[感想]ユリポップ、にゃんことカイザー3巻 

June 13 [Sun], 2010, 14:07
珠月まやさんのとこ
なんかやってたので、感想を書いてみました!
書くのに時間かけた割には大した内容じゃなくて我ながらしょんぼり。

でもこういう投稿もありかーなどと思いました。

ゆき 

March 10 [Wed], 2010, 1:50
学食棟を出ると、視界の端に白いものが見えた。
随分と暗くなった景色に、時折ちらちらと見えるそれは、私と、ゆきが待ち望んでいたものだった。
「わ、降ってきたねぇ!りくちゃん!」
私に続いて外に出てきたゆきが、心底嬉しそうに声を上げる。
高校を卒業し、ルームシェアして同じ大学に通って、そろそろ一年になる。
住む場所も、二人の関係も、私の一人称も変わったけれど、
私も、彼女も、相変わらず自分の名前と同じ、それが好きだった。
こくん、と小さく頷いて、ゆきを見る。
彼女は、私の視線に気づくと、ふふっと声を出して笑った。
「何?」と短く尋ねると、「なーんでもないよー」と歌うように応えた。

彼女はいつかのように屋根のないところに飛び出し、両手を広げて空を仰いでいる。
故郷のそれと違い、水分を多く含んだ雪は、あっという間にそんな彼女のコートを濡らしていった。
その様子は、楽しそうなのにどこか憂いを帯びているようで、ちょっと胸が苦しくなる。
私は手提げから折りたたみ傘を取り出し、広げた。
「ん」
ゆきの方へ傘を傾けると、彼女は困ったような、笑っているような顔で近付き、私の腕に寄り添うように傘の下に入ってきた。
「気が利くねぇ、りくちゃん」
ほめられているんだか、からかわれているんだかわからない口調で言われた。
「天気予報、一緒に見たじゃない」
私はちょっと拗ねたような声音で言う。 ゆきは黙って、にこにこと微笑んでいた。

「なんかこうしてると、高校の時の事思い出すな」
さっきのゆきを見て、なんとなくあの日の事を思い出したのでそんなことを言ってみる。
ゆきは、人差し指を頬にあて、「んー」などと思いだすポーズを取った。
しばらくそうしていたかと思うと、急に意地の悪そうな表情になる。
「それって…私達が始めてキスした日の事?」
彼女は私の顔をのぞき込みながらそう言った。 私はドキっとして、手にもった傘を取り落としそうになる。
「おっと危ない」などと言いながら、私の手を覆うような仕草で、ゆきの手が傘を支えてきた。
とくんとくんとくん、と心臓が自己主張を始める。
私はうまく言葉を返せずに、うつむいてしまった。
きっと私は今真っ赤な顔をしているんだろうな、と自覚できるほどに、血が巡っているのがわかる。
耳元でくすくすと笑う声が聞こえる。
私は、頬を膨らまし、精一杯の強がりで、「…ゆきの意地悪」と呟いた。

2010/03/09 くろね子



雪降った記念に。

以前書いた「雪。」の後日談みたいなお話です。
でも「雪。」を読んでなくてもどうということはないかと思います。
ふっと思い浮かんだので久しぶりに書いてみました。

「雪。」を読んで無い人向けに超簡単登場人物紹介
ゆき:六花の保護者的存在、六花の微妙な表情の違いで心が読めちゃう
六花:ゆきからは、りくちゃんと呼ばれている。感情が表に出にくいせいでいじめられていた

久しぶりに2人に逢えました。

冬の足跡 3 

January 02 [Sat], 2010, 17:34
最初:冬の足跡 1
前回:冬の足跡 2

12月31日に投稿するつもりが、ばたばたしててできませんでした。
今回で完結です。


冬の足跡 2 

December 30 [Wed], 2009, 20:45
最初:冬の足跡 1

冬の足跡 1 

December 29 [Tue], 2009, 12:17
「痛っ」
ドシン、と音がでそうなくらい思いっきり倒れこんだ私は、本日何度目かわからない悲鳴をあげた。
痛い、とは言ったけれど、実際に声をあげるほど痛かった訳ではない。
「よいしょ」とか「どっこいしょ」みたいなもので、転んだ時には痛いという声が出るものなのだ。
問題は痛みよりも、転ぶたびに体温を下げるこの冷気だ。
この季節、街を歩いているだけでも寒さが身を刺すというのに、何故私は氷の上に座りこんでいるのだろう、などと今更な疑問を浮べながら、手をついて体を起こそうとするけれど、体重をシフトさせると変な方向に体が滑り出しうまく立ち上がることができない。
いつまでも氷の上で座りこんでいる私の横を、小学生くらいの男の子がすいーっと華麗に通りすぎた。
あんな小さな子でさえ上手に滑っているのに、と思うとなんだか遣る瀬無くなって、小さく溜め息をついた。

