辻留・辻嘉一さんの文庫本 

2005年03月20日(日) 9時54分

懐石料理の辻留・辻嘉一さんの文庫もよく集めました。奥村土牛とか前田青邨の日本画で装丁された表紙も上品な感じで好きです。
優しく語り掛けるような文体も、お人柄がにじみでていて、とても読みやすいです。
手元には「味覚三昧」「料理のお手本」「包丁余話」「辻留・料理のコツ」「味のいろは歌留多」があります。
たくさん読むと重複した部分もありますが、一言でいうと「材料の選び方使い方。火加減と手加減。 台所仕事の知恵」といった内容に、お仕事でのエピソードが加えられています。昭和30年代に書かれたものがほとんどで、たぶん料理のレシピ本とか料理エッセイの先駆けになったものだと思います。
素材ごとに項目になって書かれているので、野菜のあく抜きや下ごしらえでわからないなという時、パラパラとめくってみる・・。そんな使い方もできるので手元にあると便利です。「今更人に訊くのも・・」というような基本のキも丁寧に書かれていて、ちょっと助かります。
何気なくいつもしている手順が理にかなっていることだと説明されて、何だか嬉しく感じたり。豆類・うど・ずいき等、普段は使わないような素材に挑戦してみたくなったり。緊張感あふれる辻留の仕事ぶりにふれると、何かおいしいものを作りたい!と台所に立つのが楽しみになったり。私にとってはモチベーションを上げてくれる本でもあるのです。
所々の「だしは専用の鍋で」とか「まつたけご飯には」とか「新鮮な鮎が手に入ったら」とかの、我が家に合わない部分はさらりと読み飛ばし・・ですが。

さあ、今日は何を作ろうかな・・。

和田誠さんの小説 

2005年03月09日(水) 8時49分

イラストレーターの和田誠さんは多才です。長く続いている「お楽しみはこれからだ」という映画評論とか、いろいろな本の装丁・・和田さんの装丁は背をチラッと見ただけでわかるんですよね・・。そして、あまり知られてないと思うんですが小説も上梓しています。
この「きなきな族からの脱出」は22篇の短編集。しかもどのお話も「終章」だけです。こんな本を思いつくだけでもうすごい才能だと思います。
どの章も、唐突な書き出し。で、数ページだけで結末になります。・・その前に延々と物語があるはずなのですが、それは読み手側で想像するしかないのです。この数ページを読んだ人によって、読んだ時によって、全く違った物語が広がっていくという仕掛けです。
SF風、ハードボイルド風、ラブロマンス、怪談など、22篇それぞれ全く違った味付けです。
1冊で何度でもおいしい・・いつかまた読み返してみたくなるような物語。解説を書いている村松友視氏は「無人島に持って行く1冊」と評しています。
この本は、今日の出品予定にいれています。
ヤフーオークションID enngawa_no_tamaでご覧ください。

和田さんの話でもう少し。
奥様はシャンソン歌手で料理研究家の平野レミさんで、長男の唱さんもトライセラで活躍されています。レミさんの「ド・レミの歌」、和田さんの「わたくし大画報」など20年以上前のエッセイに、ふたりの意外な馴れ初めや、新婚時代のエピソードが綴られています。ふたりの絶妙な掛け合いが可笑しくてほのぼのした好エッセイなのでこちらもお勧めです。

それと訂正です。
先回の辻さんの本の名前、間違っています。先ほど読み返して気づきました。
「・・天井」ではなく、「グラスウールの城」でしたよね。 天井は「ガラスの天井」でした。
そそっかしくてお恥ずかしいです。ごめんなさいです。今後も気づき次第に訂正しますのでお許しください。

