映画「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」ネタばれ感想メモ

2008年03月15日(土) 22:00/ 藤子不二雄の話
映画「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」を観て、残念だっと点と、良かった点を具体的に上げてみます。

※ネタバレ有り有りなので未見の方はご注意ください。むしろ観た人にしか分からないことを書いているので、未見の人が読んでもあまり意味が無いと思います(^_^;)

観た直後の大まかな感想は前回のエントリに書いています。こちらはその補足で、映画の具体的な部分のピンポイントな感想となります。
* * * * *

改めて、今回の映画の印象はというと・・・まるで、もともと本館しかなかったところに後から北館や南館が追加されて、通り抜けるのが複雑になった百貨店といった様子で、短編「さらばキー坊」の部分と、そこからオリジナルで肉付けして長編にした部分が上手く馴染んで無いような感じです。

原作をもとにした前半と、緑の星に着いてからしばらくはバッチリだったんですけど、終盤は意味不明の急展開、更にまた最後だけ原作の後半につなげてるんですよね。どうにも、ストーリー構成と脚本が下手でした。


前半は良かった、後半はダメだった。どこからダメだったのかその境界線について

日常世界でのキー坊との触れ合い、のび太たちが緑の星にやってきて、植物人の議会を視察、中央議会場から逃げ出して、港でキー坊を救出、リーレ姫に捕まって森の中に遭難、森の民の村に辿り着き、その村でお祭りの夜を迎えたところまで、ここまでは、例年通り、映画ドラえもんならではのワクワクドキドキ大冒険を味わってて、とっても良かったんです。

冒険の途中で訪れる村っていうのが、いかにも大長編ドラえもんらしいシチュエーションなんですよ。緑の星に入ってからハードな冒険が続いていたけど、やっとここでユッタリと食事したりキャンプしたりと、大長編らしい素敵な場面が観られるんだ!ウーン、イイ感じ(´ー`)♪

と思ってたんですよ。さらに、のび太たちに対してツンツン、ムスっとしてたリーレ姫も心を開きかけてきて、しずかちゃんがリーレ姫にしゃべりかかける場面。自分を呼ぶとき、「お姫さま」じゃなくて「リーレ」で良いって言うんですよ!今までツンとしてた娘が自分から友達になろうとする、そりゃもうベタなシーンで、リーレにはこうなって欲しい、と思ってたシーンが観られたのでもう最高!

だったんですけどね、ところが、その直後ですよ。。緑の議会のシラーたちが空気を読まずに、リーレ姫を連れ戻しに現れたんです!

夜空に浮かんだ二つ月が重なるという、とっても素敵なお祭りの夜に、リーレ姫がのび太たちや下流(?)の森の民と心を通わせようとしている、とってもイイ場面なのに、まさにブチ壊し!

エエーッ!このタイミングでそりゃ無いでしょ。これって今流行のKYですか(苦笑)?

ここは自分ならば・・・焚き火を囲んで晩ご飯を食べながら夜祭り→リーレ姫がのび太たちに心を開いて、自分の生い立ちから緑の星の歴史、両親のことや姫としての悩みなどを打ち明ける→夜が更けて、仲良しになったしずかちゃんと一緒に泉の水で朝シャワーを浴びる、みたいな、大冒険の途中の平和なひととき、っていう場面が見たかった!それで、そんな平和で楽しかった森の一夜が明けて朝になると事態は一転、シラーたちが姫さまを取り返しに乗り込んでくる、というストーリーを見たかったのに、あのシラーがやってくるタイミングがオカしいですよ(怒)。

けっきょくリーレ姫はのび太たちに心を開いたのか、地球人と仲良くしたい気持ちになったのか、わかんないまま。そのあと、のび太はリーレ姫と二人でキー坊を助けるシーンこそあったものの、その他しずかちゃんたちはリーレ姫と絡むシーンが無いんですよね。特にしずかちゃんは自分から話しかけたりして、女の子同士でリーレ姫と仲良くなりたそうな様子だったじゃないですか。その辺りが解決しないまま終わったのが中途半端で残念過ぎる(´・ω・`)。

・・・と思ったわけで、この場面が映画ドラらしくて良かった前半と、混沌としてダメダメだった後半の境界線として強く焼き付きました。ここでガックリとしちゃったので、その後の急展開がなおさら頭に入ってこなくなっちゃって・・・。


残念だったところ


地球←→緑の星の物理的なつながりと、映像的な場面転換が分かりにくくてストレスが溜まった!