*  *  *  *  *

「葉子は冬休みどこ行くの?」
2学期最終日の放課後、冬休みの到来を告げるチャイムをBGMにそんな質問をされた。
「どこも行かないよ。家でごろごろするだけ」
ロッカーの私物をかばんに詰めこみながら私はそう答える。
えー、というクラスメイトの声に、「冬はあんまり好きじゃないから」と簡潔に応えた。
と同時に、背後でどさどさと重たい物が落ちたような音がして、私は慌てて振り返った。
そこにはびっくりした顔で私を見ている別のクラスメイト、冬歌の姿があった。
私と同じように私物の整理をしていたのだろう。床には彼女が落としたらしき辞書やら資料やらが散らばっている。
大丈夫?と声をかけ、落ちていた辞書を手に取る。
それでも反応が無いので、資料も全部拾い集めて彼女の手に持たせたけれど、その間冬歌は表情を変えずに私をじっと見ているだけだった。
「えーと、これ、あなたのだよね?」
「え?…あ、うん。アリガトウ」
彼女は、その時初めて手に持っていたものを落としたことに気がついた、というような反応をして、私に頭を下げ、そして妙な事を聞いてきた。
「葉子さん、今の話は本当?」
「ん?今の話って?」
「その…冬が嫌いとかって」
彼女は言いづらそうに、というか、言いたくなさそうにそう言った。
ああ、と私は頷く。
「嫌いってほどでもないけど…あんまり好きじゃないかな。寒いし」
それがどうかした?と続けようとして、冬歌の方に向き直った瞬間、私は言葉を失った。
彼女は今にも泣いてしまいそうな目で、私をじっと見つめ、子供のように頬を膨らませていた。
「な、何…?どうしたの?」
びっくりしてそう尋ねるのが精一杯の私に冬歌は、
「ダメだよ!」
と至近距離で話すにはいささか大きすぎる声で返してきた。

私と冬歌は、クラスメイトとは言えそんなに仲の良い方ではない。
というか、事務的な用事以外でまともに会話をしたのはこれを含めても数回というような間柄だったので、これまで見たことの無い表情を立て続けに見せられ、私は圧倒されてしまった。
ダメだよ、と大声で言われた後、なんだか色々とまくしたてられていたのだが、私は呆然と聞き流してしまい、彼女の「じゃあ明日の朝十時に駅前集合ね」という言葉で我に返った。
「え、あ、うん?」
聞き返すつもりで語尾を上げて「うん」と言ったつもりだったのだが、冬歌はそれを肯定の意思表示ととったらしい。
それを合図にしたように、彼女は私物を抱えて帰り支度をはじめてしまい、私がもう一度聞き返そうかと悩んでいるうちに教室からあっという間に姿を消してしまったのだった。

*  *  *  *  *

約束通り、というべきか、かろうじて聞き取れた彼女の言葉に従って駅に着いた私を迎えてくれたのは昨日とはうって変わって満面の笑みを浮かべた冬歌だった。
結局自分がなんで呼び出されたのかわからないまま「こっちこっち」と急かす彼女に連れられてきたのが、私達が今いるスケートリンクだ。
質問をするタイミングを完璧に逸してしまった私は、冬歌に問われるまま靴のサイズを告げ、もたもたとスケート靴に履き替え、よちよちと氷上へと踏み出した。
私が靴紐と格闘している間に「ちょっと先に滑ってくるね」と言って飛び出した冬歌を探してみるが、足元が不安定で集中できない。
冬休みのせいか意外に多い人の群の中から、なんとかそれらしき人影を見つけ、そっちへ移動しようとするけれどバランスを崩して転ぶ。
うまく立ち上がれずに中腰の姿勢から氷に足をとられて転ぶ。
なんとか立ち上がった私に一直線に突進してくる子供を避けようとしてまた転ぶ。
そんな事を繰り返している間に、なんだか自分が一人ぼっちのような気がして気持ちが落ち込んできた。
来るんじゃなかったかな、なんて思い始めた頃、頭の上から「大丈夫?」などという声が聞こえ、顔をあげると冬歌が心配そうな顔で右手を差し出していた。
「な、なんとか…というかこれだけ転べばさすがに慣れてくるよ…」
私は、そうか、一人じゃないんだっけと思い出し、笑顔を作ると冬歌の手を借りて起き上がりながらそう応えた。

