奴のタイミング

January 22 [Sun], 2012, 23:07
服をすり抜けて
皮を浸して
そういう風に、
ゆっくりなじんでいった。
隣の彼は
始終、笑顔で
まるい空気に ただ つかっていた。
「おはよう」
「ねぇ」
「何してんの」
「ばーか」
「ばいばい」
私たちは
居るだけでよかったから
その“当たり前の一言”が
どんなに優しかったかなんて、考えたこともなかった。
あの時間は
あの、瞬間は
「久しぶり」
「久しぶり、元気だった?」
「おう。元気だよ。」
「そっか、良かった。」
君にとっても、大切なものだった?
「…。」
タイミングの良い君に、
私は思わず、言葉を飲み込んだ。けれど。
「どうかした?何かあったの?」
「…なんでわかるかな」
「わかるよ」
そう言って、笑ったりなんかするから。
「ばか」
「なじられるのも久しぶり」
「…君のこと、好きになれたら良いのに」
「痩せたら考えてやる」
「ばーか」
甘えたい気持ちが、抑えられなくなる。
「ま、話したくなったら言いなよ」
「…うん。」
優しい声色は
あの時のままなんだね?

「おやすみなさい。」
「うん。」
「ばいばい。」
「またな。」
そう言って、次の約束をとりつけてくれる君に。
“だいすきだよ”って
いつか、言えたらいいのに

(どうしてこの心(こ)は、こんなに わがままなんだろう?)
P R
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ぺかちう
読者になる
2012年01月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
最新記事
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる