1:稔 

October 12 [Thu], 2006, 7:19
「イヤとか言いながら君も乗り気じゃないか……」
「なっ!それは貴方が…」
「私のせいにする気かい?」
言葉を遮るように須藤が聞き返した。
真っ直ぐに俺を見つめる目が怖くてフイッと視線を逸らしてしまう。
「どっちにしろ、二人とも勃ってしまったんだ。君も素直に受け入れなさい」
須藤は俺の体を軽々と浮かせると、向き合い膝に乗せるように座らせた。
お互いの顔がよく見える分余計に恥ずかしい。
「さて…辛そうな君のコレ、どうして欲しい?」
「んっ…」
俺の自身に手を伸ばし先端をグリグリと押すように刺激されると、俺の口から漏れた喘ぎが風呂場に響く。
壁から跳ね返ってきた自分の声に聴覚さえも犯されますます羞恥心がこみ上げてくる。
「ホントに…っ…やめっ……」
「止めていいのかい?お湯の中なのにヌルヌルしてるのが分かるくらい蜜をこぼしているというのに…」
トロンとして薄く開いた瞳に相手の意地悪い笑いが映る。

駄目だ……
逆らえない……

言葉でいくら拒否しても俺の体は裏腹な反応を示す。

1:恍 

September 29 [Fri], 2006, 23:29
「…っ!」
ちゅ、と音がして口が離れる。
今まで何回もこうやって一緒に部屋に泊まり、何度も体を重ねはしたが、
さすがにシャワー中にまで行為に及ぶ事はなかった。
…だが、これは。
「…あの。」
「ん?」
「…このまま、するんですか…?」
「する、って何を?」
「…何を…って…」
「…はは、赤くなった」
「っ…からかわないで下さいよ…」
「からかってないよ」
途端に真剣な声が返ってくる。
この人と喋っているというもこうだ…
からかっている様な、そんな口調で話しているかと思えばいきなり真剣になって。
「…っ、このままsexするのは嫌だって言ってるんです!!」
「!……。」
…なんと、まぁ、間抜けな顔だ。
「…そんなに、驚く事ですか?」
「…いや…。まぁ…。」
「…私だってもう若くないんですから…sexくらい言いますよ。」
「そりゃぁ…まぁ…。」
本当に…何とも拍子の抜けた顔をしている。
…いや、違うか…それとはまた別の…
何か、都合が悪いかの様な…
「…?どうかしたんですか。」
「どう、って…」
「?」
須藤の目線を追う。
「…!!」
其処には…まぁ…随分と…逞しい…アレが。
「…はは☆」
…いやいやいや、そんな茶目っ気たっぷりに。
「はは…って…」
「勃っちゃった☆」
「いやだから、勃っちゃった、じゃないですって」
これは危ない…このまま行くと、本番に入る。
「と、とりあえず出ましょう、こんなトコで嫌です」
「…無理。」
予感的中だ…!!
湯船から出ようとした瞬間、腰を引かれてまた逆戻り。
「まぁ、これから先は長いんだから。」
「はぁ?」
「長い付き合い、こういうのにも慣れて行かなきゃ、って事だよ。」
「慣れたくないです…!」
「そりゃ無理だ。」
…どうしてこの人はこう…無茶というか勝手というか…!!
「君が悪いんだよ」
「なんで!」
「そんな声でさ、sexなんて言われたら。」
「はぁ!?」
「それでなくても俺は君の声は好みなんだ、そんな事言われたら意志なんかとは関係なく…」
「…関係なく?」
「勃つよ。」
言いながら、抱きかかえる様にしている俺の首に息をかける。
「…っ!…知りませんよそんなのっ…!!」
必死に抵抗はするが、そんなものはもう既に意味を成さないらしい。
巧みな指の動き、背後から聞こえる息づかいに、次第に息が上がってくる。
「…あ…!」
「感じてきた?」
「…っ!」
答えられる訳など無いのに、この人は…!!
その間も須藤の指は俺の体を這ってゆく。
首…鎖骨…胸…腹…
けれど…決して、触れて欲しい部分には触れずに。
「っ…ぁ…ッ…!」
「…ふふ」
いかにも楽しそうに後ろでほくそ笑む須藤が憎らしい。
だがそんな思いとは裏腹に俺自身はより強く熱を孕み、
もう後には引けなくなっていた。

1:戒人 

July 25 [Tue], 2006, 13:31


「はぁ…」

まだ、顔が熱い。
彼がシャワールームに消えてから数分が経つのにいっこうに冷める気配がない。


「顔…洗ってくるか。」

そう言って私はシャワールームのドアを開けた。



のは良かったんだが、シャワーを浴びているはずの彼がなぜか目の前に立っていた。
しかも笑顔つきで。


「なんだ、一緒に入りたいのか?」

「…」


見間違いだと思い込んでドアを閉めようとしたら、腕を捕まれた。


「逃げることはないだろう。」


いや、逃げますよ。
そんな笑顔で言われては。


などと言えばいいものの惚れた弱みでなにも言えず、結局彼と一緒に入ることになった。




「なんだ折角一緒に入っているというのに嬉しくないのか?」

「嬉しく、ないです…。」

「くくくっ、素直じゃないな。さっきは襲って欲しそうだったが?
そうだな…リクエストに答えて今襲ってしまおうか。」

「なっ!?」



彼と一緒に湯船に浸かっている私には当然逃げ場などなく、抱きかかえられた拍子に
腰に熱いものが当たって一瞬逃げようとしたが、
さらに強く抱きかかえられ背後から項にキスをされた。

スガ:2 

July 21 [Fri], 2006, 18:35
「…せっかちだなぁ君は。そんな顔をして、私の事を誘っているのかい?」


どれだけ物思いにふけっていたのだろう、気がつけば背後を取られていた。
耳元で囁かれて、背筋にゾクリと寒気が走る。


「な、違………っ!」

「何が違うんだい、こんな風に目を潤ませて。そんなにいやらしい顔をされては、こちらの理性が持たないよ」


こっちがいくら反論しようとも、返ってくるのは更に自分を追い詰める言葉。

抵抗する間もなく、ベッドに縫い付けられてスプリングが軽く軋む。


「…………ッッ!」


容姿端麗というその言葉がまさにふさわしいその顔が、至近距離まで近付いてはっと息を飲む。

ふわりと息がかかって、思わずぎゅっと目を閉じた。


……キス、される。



「…………なんて、ね」



………ぇ?

一瞬の間をおいて恐る恐る目を開けると、目の前には悪戯っぽく笑う彼。



「そんなに急がなくても夜はまだまだ長いんだから………シャワー、先に浴びさせてもらうよ」


クスリと笑われて、顔がぼっと赤くなるのを感じた。


…馬鹿か、私は。
こんなんじゃバレバレだ。



シャワールームへ向かう後ろ姿を目で追って、彼がいなくなったのを確かめるとベッドに俯せになる。

スガ:1 

July 21 [Fri], 2006, 18:32
「さ、ここだよ」


腰に手を添えられエスコートされて向かった先は、これまた豪勢な部屋だった。
豪勢と言っても巷のラブホテルの様にわざとらしくチャラチャラした装飾が施されているのではなく、黒調でシックにまとめられた、どこか落ち着きのある部屋。
さすが慣れているとあって、部屋選びのセンスは悔しいがなかなかのものだ。


…などと不本意にも感心していると、先に部屋の中に入った男は既にベッドの上にスーツを脱ぎ捨て、ネクタイを緩めながらこちらを見ていた。

「…そんなに珍しいかな。それほど高い部屋を選んだつもりはないのだけれど」

「や、いえ…。大丈夫です」


何が大丈夫なのかは自分でも分からないが、なかば自分に言い聞かせるようにして部屋に入る。

ゆとりのあるダブルベッドを見れば、まざまざと瞼の裏に浮かんで来るのはこの男に鳴かされている自分自身。
思わず顔が熱くなって目を背ける。


…また、今夜も。
この男に私は、翻弄されて。

2:稔 

June 25 [Sun], 2006, 22:28

連れて来られたのはホテルのレストランだった。
相変わらずこの人はどこから金が出てくるのか・・・
須藤と来る店はどこも高い店ばかりだった。
この前もその前も・・・
「やはり今日はあまり乗り気ではなかったのかな?」
「え・・・?」
「待ち合わせの時も溜息を吐いていたし、今も心ここのあらず、といった感じだ
。今日は早めに引き上げるか?」
「そう、ですね」
「上に部屋を取ってある。行こうか」
テーブルの上に出されたルームキーを見るとビクッと肩がふるえる。
「なんだ…期待してるのか…」
「なっ!そんな、期待なんて…」
「誤魔化しても無駄だ。顔に出ている……そして私はその期待に応えるべきかな
?」


分かってるくせに…
私が期待しているのなんて分かりきってるのにな。
ぜこの人はわざわざ言わせたがる…


「……行きます」
「やっぱりね」


嫌いだ…
何を考えてるか読めない表情も
この、勝ち誇ったような表情も……

1:稔 

June 25 [Sun], 2006, 22:25
『考えない事にしよう』


そんな事を思いながらもキッチリ時間15分前に待ち合わせの駅に来てしまう。
結局それは『考えない事にしよう』ではなく、『考えたくない』、自分の気持ち
を『認めたくない』だけなのかもしれない。
こんないい年した男が同じような歳をした男に組み敷かれ、それからズルズルと
関係が続き・・・
果てには無理矢理組み敷いた男に好意を寄せているなんて。
相手はほんの気まぐれだったのだろう。
それなのに自分だけ本気になり始めている・・・いや、すでに本気なのだろう。
それを相手に気づかれないようにするのが精一杯だった。


自然とため息が漏れる。
「君は私と過ごすのがそんなに負担かな?」
突然頭の上から降りかかってきた声に顔を上げる。
「・・・須藤さん」
「待たせたようだね。でも負担の割には君はいつも時間より早く来てるようだけ
ど」
「別に負担なんて・・・」


