親方子方」『定本柳田國男集』第15巻筑波 書房1963)

 「しかし、今日にあっては『三歳児神話』の目指したものと、人々との生活とは逆方向を向いている。女性の高学歴化と社会参加の意欲の強まり、少子化・高齢化社会に対応するための労働力確保という点から見ても、仕事と育児の両立支援は今後の緊急課題であろう。1998年版『厚生白書』が‘『三歳児神話』には、合理的根拠がない’と断定するのは時代の流れである。
そして現在は核家族化に伴い、『三歳児神話』の弊害が母親や家族を苦しめている。母親1人に多くの育児負担を課し、子育てを楽しむゆとりを奪っている。同時に父親が育児から阻害され、父子関係の発達や育児を通した絆を築く機会を持ちにくくしている。さらには子供が親以外の人々の多様で豊かな愛情に触れて育つ機会も狭めている。」
 「『三歳児神話』がこれまでの性的役割分業社会を牽引に機能したように、これからは『男女共同参画』が21世紀の社会が目指すべき、必要かつ実現可能な道標であると言える。」

 以上の大日向氏の「三歳児神話の検証」のように、私達の子育て環境は日本の政治経済の目指す方向によって大きく影響されます。

 5〜10年前までは、テレビでも専業主婦と働く母のバトル番組をよく放送していたものです。今になって見れば、そんな事はどちらでもかまわない。『大切なのは子供に与えられる保育の質・育児の質の良さ』なのです。そのような研究結果はいくつも明らかになっているようです。
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