ジオラマ 

July 29 [Fri], 2011, 1:41
目が覚めて、ふと切なくなったもんだから部屋から飛び出したんだ。
宛もないまま自転車に跨り、なにも考えないまま、ただ仰がれるままに進んでみた。
すると、子供の頃によく来ていた、水平線が綺麗に見える海の公園に辿り着いた。
何故だろうあの夕焼けは、何か僕に訴えてるんだ。
何故だろうこの波音は、こんなにも繊細で凶暴なんだろう。
水面に映る夕凪は、遥か彼方のジオラマのようだった。
僕の知らない世界だったんだ。
仲間外れのような気がして。孤独感は膨らむばかり。
子どもの頃に描いた未来予想図は、長い年月を経て、朽ち果てしまったのかな。
太陽に背を向け、夕日が照らす僕の影は、いつも泣き虫で。
泣きたいのは僕の方だ。
素直じゃないから、涙の手前で堪えるんだ。
突然の大雨に打たれて、少し嬉しくなった。
お気に入りの洋服とブーツと自転車はずぶ濡れだけど。
涙が出ない僕の頬を、代わりにつたってくれたのは、一体誰の涙なんだい?

「ねえ、キミも泣いているの?」

重苦しい雨雲が僕に問い掛ける。
そんなキミを「シンジツ」という名前で僕は呼ぶよ。
そしてお天気雨の反対側にいる虹が僕を乗っけてくれないんだ。まだ来世には連れてけないって言うんだ。
だから僕はそんなキミを「ウンメイ」と言う名前で呼ぶよ。
すると、雲の裂け目から夕日が少し出てきた。
僕は、今更「時間ヨ止マレ」なんて言わないよ。
でも。こんな雨じゃ心まで飲み込んではくれないんだ。と少しだけ神様に文句を言ってみた。


雨雲は「シンジツ」
虹は「ウンメイ」


誰かはいつの間にか泣き止んでて、行ける筈のない来世へ通じる虹の橋だけが残っている。

「イインダ、アリガトウ」

そういって強がってみたけど。

やっぱり僕のせいじゃんか。

悔しいけど、僕も泣き止んでいた。
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