むしろ嬉しい・・・


「そうかい?なら行こうか」
私が立ち上がるのも待たずに歩き出してしまう。


やはり相手は気まぐれで相手をしてるのだろうか・・・


慌てて立ち上がると須藤を追いかける。
相手の隣を歩きながら表情を伺う。
何を考えているのか分からない。
どうして私なのか・・・
なぜ私でなければならなかったのか・・・


この人は私のことをどう思っているのだろうか・・・


そんな女々しい考えを読まれたのか私を見る相手の口元がニヤリと緩んだ。

2:恍 

June 20 [Tue], 2006, 23:57
…最初は本当に酒を飲み交わすだけだった。
初めは近場の居酒屋、次は洒落た料理屋。
雰囲気が怪しくなったのは…家に呼ばれてからだったか。
…イヤ違う、次に俺の家で飲んだときだ。
何を勘違いしたのか妻には逃げられた、とこぼした瞬間、俺に覆い被さってきた。
「…なんだ、そっちもその気だったのか。」
あの時は、久々に何を言っているのか判らない、なんて事を経験した。
そりゃそうだ、判らない事に出会うなんて学生の時以来だ。
おかげであの時俺は大層間抜けな顔をしただろう。
「…はぁ?」
「なら、遠慮は要らないな。」
(…や、待てって。「なら」ってなんだ。「遠慮」ってなんだ。)
しかしとにかくオカシイのはこの状況だ。
覆い被されるなんて、もしかしなくても貞操の危機を感じるべきなんじゃないだろうか。



……
…感じるべきだ…!!
なんだかそう取るとさっきの言葉の意味が分かる気がする…!!!




…しかしまぁ、やっとのことで導き出した答えなんて、遅い。
俺はそのままアッサリと戴かれた訳だ、そりゃ抵抗はしたけど。
…そりゃもう必死だったけど…
力で…負けた…。









…そんな事から始まって、今まで来てしまった。
未だに思い出すたび頭痛がする…出来事。
だが今日も、6時になると、待ち合わせ場所へ向かうのは何故なのか。
…それは、今は考えない事にしよう。

1:恍 

June 20 [Tue], 2006, 23:51
「『出かけてくるから』…か。」

出掛けていく2人を見て務は呟いた。

…本当に2人とも大きくなった。
小さい頃私の後をついて回っていたのが嘘の様に
子供達は日々成長していく。

「…俺は…何をやってるんだか、な…」

軽く自嘲気味に独り言を呟き、新聞を折りたたむ。
既に俺には、親として教える事など無いのかもしれない。
…いや、逆だ、教えてはいけないのだろう。
不器用ながらも、正しい方法で正しく生きていく彼らには…。

…そんな事を考えながら、重い腰を上げやっと俺は出かける支度を始める。
俺の休日は、今日ではない。
…しかし…こんな生活が始まってどれくらい経っただろう、
初めは嫌で仕方がなかった朝早くの出勤にも次第に慣れ、
今では時計を見なくても自然と外出用の服に袖を通せる。
…そして、今日もまた決まった時刻に、俺は家を出るんだ。




「おはよう、務。」
出勤してすぐに俺がしなければならないのは、この上司への挨拶。
「お早う御座います、須藤さん。」
…別にしなければいけない訳ではないが、
この調子で毎日朝一番に挨拶されては、返さざるを得ない。
「…やっぱり…良い声だ、務。」
…ほら、コレだ。
一体何故この男はこんなオヤジに向かってそんな言葉を掛けるのか。
そして決まって最後はこう締める。
「それじゃ、今日も、6時に、駅で。」
「…はい。」
そう、つまり、仕事が終わってからをほとんど共に過ごす、仲だ。

1:いちせ。 

June 19 [Mon], 2006, 19:03
空を見上げれば青空

今日はとても、散歩日和だ


「(…コイツがいなきゃな)」

「なに?」

「…いいえ」


翼に腕をつかまれ、ぐいぐいと引っ張られていく


「ちょ、たす…翼ッ!」

「なに?」

「どこ、行くんだよ」

「んーラブ「それは全力で拒否します」

「…大丈夫だよ、冗談じゃん」

「…、」


なんでだろう

たまに見せる翼の悲しそうな表情

胸が痛くなる


「たす―…」

「あ、ほら空兄ィ、ここ」

「…わ、」


翼が指さした先は

少し高い丘から見える景色

空が、どこまでも続いてるように見えた


「ここさ、俺が一番好きな場所なんだ」

「…へぇ…」

「兄貴だけだから」

「へ?」

「ここ、教えたの」

「―…たす…く、」


ふ、と彼の顔が近付いて


「ふ…っんン」


触れた唇


「ゃ…たす、」

「好きなんだよ…ほんとに、どうすればいいかわかんないんだよ」

「た…す、く」


思春期によくある心の迷い

なんて言葉で済ませられたのなら、楽だったのに


「…ごめ、でも俺…」

「―翼。」

「…そら、」


落ちた彼の涙を拭ってやって

青空の下

僕らはもう一度キスをした
P R
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