緑の星ってのは夜空に月が二つ出るくらいだから、地球からはるか遠い銀河の星なんだろうけど、それ以外の情報が無さ過ぎ。前半、森の中でのび太たちがロケットで連れ去られたと思ったら、いきなり緑の星に着いてるし、宇宙空間から見た緑の星とかの描写もないので、単に地球のパラレルワールドみたいなイメージさえ感じました。

このせいで、クライマックスの急展開がサッパリ頭に入ってこなかったんです。のび太たちが長老ジィの道案内で、大木の中の異次元トンネルから地球に戻ったまでは分かったんですよ。そのあと、シラーとか緑の巨人たちがやってくるんですよね。あれれ、緑の星と地球は、ロケットが無くてもいともカンタンに行き来できたの?地球をつなぐトンネルは長老しか知らないルートじゃなかったのか??

で、緑の巨人が倒されてから、あれれ、二つの星をつなぐトンネルになってる大木の表側が地球で、裏側が緑の星?なんで一般の植物人たちも地球にやってきてるの???おいおいおい、ワケわかんない!パニックですよ。オトナの自分が観てこんなんですから、子どもはもっとチンプンカンプンでは?

渡辺監督は最終的にこのシーンを観なおして、コレは分かりにくいな〜とか思わなかったんでしょうかね。


藤子SF短編『緑の守り神』を彷彿させるジャングルと化した東京を舞台に・・・あれれ、もう終わり?

再び帰ってきた地球。緑に覆われた街で、のび太たちの冒険・第2章が始まる・・・か、と思いきや、なんかスライムのようなジェリー状の緑の怪物みたいなのが街を飲み込んでいって、いつの間にかシラーたちもやってきて、キー坊が樹木に取り込まれて、巨大な大木が出現して、のび太とリーレ姫だけが活躍して、あれ?あれあれあれ、もう決着しちゃった。。。

樹木のツタがウネウネニョキニョキと伸びてって徐々に街を飲み込む場面とか、のび太たちが街を歩き続けて緑に覆われた自分の家を見つける場面とか、ドラえもんのひみつ道具が完全復活して緑の怪物を次々と退治する場面とか、そういう冒険らしいワクワクドキドキする場面を期待してたんです。

上に載せてる写真のパンフレットとかポスターとか公式サイトの絵では、緑に覆いつくされた高層ビル街と、その上をタケコプターで飛ぶのび太たちが描かれてるじゃないですか。

映画の特報が流れてから半年以上、ずっと見てきて期待してきた、緑の偉大さが伝わってくるこの「緑の守り神」チックな世界観。あんな世界での冒険がこれから存分に見られるものだとばかり思ってたら、上から見下ろしたような俯瞰図で描かれた街がアッという間に緑に取り込まれて、それがまた一気にお花畑になって、、、いやー地球へ帰ってきてからがおおざっぱすぎる。

最後には緑に襲われた地球を救う話なんだから、もっとそれらしい冒険を見たかったし、映画ならではのドラえもん&ジャイアン&スネ夫&しずかのスカっとするような活躍も見たかった。意味不明かつ不完全燃焼です。


けっきょく緑の巨人とはなに???