辻仁成が好きなんだけど 

2005年03月02日(水) 10時34分
最近(・・でもないか)ここ10年来、辻仁成さんが好き・・でしたが、今度は韓国の女性作家とコラボすると聞いて少なからずがっかりしています。「白仏」「千年旅人」あたりでもう出尽くしたかなって感じてたのですが、ついに二番煎じなのかな。
どんな作品になるかわからないうちに、あれこれ言うのも変だけど、何だか見えてしまいそうで・・期待薄。
「カイのおもちゃ箱」あたりで少年時代、「グラスウールの天井」あたりは等身大で、「五女夏音」「白仏」は家族を・・。ずっと切り売りみたいな所もあったから・・。「千年旅人」ですっかり総括してしまって、この先どうするのかなあって思っていました。大ヒットの「冷静と・・」は江国さんのチカラが大きいんですよね。結局、その後の「サヨナライツカ」もかたちを替えただけで「冷静と・・」と同じだったしなあ。
あれ??好きっていいながら、ちっとも褒めてないなあ・・。
とにかく、辻さんの繊細な言葉遣いと比喩の使い方が何ともいえず好きなので、「ニュートンの林檎」みたいな熱い話をまた書いてほしいです。

安部公房は深いです。 

2005年02月24日(木) 8時45分

安部公房の著作の中でもこの「石の眼」は読み易い小説でした。
山奥のダム建設現場という閉じられた世界での推理小説風仕立て。6人の登場人物の細かな心理描写を、各人の立場から並行して書いていく手法は圧巻です。ひとつの出来事でも、立場が違えばその捉え方も意味合いも違う・・。その差異からさらに新たな意味が生まれて・・。とっても複雑に何層にも重なり合っていく様子が、丹念に書き込まれています。
安部氏の作品は戯曲は苦手で避けてしまうし、小説も抽象的だったり比喩が多かったりで読みにくく思っていましたが、この本は単純に推理小説として読めるのが幸いしてか、すんなりと入って来ました。
解説によると、安部氏は下敷きになっているダム建設現場について昭和30年代前半にいくつもの現場を調べ歩き「蜂之巣城騒動記」というルポも書いているそうです。その時点ですでにダムの環境に対する悪影響を指摘し、利権争いの巣窟でることや反対運動の中にも利権が絡んでいる矛盾点を看破しているのです。
実は、心理劇の見せかけの下にも政治的意味が潜んでいる・・・のですね。うぅ・・。わたし、読み取れてないのか?
やっぱり、深いなぁ。

住まいについて 

2005年02月19日(土) 10時18分

はるか昔、建築を学んだ頃アアルトが好きでした。・・昨今、シンプルな北欧デザインがまた人気なので、とても気をよくしてるんです。
一番身近な住宅の世界でも、ポストモダンとかバブルの風潮とかで長いこと忘れられていたけれど、今また小さくて景観に溶け込むような住まいが注目されています。
少し前には特別の物に思えた自然素材・天然素材も、入手できるようになりました。そして外観からは見えないけれど自然の力を使って絶えず換気していたり、太陽熱を利用したり・・といった優れた技術も数多く開発されています。ローコストでありながら長持ちで健康的な住まいが実現するようになりました。この写真が載っているのは「住む。」という雑誌です。所謂、建築の専門誌ではなく、住み手にむけて発信されている内容でとても読み易い本です。この号に限らず一貫して、シンプルな住まいを長持ちさせる住み方を紹介しています。
最近は、若い人たちが古い家に上手に住んで、雑誌kunelなどでも毎回紹介されていますね。良いものをリレーしていく気持ちって、かっこよく言えば「文化の継承」ってこと。そんな気持ちが若い世代にも浸透しているので、古い物好きのわたしは嬉しくなります。
写真の雑誌「住む。」3号は、yahooオークションにID enngawa_no_tamaで出品中です。

料理の先生は有元葉子さん 

2005年02月17日(木) 10時56分

有元葉子さんの本もたくさん集めました。
背筋の伸びた話しかたや、シンプルで無駄のない暮らし方にもとても共感します。
紹介されているレシピも、他の先生のものに比較して、格段に簡単で気楽に取り入れることができます。料理には無限の展開があって、いくらでもアレンジできることを教えてくれたのも有元さんです。
毎日のメニューを考えるのが苦手でワンパターンに陥りがちでしたが、いろいろ新しい取り合わせにも挑戦してみたり。無駄なく作る工夫をしたり。
本の帯のキャッチコピー通りに、かなり自信がついて来ました。

