<シベリア特措法>政権交代のたまもの 長生きしたかいがあった(毎日新聞)

June 18 [Fri], 2010, 8:38
 「これは我々にとっての勝利。ようやく天国の仲間たちに報告ができる」。16日、シベリア特措法の成立を衆院本会議場の傍聴席で見届けた全国抑留者補償協議会(全抑協)の平塚光雄会長(83)はそう喜んだ。

 全抑協の会員は10万人以上いたが、今は1000人に満たないという。傍聴した元抑留者8人のうち、池田幸一さん(89)は「当たり前のことなのに、どうしてこれだけ時間がかかったのか。しかし長生きしたかいがありました」と話した。【栗原俊雄】

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 ■解説

 ◇政権交代の「たまもの」

 シベリア抑留者でつくる全国抑留者補償協議会(全抑協)は30年以上、未払い賃金の補償を日本政府に求めてきた。民主党主導の議員立法によって、それが要求に沿った形で実現したのは、政権交代のたまものといえるだろう。

 司法は補償要求を退ける一方で、立法による救済を促してきた。だが、自民・公明両党は06年末、一律10万円分の旅行券などを「慰労品」として贈る法律を制定することで幕引きを図り、元抑留者の反発を招いた。

 今回の「特別給付金」も、最長11年に及ぶ抑留期間中の賃金に見合う額とはいえない。だが、抑留された期間に応じて支給する点では、全抑協などが求める「補償」の意味合いも含む。

 「戦後処理問題は解決済み」としてきた歴代政権の姿勢を転換する法律だけに、他の問題へも影響が及ぶのは必至。たとえば司法による救済を目指してきた東京大空襲の被害者団体は、立法運動を加速させる方針だ。国内外で積み残しになっている戦後処理問題に幅広く向き合っていくのか、国会と政府は決断を迫られるだろう。

 シベリア特措法が抑留の全容解明や遺骨・遺品の収集、追悼などの事業を行うための基本方針作成を政府に課した意義も大きい。抑留者約60万人のうち、生存する約8万人の平均年齢は88歳程度と推計されており遅滞は許されない。【栗原俊雄】

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