動物たちを絶滅させてそこに新しい世界を再生させるための生物兵器??ってこと??その辺りの説明とか、過去に緑の星であった戦争のこととか、もうちょっと分かりやすくして欲しかった。あと、アレは“巨人”に見えないですよ。巨大な大樹が出てきたから、あの大樹の幹がガバァっと割れて、その中からちゃんと人間の形をした巨像みたいなのが出現するのかなと想像してたら、けっきょく樹のままなんですよね。拍子抜けです。


リーレ姫のキャラが不鮮明。常にツンツンしてるでもなく、明確な“デレ”になることもなく。途中途中の行動もよくわからなくって、姫としての立場に悩んでいる以外、最後までどんな女の子かわからなかった。

具体的には、

キー坊には好意を抱いていたと思わせつつ、巨人に取り込まれる場面ではなんでスグに助けなかった??
公の場で義足を履いてまで身長を高く見せてたのは、姫としての威厳を与えたいってこと??
森の中で、重要なお宝ならともかく、単なる飲み水を頑固なまでにキー坊に分け与えようしない理由付けは??
キー坊を追っかける時に使ってた、アクションゲームみたいな棍棒は普段はどんな時に使うモノ??


ジャイアン、スネ夫、ドラえもんの行動に、ムリヤリ大長編ドラっぽさを組み込んいでたのが不自然

具体的には、

・緑の民の子どもと遭遇する森のシーンで、食用の木の実を見つけたとたん、ホームシック状態になるスネ夫

→いくらお腹が減っていたとはいえ、そのキッカケで突然ホームシックになって「ママ〜!」と泣き叫ぶスネ夫はちょっとオカしい。

・キー坊に上げる水はオレが取ってくると言い出す、のび太に優しいジャイアン

→ジャイアンに水汲みクエストが発生したことで存在感は出ていたけど、今知り合ったばかりの森の子どもの後を、ジャイアンが躊躇なく付いて行くのは不自然で、どうも浮いて見える。

・最後の最後に自分のせいだと言い出して、ポケットからハンマーを取り出して自分の頭をたたこうとするドラえもん

→今回の冒険って、ドラえもんが関わったのはキー坊を作るキッカケ部分だけで、それでなんでドラが「自分のせいだ」と思ったのか、サッパリわからない。これまたイキナリ過ぎて浮いて見えたというか、今回はドラえもんの出番が無さ過ぎでした。

上手く言えないけど、もうちょっと前後のストーリーになめらかに馴染ませて欲しかったな。どれも空気キャラと化していたところに、ムリヤリ出番を与えただけのシーンになってしまってて、浮いて見えました。



良かったところ


キー坊が可愛らしい(*´ー`*)

これはもう、予告編とかでかなり伝わってるんですけど、実際に見てみると、吉越くんの声が予想外にスンナリとハマってたこともあって、ゲストキャラクターとして申し分ない愛着と存在感がありました。のび太にお古の靴をもらって履くところとか、部屋でテレビや漫画を読むところとか、ホントにキー坊みたいな生物が家にいたらあんな感じなんだろうなぁ・・・ってのがにじみ出ています。


町内の緑がとってもリアル

のび太の家の庭の狭さ、通学路の途中の草木、キー坊と出会うゴミ捨て場と化した裏山の山道・・・そうそうそう、実際にこんな風景ありそう!毎週見てるTVシリーズよりも緑が多過ぎて違和感はあるけど、逆に、緑をテーマにした今回の世界に上手く入り込ませてくれました。


落ちたら下は溶岩

そうそうそう、あったあった!学校の帰り道でジャイアンとスネ夫がやっていた自分ルールのゲームが実に懐かしくてクスっとしました。最近の子どももこういう遊びするんですかね(笑)?


キー坊に対して、温かく接するパパとママが新鮮

洗濯物を庭に干すのを手伝うキー坊、それを柔らかい微笑みで見つめるママ。のび太が小さかったころに与えたのと同じであろう、母親の愛情みたいなのがママの表情から伝わってくる!家中に0点の落書きをしたキー坊に対して怒ると見せかけて、実は満面の笑顔でホメるっていうギャップもオモシロかった。

雨に打たれて庭でダンスをするキー坊、それを柔らかい微笑みで見つめるパパ。今は小さい木だけど、将来は僕たちを雨宿りさせてくれるような大木になるんだろうね、みたいなセリフがあってグっときた!普段は地味なパパだけど、ここ一番、サラっと素敵なセリフをしゃべらせるのが上手い!