今日の出品は、有元さんの本のほか、雑誌・住む3号、
雑誌・太陽/現代美術特集、日本の美特集、辻静雄さんの文庫エッセイなど。

伊丹十三の本 

2005年02月16日(水) 10時38分
伊丹十三っていうと、映画の方が有名だしインパクトある作品がたくさんあるけれど、実は若い頃に書いたエッセイが妙に面白いんです。この「問いつめられたパパとママの本」は、タイトル通りに伊丹氏が父親になったときの作品。
「赤ちゃんはどこから来るの?」「夏はどうして暑いの?」などなど、ありがちな質問に科学的・物理的に説明しつつも、ついつい話が逸れてみたり。
例えば・・父親は陽イオン、母親は陰イオンで子どもが分子、分子の頭が+極、足が−極であれば、父は子の足をつかんで引き寄せるし、母は子の頭をつかんで引き寄せる・・(あひるはなぜ水の中でもぬれないの?より)なんていう、まわりくどい説明・・添えられた絵を見ると笑えてしまいます。・・こんな説明で「ね、わかった?」と言われても・・なんですけどね。
昭和40年代の伊丹氏は、こんな巧みな話術で読者を煙に巻きつつ、『女たちよ!』『自分たちよ!』『ヨーロッパ退屈日記』等などの多くのエッセイを書いていました。
今日は、手芸の本をいくつかと、伊丹さんの本からも4冊出品します。

骨董好き 

2005年02月12日(土) 11時59分

古い物が気になって仕方ない・・これは本に限らず雑貨にもそんな傾向があります。ときどきは骨董屋さんの店先や骨董市に出かけます。着物のはぎれとか小皿なんかの小さな物がたまっていきます。なかなか手がでないけれど実は豪華絢爛な色絵の器が好き。テーブルに古伊万理とか九谷を並べて・・。と、夢想しながら眺めるのは、こんな雑誌。コーディネイト写真がきれいで、参考になります。(実際の店舗紹介や、物によってはお値段も出ているのがかなり現実的ですけど。)拙い骨董体験ですが、よく言われるように「自分のものにして価値がわかる」というのは、確かに実感しますね。小皿1枚手にしても、何十年から百年もの間受け継がれてきたものなのだと思うと、身が引き締まるような気がします。器は語らずとも、各々いろいろな物語を持っている。もしも聞くことができたなら、それも1冊の書物になるほどだったり・・なんて夢想はどんどん果てしなく・・。

手芸の本 

2005年02月10日(木) 11時55分

今日は手芸本・・ちまちまと作ることが好きなので、いろんな手芸本も集まって来ます。特に、編み物や刺しゅうなんかには目がないんです。気持ちは「作りた〜い」でも、実際に取りかかるまでがなかなか・・。一度、作業を始めると、没頭してしまって他のことが何にも進んでいかない!なんて事態に陥りがちなんですよね。それでなるべくは、あれこれ眺めるだけで満足したことにしておきます・・。
この可愛いおひなさま。ちょうど時期がいいので、オークションに顔をだしてもらったら、さっそく入札していただきました。ありがとうございます!今度こそ、作ってもらってね・・という気持ちで送り出しますね・・。
本日の出品から
  ★佐々木丸美・・舞姫
  ★狛犬コレクション
  ★プレインピ−プル・アーミッシュの世界
  ★雑誌・太陽・・江戸川乱歩特集/澁澤龍彦特集/建築の近未来/安藤忠雄特集など

小林秀雄の精神 

2005年02月09日(水) 8時50分
中原中也繋がりで、小林秀雄さんの本も少し齧ってみたものの。文体が、あまりに厳格で窮屈な感じ。すぐにギブアップ・・。最近、白洲正子さんとも繋がっていると知って、再度興味が沸いてきたとき出合ったのが「兄 小林秀雄の心情」という妹さんの書かれた本。まじめで真っ直ぐで直球だけ・・の凛とした姿と、こころ温かで何物も受け入れる柔軟さ。そんな人柄が、幼い日のエピソードなど家族ならではの視点から描かれています。(もちろんそんなに褒めちぎっている部分ばかりじゃないけれど)
なかなか魅力的な人物像が見えてきたので、またぽつぽつと古い文庫をめくっています。
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