冬歌は私を起こした後、「一緒に滑ろう」と言って私の腰に手を回しぴったりと寄り添ってきた。
コート越しに伝わる手の感触が、くすぐったいような気持ちいいような、奇妙な気分にさせる。
肩越しに見える冬歌の顔が実際の距離よりももっと近くにあるような錯覚に、軽い眩暈を起こす。
こうして間近で改めて見ると、冬歌は「女の子」だ。
長い睫毛に二重の瞼。緩やかなウェーブが可愛い栗色の髪からは微かにリンスの香りが漂い、程よい弾力を感じさせる頬は寒さのせいかうっすらと朱色に染まっている。冬の空気に触れてなお血色のいい唇は、触れたらぷるんとはじけそうだ。
じっと見つめている視線に気づいた冬歌は、私を真っ直ぐ見つめ返してにこっと微笑んだ。

私は小さい頃、男の子と一緒にその辺を走り回っているような、古い言い方で言えばお転婆な性質で、そのせいか今でも口は悪いし身だしなみにもあまり興味が無い。
もっとも、最近じゃ男の子が化粧をしていてもそう珍しいことではないし、単純に性分の問題かもしれないけれど。
いつも周囲にいるのは、遊び仲間といった感じの男の子連中や、私と同じようにあまり洒落っ気のない女の子が多い。
だから私は、冬歌みたいに女の子然とした普通の女の子に免疫が無いのだ。
そんな私の手を握り、腰を抱き、目の前で微笑む女の子に、私の心臓はドキドキと脈打つ速度を上げるのだった。
私は恥ずかしかったりドキドキしたりで内心大パニックになってしまったけれど、おかげで緊張し硬直した体はバランスを崩すことなく、冬歌に連れられるまま氷上を滑っていった。
それにしても何がこんなに恥ずかしいんだろう?
スケートができないことなのか、
高校生にもなって小学生に追い越されまくっていることなのか、
女同士でくっついていることなのか、
あまり女の子らしくない自分と、冬歌とを比べてしまうからなのか。
あるいは「女の子」と間近で見つめ合ってしまったからなのか。
そんなことを考えながらもう一度ちらりと冬歌を見ると、彼女は私を抱えて滑るのにずいぶん一生懸命になっているらしく、真剣な目で正面を見ていた。
私は自分がカーリングのストーンになった気分で、くすりと笑った。


(続く:冬の足跡 2

開いちゃいました 

December 10 [Thu], 2009, 1:31
ずいぶんと間が開いてしまいました。
気がつけば街はクリスマス一色で、
せっかくの季節に何も書いていない自分にがっかりする日々です。

この1か月でサークル活動を休止するに至った出来事も無事に終わり
ほっとしたのもつかの間、生活も随分変わってきました。

新しい生活に少しずつ慣れて、ペースを取り戻していければなと思います。

くろね子

星追 ☆☆☆☆☆ 

October 31 [Sat], 2009, 21:10
最初:星追 ☆★★★★
前回:星追 ☆☆☆☆★

やっぱり5回になりました。
今回で完結です。

星追 ☆☆☆☆★ 

October 25 [Sun], 2009, 21:20
最初:星追 ☆★★★★
前回:星追 ☆☆☆★★


星追 ☆☆☆★★ 

October 12 [Mon], 2009, 23:33
最初:星追 ☆★★★★
前回:星追 ☆☆★★★

全5回になりそうな予感もしつつ、三回目です。

星追 ☆☆★★★ 

October 08 [Thu], 2009, 23:53
最初:星追 ☆★★★★

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