「グロテスク」 桐野夏生 

October 27 [Thu], 2005, 23:01
東電OL殺人事件を題材にした作品。
私がいくつの時に起こった事件だろうエリートOLが夜売春婦になって殺されたっていうのは知っているけど・・・。

グロテスクという言葉は本編では登場しなかったと思うけど、誰かが誰かと気味悪がる感情を表しているのだろうか

私は、登場人物の顔を見てみたいと思った。
小さい頃は不自然なくらいの美少女だったというユリコ、悪意をまとっている主人公(名前度忘れ)、個人的趣味でユリオとタカシ。
美少年好きなんです。

当時はかなり週刊誌やワイドショーで騒がれたんだろうけど、実際にOLが売春に走った理由は、本の中で描かれていたような、シンプルなものだったんじゃないかな
まさか売春したいとは思わないけど、ときどき無性に寂しいと感じることってあるから。

「星々の舟」 村山由佳 

October 21 [Fri], 2005, 17:39
タイトルに惹かれて借りた。
聞けば数年前の直木賞受賞作とか(知らなかった)

これは水島家の次男・暁、長女・沙恵、次女・美希、長男・貢、その長女・聡美、祖父・重之の6人にそれぞれスポットが当たる。
私の心に残ったのは、暁と沙恵の関係。
暁は重之と、その妻、晴代の間に生まれ、沙恵は重之の後妻・志津子の連れ子。
ふたりに血のつながりはないはずだった。
しかし、実はふたりは異母兄弟だった。
ふたりがそのことを知るのは、愛し合うようになってから。

暁が主人公となった一話「雪虫」ですでにふたりの関係はほのめかされていた。
私は、ふたりに何があったのかを知りたくて、ページをめくっていった。
高校生のころのふたりの情熱的な思い。
大人になってから変わっていったふたりの心。
その対比が切ない。

「残虐記」 桐野夏生 

October 19 [Wed], 2005, 17:55
これは新潟の少女誘拐監禁事件をモデルにしたのだっけ

これは作家・小海鳴海の体験として描かれている。
小海鳴海こと生方景子は小学4年生の冬に、工場の作業員・安部川健二に誘拐され、一年間を彼の部屋で過ごす。
昼は健二の自慰の道具にされ、夜は同級生となる。
隣人のヤタベさんは耳が聞こえない。
社長夫婦が部屋に来ることはめったにない。

突然開放されるのは約一年後。
社長婦人が偶然健二の部屋に来たのがきっかけだった。

開放されてから、彼女は毒の夢を見るようになる。
それは、事件の全貌を彼女の想像力で補ったもの。

この物語は、監禁事件を中心としたルポのようなものだと思っていた。
しかし、監禁事件は1章で幕を閉じ、あとは彼女のその後が描かれる。
彼女がめぐらせた想像は、「真実はこのようなものだったのではないか」と思わせるだけのものがある。
事件当時10歳だった少女の目を通して見たものと、後から警察や検事から仕入れた情報をもとに描いたにしては、あまりにすごい

「ヘンタイの哲学」 キム・ミョンガン 

October 18 [Tue], 2005, 18:14
タイトルに引かれて借りた。
図書館の新着図書のコーナーにあったのだけど、数十冊ある中で、この一冊だけ浮かび上がっていた。
当然だろう。
なにしろ、「ヘンタイの哲学」だ。

タイトルがすごけりゃ内容もすごい
ロリコン、覗き、SM、糞尿フェチ、肛門愛、獣姦・・・性道徳に厳しい人に見せたら気絶しそうなものばかりだ(うちの父親に見せたい
しかし、一番衝撃的だったのは、モーツァルトが大の糞尿フェ地だったという事実だ。
あんなきれいな曲を作れる人が、そんなものに執着して
授業前の教室で読んでいたのだが、内職決定机に隠して90分ずっと黒板よりこちらに集中していた。
ここ数ヶ月で一番衝撃的な内容だったわ。

「海を抱く BAD KIDS」 村山由佳 

October 05 [Wed], 2005, 16:25
高校生サーファーで軽い光秀。
校内一の優等生である恵理。
全く正反対のふたりがあるきっかけから関係を持つようになる。
最初は身体だけの関係だったが、いつしかふたりが抱える悩みが絡み・・・。