いつもなら、のび太が連れてきたペットのような生物に対しては、ママが毛嫌いをしておしまいだけど、今回は違います。家族ぐるみでキー坊に接する様子が、ひと夏の思い出みたいな感じでとっても素敵で、とても優しい気持ちになりました。渡辺歩監督は、こういう家庭のヒトコマを描くのはやっぱり得意で、好きなんだなぁというのがヒシヒシ伝わってきます。欲をいえば、キー坊とのび太一家の、たわいのないシーンをもうちょっと見たかったかな。


チョイ役ヒロインのナエちゃんが可愛らしい!

緑の村のナエちゃん(゜∀゜)!事前情報には出てなかったキャラだったのでその存在を映画で見て初めて知ったんですが、髪型とか緑の葉っぱをモチーフにしてて、ちゃんとしかも藤子アニメチックな顔の女の子になってるんですよね!やはり作画監督の金子志津枝さんデザインでしょうか・・・とっても気に入りました。しかもスネ夫とささやかなロマンスみたいなシーンも用意されてて、慌ただしかった後半の中では、一時の清涼剤みたいな感じで印象深いです。

今回のリーレ姫のキャラクターデザインって、どうも奇抜すぎてあまり藤子アニメ画っぽくないから自分の中でいわゆる萌えるヒロイン度が低かったんですけど、ナエちゃんに救われました(笑)。藤子アニメがドラえもんだけになって久しいですが、そんな中でもこうして新しい藤子アニメタッチのヒロインが見られるというのがホント嬉しい。せっかくだから、エンディングにももっとハッキリと出て欲しかったところです。


劇場版ドラえもんいえばやっぱり、しずかちゃんが可愛らしい!

私的に最後はやっぱりコレなんですよね(^_^;) 物語ウンヌンよりも、一番気がかりなのがTV版と異なるしずかちゃんの顔。映画のしずかちゃんに関しては大山ドラ時代の「ふしぎ風使い」以降、渡辺監督や金子作画監督が、なんだかとっても気合いを入れて描いてくれてるので、まさにヒロインらしい可愛らしいしずかちゃんが見られるんですよね。コレが自分としてはもちろんウレしいわけですが、さて・・・今回は?

上の写真のパンフレットやポスターで描かれてる絵のしずかちゃん顔ならば、バッチリ可愛いくて申し分無し。具体的には、目がドングリまなこの藤子アニメ瞳で、左右の目の間にちょっとだけ距離があって、頭身は原作漫画よりもやや高めで、全身や足のスタイルに曲線が入ってて女の子らしいところが魅力的です。

ただ、渡辺監督のこだわりでしょうか、作画監督は昨年の新魔界と同じ金子さんながら、一昨年の恐竜2006ぽい、場面ごとにキャラの面影が異なる作画、タマに目と目の間が離れすぎててる顔があったりして、その点はちょっと残念でした。

で、今回しずかちゃんのシーンで印象深かったのは、河原で転んで尻もちを着きそうになってキー坊に助けられる場面と、前述した、緑の村でリーレに話しかける場面ですが、そういえば今回はしずかちゃんならではの見せ場が無かったですよね。まあジャイアンとスネ夫もムリヤリ出番があっただけですけど(^_^;)

しずかちゃんが冒険の途中でシャワーやお風呂に入るシーンなんてもう忘却の彼方のような、昭和時代の遠い思い出のような・・・。渡辺監督、しずかちゃんにこだわってくれるんなら次回はその辺りも頼みますよー、という言葉でこの感想を締めくくりたいと思います。


ということで、実際に映画を見て感じたことはこんなところですが、そのあと、コミックス版「映画ストーリー のび太と緑の巨人伝」を読んで、コレは!と思いました。次のエントリーに続く

緑の巨人伝の感想エントリ
映画「ドラえもん のび太と緑の巨人伝」を鑑賞(1回目)
緑の巨人伝のキー坊ぬいぐるみがカワいい!
コミックス版「のび太と緑の巨人伝」を読んだ感想
緑の巨人伝の映画ドラえ本が発売!
「のび太と緑の巨人伝」2回目鑑賞
URL:http://yaplog.jp/erisama/archive/1301
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