〈証言そのとき〉不屈不撓の一心:12 日航再建 まずは心から

September 16 [Sat], 2017, 21:42


■京セラ名誉会長 稲盛和夫さん


 2010年1月、経営破綻(はたん)した日本航空(JAL)の会長になってほしいと、政府と企業再生支援機構から言われました。事業会社としては戦後最大規模、負債2兆3千億円を抱えての倒産です。友人や家族は反対しました。「80歳を前に余計なことに手を出さなくてもいい」「晩節を汚したらどうする」と忠告してくれた。マスコミも二次破綻(はたん)の可能性を指摘していました。


 何度もお断りしましたが、それでも「あなたしかいない」と懇願されました。真剣に悩みました。でも、「世のため人のために役立つことが人間としての最高の行為である」というのが私の人生哲学です。日本マーキュリアル スーパーフライ -ナイキ エアマックス済への影響、3万人を超す従業員の雇用維持、そして、三つ目はJALが倒産すれば、日本の航空業界は大手が1社になって競争がなくなってしまう。国民にとっては不利益です。


 結局、会長職を引き受けました。78歳でした。他にも仕事があるので、「週3日ほどなら無給で務めさせていただきます」という条件でしたが、実際には一週間のほとんどを東京のホテルで暮らしました。遅くなると、どこも開いていないので、コンビニに寄って、おにぎりを2個買って帰った。おかかと昆布、定番でしたね。


■潰れても当たり前


 JALのことは何も知りませんでした。ただ、海外出張では利用していたので、乗客へのサービスがあらゆる面でよくないと思っていました。だんだん嫌いになって、JALに行くまでは乗っていなかった。マニュアル一辺倒、決まった通りにやっている。心からお客さんのためにという気持ちが表情、態度になかった。


 幹部10人ぐらいに会ってください、と言われました。色んな意見を聞いて、やっぱり私が外部から感じていた印象は間違っていなかった。官僚的な組織で、頭のいい人ばかりで、論議は正しい、言っていることもすばらしい。


 でも、私は零細企業から身を起こした人間ですから、心が伴っていないな、と感じました。ああ、これでは何万人の社員が心から信服してついてくるわけがないし、潰れても当たり前だと思いました。