かなりはしょっているけど、読んだきっかけは本の背の説明書き。
あと、学校もバイトもない今日読むには充分な長さだったこと。

お昼ごろから読み始めた。
それぞれの視点から交互に描いていく。
読んでから気づいたのだけど、これは「BAD KIDS」の続編というか、ほぼ同時進行の物語なのだ。これなら、2冊いっぺんに買うのだったと少し後悔。
前作は高校生の頃に読んだけど、もう3年くらい前だから大まかな流れしかわからないんだよね。

性欲が人並み以上に強い恵理の主張はよくわかる。
私は、恵理のように性欲は強くない。
むしろないんじゃないかってくらいに弱い。
でも、自分の性(女性)にふと疑問を感じることがある。
具体的に話すのはちょっと難しいけど、「女」として扱われることに違和感を感じることが多い。
それは全く反対の立場からだけど、そのためか、恵理の主張に共感することも、ハッとすることもある。

今度、「BAD KIDS」も読んでみようか。

[殺し殺されることの彼方」 芹沢俊介 高岡健 

October 04 [Tue], 2005, 21:03
少年犯罪に興味があるから読んでみたけど、事件の資料が手元にないと細部までわからないので話についていけなかったり・・・。
でも、テレビのコメンテーターなんかとはまた違った視点の意見に触れられるのは嬉しい。

「もしも私が、そこにいるならば」 片山恭一 

October 03 [Mon], 2005, 23:34
事故で母を失った女性が、母親の昔の恋人を通してもう一人の母に接する「もしもわたしがそこにいるならば」
肝臓を患って入院している男性と、同室の男性の死と恋愛を描く「鳥は死をなづけない」」
山登りが趣味の教師が主人公の「九月の海で泳ぐには」

読んでは見たけど、表題作でもある「もしもわたしがそこにいるならば」はともかく、他の2作は正直好きではない。
主人公の周りでのエピソードをいくつか用意して物語に厚みを持たせようとしているのだろうが、正直細切れになっている印象を受ける。特に「九月の海で泳ぐには」はそうだった。

「蹴りたい背中」 綿矢りさ 

October 02 [Sun], 2005, 23:06
綿矢さんの作品は読まず嫌いだった節があるけど、今日読んでみた。
出版から丸2年経ってから手に取った理由は、「萌え」
何の雑誌かは忘れちゃったけど、この作品が「オリちゃんに萌えるにな川、そんなにな川に萌えるハツ」の構図になっている」と紹介されていたから。
萌え、今別ジャンルで、だけど毎日感じているから。

で、読んでみたけど、ハツがすごく身近に感じる。
私も中学高校時代、あえて集団になじまなかったところがあるから。ハツのお母さんに怒られるところや、クラスメイトとの距離感などは、まるで自分自身の体験のように心臓に響く。
陸上部の先輩との会話ではハツが迷っているように感じた。

にな川は、すごい。
好きなことに夢中になると、恥ずかしさとかはないのだろう。ハツにどう思われるか、全くかまわないでオリちゃんオリちゃんと連呼している。
だから、彼が生のオリちゃんとの距離を感じてしまったときは哀しかった。

余談だけど、巻末にある写真が可愛い。

「高校教師 もうひとつの繭の物語」 野島伸司 

September 29 [Thu], 2005, 11:07
ノベライズを別の人が担当しているためか、「高校教師」より読みやすい。
繭、一樹などの登場人物の視点を交互に描いていく。

映画を見たことあるけど、小説として読むとまた違った印象。
映画は切なさ、小説は優しさを感じられた。

この繭の傷は父親に愛されなかったことだと思っていたが、「高校教師」の繭と同じことがこちらの繭にもあったのだろうか

「高校教師」 野島伸司 

September 28 [Wed], 2005, 18:17
1993年に放送されたドラマのノベライズ本。
このドラマになぜか今頃ハマッていて、図書館で借りて一気に読んだ。

ドラマの流れに照らし合わせて読むためか、なんとなく読みにくい。
ラストの眠りが死なのかどうか知りたいというのもあったけど、書いていなかった。
まあ、あれは書かない方がいいんだろうね。
視聴者や読者がそれぞれ結論出せばいいんだもん。